アスペルガーの私は、ときどき自分の感情がわからなくなる。なぜ?
ライター:鈴木希望
「アレキシサイミア(失感情症)」という言葉をご存知ですか?その場で自分の感情を認識しにくい状態のことで、発達障害当事者にはよく見られるのだそうです。私はこれが原因で、トラブルを起こしたり、体調不良に見舞われることがよくありました。困って主治医に相談したところ、ハッとさせられるアドバイスが帰ってきたのです…。
その場で反応できない「感情の後出し」、その辛さは後から罪悪感に
アスペルガー症候群とADD(注意欠如)を持つ私には、物心付いたときから困っていることがいくつかあります。
そのひとつが「感情の後出し」。
例えば、何か失礼な冗談を言われたとき、その場ではもやもやするだけで(ともすれば、もやもやすることも無いまま)気付かず、しばらく経ってから「あのとき私は悲しかったんだ!腹が立っていたんだ!」と後から思い出したように感情が湧き上がってくるのです。
嬉しい場合も同様で、特にプレゼントをもらうなどのサプライズに対しては、喜びを上手く表現できず、お礼を言うべき場面で失礼な言葉を返してしまうこともあります。
周りの人たちにしてみたら、前者のケースは「後になって蒸し返すなんてしつこい」、後者のケースですと、その場で相手の気分を害してしまう上、後日自分が罪悪感に苛まれます。
いずれにしても、トラブルの原因になることがしばしばでした。
そのひとつが「感情の後出し」。
例えば、何か失礼な冗談を言われたとき、その場ではもやもやするだけで(ともすれば、もやもやすることも無いまま)気付かず、しばらく経ってから「あのとき私は悲しかったんだ!腹が立っていたんだ!」と後から思い出したように感情が湧き上がってくるのです。
嬉しい場合も同様で、特にプレゼントをもらうなどのサプライズに対しては、喜びを上手く表現できず、お礼を言うべき場面で失礼な言葉を返してしまうこともあります。
周りの人たちにしてみたら、前者のケースは「後になって蒸し返すなんてしつこい」、後者のケースですと、その場で相手の気分を害してしまう上、後日自分が罪悪感に苛まれます。
いずれにしても、トラブルの原因になることがしばしばでした。
困って調べてみると、「アレキシサイミア」という言葉を発見。
発達障害の診断を受ける何年も前、この「感情の後出し」について、知人に相談してみたことがあります。
すると、「それ、ストレスが原因の心身症らしいよ。いわゆる真面目な『いい子ちゃん』や八方美人がなりやすいんだって」と指摘されました。
後になって調べてみると、それは「アレキシサイミア(失感情症)」と呼ばれるもので、知人が言っていた通りの心身症で、アダルトチルドレンとの関係性も示唆されていました。
とはいえ、今ひとつピンと来ません。
なぜならこれは、私にとって幼いころからの困りごとであり、人との関わりでも、八方美人というよりは、何につけても一方的です。また、育った家庭環境も機能不全ではないので、要因としては考えにくかったのです。
その後、発達障害の診断を受け、改めてアレキシサイミアについて、調べてみる機会がありました。
わかったことは、アレキシサイミアは発達障害の人にはよくあることで、特にアスペルガー症候群とは関係が深い、という文章をいくつか見つけることができました。
すると、「それ、ストレスが原因の心身症らしいよ。いわゆる真面目な『いい子ちゃん』や八方美人がなりやすいんだって」と指摘されました。
後になって調べてみると、それは「アレキシサイミア(失感情症)」と呼ばれるもので、知人が言っていた通りの心身症で、アダルトチルドレンとの関係性も示唆されていました。
とはいえ、今ひとつピンと来ません。
なぜならこれは、私にとって幼いころからの困りごとであり、人との関わりでも、八方美人というよりは、何につけても一方的です。また、育った家庭環境も機能不全ではないので、要因としては考えにくかったのです。
その後、発達障害の診断を受け、改めてアレキシサイミアについて、調べてみる機会がありました。
わかったことは、アレキシサイミアは発達障害の人にはよくあることで、特にアスペルガー症候群とは関係が深い、という文章をいくつか見つけることができました。
どうにかしてこのストレスを回避したい!医師が教えてくれたこと
原因がわかったところで、次に知りたいのは対策です。
私の場合は、ストレスが原因で、アレキシサイミアになったわけではなく、アレキシサイミアがストレスの原因になっています。人とのトラブルを回避できても、心因性による体調不良はなくなりません。
どうにかして、感情をその場で素早く認識できるようになりたい!と願っていた私は、どのような工夫が有効であるか、普段からお世話になっている、クリニックの先生に相談してみました。
すると、「その場で認識できなくても、大丈夫じゃないですか?」と先生は、にっこり回答してくれました。
私は「このままずっと、辛い気分を味わい続けなくてはならないのか」と早合点しかけたところ、先生はこう続けました。
「こればっかりはどうしようもないんです。だから、できないことはできないと受け入れ、その後のケアをした方がいいと思いますよ」
私の場合は、ストレスが原因で、アレキシサイミアになったわけではなく、アレキシサイミアがストレスの原因になっています。人とのトラブルを回避できても、心因性による体調不良はなくなりません。
どうにかして、感情をその場で素早く認識できるようになりたい!と願っていた私は、どのような工夫が有効であるか、普段からお世話になっている、クリニックの先生に相談してみました。
すると、「その場で認識できなくても、大丈夫じゃないですか?」と先生は、にっこり回答してくれました。
私は「このままずっと、辛い気分を味わい続けなくてはならないのか」と早合点しかけたところ、先生はこう続けました。
「こればっかりはどうしようもないんです。だから、できないことはできないと受け入れ、その後のケアをした方がいいと思いますよ」