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[第2回]

秀才の100点より「勉強が苦手な子の60点」が評価される?アスペルガーな僕の違和感

防衛医科大学校卒業後、自衛隊医官として勤務され、自衛隊退職後、整形外科を開業。
『ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法』を執筆された畠山さんに、そのライフストーリーをお伺いします。

「頑張った結果」で評価される環境が大切だった

編集部:前回までは、畠山さんの幼少期のご経験や進学についてお聞きしました。中高一貫校に進学したとのことですが、「親がいれてくれた」というのは…?

畠山:子どもですから、自分で進路の選択肢を「探して持ってくる」までは、しないですよね。親が決めたレールのうち、どれかを選ぶことはあっても基本は親の提示したレールや選択肢の中から決める。

塾に入り、成績が良かった、成績が良い場合はここらへんの学校を受験するんだよ、と教えられ、何の疑問を抱かずにその通りに進みました。

「自己選択したな」という自覚は別になかったですね。頑張った結果で選べるところに進んだだけ。

編集部:「頑張った結果で進める」というのは、曖昧さがなくてわかりやすいですよね。

畠山:そう、公文の算数がわかりやすいですよね。出来るようになれば次にいける、できないと何度もそこをくり返す。

それに、成績がでるのがいいですよね、地域で何番目かわかる。努力が「事実」で認められる、曖昧な概念ではなく評価される。

編集部:例えば、美術のような良し悪しの評価が難しいものは…

畠山:いや数字で結果が出ればよい、というのではなく「頑張ったことを認めてもらえる」という事が大前提で一番大事だ、ということです。

例えば、自分は100点とったのに、なぜか60点だったあの子が褒められる。100点をとったのに「君は才能があるから」といって努力したことを認めてもらえない、というのはおかしい。そういうことです。

編集部:学校でも社会でもありますね。そういった場面で、畠山さんはどうしていたのでしょう?

畠山:一つは、その集団に興味がなくなります(笑)会社だったら、そういう会社はやめてしまうかもしれませんね。

例えば、上司に気に入られたらボーナスがあがる、という会社だったら仕事は頑張らなくなってしまい、上司に気に入られることを努力するでしょう。仕事を頑張ろうと思ったら違う会社に行くと思います。

僕の場合は、塾で勉強すれば評価される環境だったから、しっかり勉強して伸びてきた。それだけ。

偶然入った大学では、拘束が多い生活が待っていた。でもそれが自分には合っていた

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編集部:大学は中学高校と違い、枠組みが曖昧になってきますよね、通い方や学び方も。そこでつまづきはなかったのでしょうか?

畠山:中高は無遅刻無欠席、通学も50分かかり、授業後は塾。という、それまでのルーチンとは変わりましたが、防衛大は寮生活ですし、なぜかキツいサッカー部に入ったので、生活は依然拘束されていました。それが良かったんです(笑)

普通の大学生生活といってイメージするような、昼から授業にいき、眠りながら授業を受けて…という環境ではなかったので、真っ直ぐ真面目に(笑)

編集部:自分のスタイルに合わせて、あえて、そういった学生生活を選んだんですか?

畠山:いや、受かったからです(笑)

国立の医学部で受かったのは防衛医大だけでした。親もお金かからないし、家計も助かる、じゃあ行きましょう。というところですね。

今振り返えると、あの生活スタイルは自分にとって、とても良かったと思います。ただ、全寮制だとは知っていても、朝6時に点呼があるなんて知らなかった(笑)

世の中は理不尽なことが多い。だからこそ僕は仕組みを学んだ

編集部:ちなみに、寮のルールや集団の決まり事に疑問を感じることなどはなかったのでしょうか?理由を考えるとイマイチ納得出来ない慣例的なルールだったり…

畠山:疑問…そうですねえ…「ルールがあると知らなくて疑問を抱くこと」はありますよ。

編集部:あ、なるほど。

畠山:はい、だから僕はルールを隅々まで学んだ。

例えば、賃貸物件。部屋を借りるときに、敷金・礼金・手数料がすごく高いことがありました。不動産屋が取れる手数料は、家賃の1ヶ月分で、手数料には消費税はつきますよね。且つ敷金/礼金には消費税はつかない。
ところが、僕の手元にきた見積り書には、2ヶ月分の手数料に消費税がかかっていた。これは、宅建法違反なんですよ。

というように、ルールを隅々まで学んでいれば、おかしいと思うことをすぐに論理的に理解し、社会の理不尽にすぐに対処し交渉したりできるんです。

編集部:そんな風にルールを学ぼうと思ったキッカケは…?

畠山:腹が立つからですよ(笑)

というのは、冗談で、例えば高速道路のスピード違反、捕まる人と捕まらない人がいるのはなぜでしょう?それは、警察が取り調べをするルールがあるみたいなんですね。警察の覆面パトカーを追い越してから後ろにつかれて云々…と。

要は、取り締まりのルールが決まっている。捕まる人と捕まらない人がいるのは理不尽ですよ。

でも理不尽だからこそ、学ぶんです。なぜそういうことが起きているのか、という事を知っておく。知っておけば理不尽な社会でも生き抜くことができるんです。僕はそう考えています。

次回は

畠山さんが現在のお仕事をされるまでの経緯について詳しく伺います。

畠山昌樹(はたけやま まさき) プロフィール

医師(整形外科医)。1974年、大阪府生まれ。1998年、防衛医科大学校卒業後、自衛隊医官として仙台市で勤務。自衛隊退職後、大泉記念病院整形外科、石巻ロイヤル病院整形外科部長を経て2010年、八木山整形外科クリニックを開業。2011年、東日本大震災で被災。

2012年維新政治塾に参加、衆院選(宮城4区)に立候補するも落選。現在は複数の病院の外来や在宅診療を掛け持ちで担当している。

著書に、『ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法』(KADOKAWA)、『「糖質制限+中鎖脂肪酸」で確実にやせる! 驚異のMCTオイルダイエット』(幻冬舎)。

畠山昌樹オフィシャルサイト:http://www.hatakeyama-masaki.jp/
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