赤ちゃんの喃語(なんご)とは?いつから出るの?喃語が出ない、遅いときの原因、工夫、相談先まとめ

2016/09/30 更新
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喃語(なんご)とは、乳児期の赤ちゃんが発する二つ以上の音からなる声です。このコラムでは、赤ちゃんの育ちを捉える重要な視点を中心に、喃語が出ない・遅いときの原因や、喃語を引き出すために生活の中でできる工夫や相談先についてお伝えします。

発達障害のキホン
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目次 喃語(なんご)とは? 喃語はいつからいつまで?子どもの言葉の育ちのステップ 喃語がなかなか出ない……。原因は? 喃語や言葉の発達の相談先は? 赤ちゃんの育ちが「早い」か「遅い」かは判断できるの? 喃語を引き出すための工夫 まとめ

喃語(なんご)とは?

喃語とは、赤ちゃんが言葉を覚える前に発する、意味を伴わない声のことを指します。「なむ」「ばばば」「だだだ」など、口や舌を使うことで出すことのできる声で、2つ以上の音がつながっているものです。

赤ちゃんは、喉から出す音を変化させたり、違った音声を組み合わせたり、繰り返したりしながら、それを自分で聞いて楽しんでいます。一人でいるときにも、自発的に声を出すことが多くなるので「声遊び」をしていると考えられています。最初は「あう」、「まん」など短い喃語しか発することのできなかった赤ちゃんは、この「声遊び」をしていく中で、だんだんと「あぶぶぶ」「あむあむ」「んまんまんまんま」など長い喃語を発する機会が増えてきます。

喃語が出るときには、新生児期のときよりも体の動きが活発となります。リズミカルに上下に手を動かすバンギング(bangging)が、機嫌のよいときに出るようになり、また顔の表情も豊かになってきます。

そして、だんだんと手足を動かしながら、喃語を発することが増え、発声そのものが思いや感情を伝える「道具」としての役割をもつようになってきます。これまで泣くことでしか気持ちを伝えることのできなかった赤ちゃんは、喃語を発することも大好きな養育者と関わるためのひとつの方法であることがわかるようになります。それまでは大人の働きかけに受け身で反応するだけだった赤ちゃんが、自ら相手に対して働きかける、コミュニケーションの主人公に生まれかわろうとしているときであるといえます。

赤ちゃんの喃語が出てきたときには、相槌をうったり、声をかけてあげたりと応答的に返事をしてあげましょう。相手と「通じ合っている」喜びや心地よさを体験することで、赤ちゃんはやりとりをすることに対して前向きな気持ちをもつことができます。赤ちゃんがよく育つためには、大人とのコミュニケーションが欠かせません。

喃語はいつからいつまで?子どもの言葉の育ちのステップ

赤ちゃんが私たち大人のように、言葉を使いコミュニケーションをとることができるまでにはどのようなステップがあるのでしょうか。ここでは、赤ちゃんの言葉が育っていくステップについてご紹介します。
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①泣く
生まれてきてすぐの頃には、赤ちゃんは空腹や排泄などの不快な状態を表すために泣きますが、これは体の内部の不快な状態を表しただけで、特に養育者に向かって訴えたものではありません。

②クーイング
生後間もなくは、泣くことでしか自身の身体の状態を示すことのできなかった赤ちゃんはやがて、「くー」や「あー」などの、柔らかい声を出すようになります。これは、赤ちゃんが「心地よい」「気持ちよい」と感じるときに多く発する声でクーイングと呼ばれています。クーイングは、だいたい生後2ヶ月頃に見られます。音を作る器官が少しずつ育ってきている証拠です。

③喃語
そして、骨格が整い、口の奥にある音を作る器官が成長することにより、「あう」「あむ」や「ばぶ」などの、2つ以上の音のある声である喃語を発するようになります。やがて、8~9ヶ月頃を過ぎると、周りの人や自分が発した音声が、意味のあるものとして取り入れられてきます。また音の調節と発声、肺から出る空気のコントロールができるようになり、発する喃語の発音もはっきりしてきます。

④指さし
喃語が出るようになってから、3~4ヶ月くらいが経つ頃には、徐々に喃語は少なくなり、その代わりに指さし、身ぶり手ぶりが増えていき、嬉しい、楽しいなど自分の気持ちを伝えられるようになってきます。この時期になると、言葉を話す一歩手前だといえます。

⑤一語文、やがて二語文へ
そして、ある特定の音声(マンマならマとンとマという音の組み合わせ)が、どの人にとってもほぼ共通するモノと結びついていくことがわかり、一語文という意味をもった言葉になります。一語文が喃語と異なるのは、意味のともなう言葉であるという点です。例えば、「犬」という意味をともなった「わんわん」、「ご飯」という意味をともなった「まんま」などです。言葉は、子どもが伝えたい事柄に対して、大人がそのものの名前を伝えていくことにより獲得されていきます。

「まんま、ちょうだい」などの二語文が出るのは、一語文が出るようになってから、6~8ヶ月経過した頃です。最初のうちは片言でしか話すことができないですが、徐々にはっきりと話すことができるようになってきます。

喃語がなかなか出ない……。原因は?

母子手帳やインターネットや書籍には、月齢ごとの赤ちゃんの発達について沢山の情報が溢れています。子育てをする中で、そのような情報と比較して、不安になることがあるかもしれません。

しかし、体重や身長、運動能力などと同じように、言葉の育ちのスピードは、赤ちゃん一人ひとり異なります。赤ちゃんの育ちにおいて、「この時期にこれこれができるようになる」という基準は非常に曖昧なものです。

喃語も、おおよそ生後5~6ヶ月に出るという基準はあるものの、赤ちゃんによって生後6ヶ月よりも早く喃語の出る赤ちゃんもいれば、1歳頃になってから喃語が出る子もいます。

赤ちゃんが喃語を発するまでには、体や心の中でいくつかの準備が行われ、整えられていく過程があります。一つは聴覚や、喉の筋肉、運動機能の発達などの身体的な基礎の発達です。

二つ目は、社会的な基礎の発達です。例えば、養育者にあやしてもらえることが嬉しくて微笑みを返すなど赤ちゃんと養育者がお互いにやりとりを行っているという関係性の基盤が出来ていることが重要です。

赤ちゃんの喃語が出ない要因には、以下のようなものが考えられます。

身体的な基礎が未成熟である

人が声を発するためには、咽頭部という喉の奥のスペースが必要ですが、下顎や喉を包んでいる骨格が未成熟な場合には、その空間が狭いために、2つ以上の音からなる喃語を発することはできません。

またその他に、2つ以上の音から喃語を発するためには、はじめに吐き出す空気の量をコントロールしてセーブしつつ、声を出すために必要な声門という部分を閉じたり開いたりする機能が整っている必要があります。

赤ちゃんの骨格がまだ成熟していなかったり、声門の開閉機能が整っていないなど、身体的な基礎が未発達であるために、喃語が出ない可能性があります。

聴覚に問題がある

言葉の獲得は、音を聞くことから始まります。赤ちゃんは、お母さんのお腹の中にいるときに耳の機能ができあがり、お腹の外の音を聞くことができるようになります。

赤ちゃんが自発的に喃語を発するためには、聴覚の機能が整っている必要があります。周囲の大人の声や、環境音、自分の出した声を耳で聞き取ることにより、喃語は促されていきます。

厳密には、聴覚に障害のある赤ちゃんも「あー」「うー」などのクーイングの音声は出ます。ですが、自分の出した声を聞き取ることができないと、自分が発声しているという感覚が薄まってしまい、次第に喃語を発することが少なくなってきます。

他者とやりとりしたいという気持ちがまだ芽生えていない

赤ちゃんが喃語を発声しない原因のひとつとして、赤ちゃんと養育者の間にコミュニケーションをとる関係が築けていないということが考えられます。

赤ちゃんは、養育者からお乳をもらったり、泣いているときにはあやしてもらったり、またクーイングの声をあげたら反応をしてくれたりと、お世話をしてもらう中で、養育者に対する信頼感を築いていきます。養育者のやさしげな表情や声、匂いなどの養育者の情報が赤ちゃんの頭の中に記憶され、「いつもの養育者=よい気持ちにさせてくれる大切な人である」と、なんとなくわかるようになります。

赤ちゃんの養育過程では、養育者があやして赤ちゃんが笑顔で応える、そして、その笑顔に養育者がまた応えてあげるというやり取りが繰り返されます。他にも、「養育者が視線を合わせる⇒赤ちゃんも視線を返す」といった視線のやり取りもよく行われます。

こうした養育者と双方向的なやり取りの繰り返しは、赤ちゃんにとって非常に心地のよいものです。こうした体験の積み重ねが、相手とコミュニケーションを交わし、再び心地よい気持ちを味わいたいという動機を引き出し、赤ちゃんの喃語を促します。

心地よい気持ちの体験が積み重ねられていないときには、赤ちゃんの中にやりとりを行おうとする気持ちが芽生えないために、喃語が出ないということが考えられます。

発達に遅れがある

発達障害のある子どもの乳児期の特徴のひとつとして、喃語を含めて、言葉がなかなか出ないという症状があります。

発達障害とは、先天性の脳の機能障害です。自閉症スペクトラム障害をはじめとする発達障害のある赤ちゃんは、コミュニケーションや人との関わりを作ることなどの社会的な基盤が育ちにくいという特性があります。

人と人とのコミュニケーションは、喃語を含む言葉によるものだけではありません。例えば、養育者と視線を合わせたり、養育者の働きかけに対して微笑みを浮かべたりすることもコミュニケーションです。養育者との間で視線を交わしたり、働きかけに対して微笑みを浮かべたりすることが少ないときには、発達に遅れがあることも考えられます。

しかし、喃語が出なかったり、養育者とのやり取りを積極的に行うことのない場合にも、その赤ちゃんが必ずしも発達障害であるとは断定できません。

乳児期の赤ちゃんの育ちには個人差が大きいため、医師や臨床心理士などの専門家でも発達障害があるかどうか診断を下すことは難しく、診断がおりるのは赤ちゃんの年齢が上がってきてからとなります。
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