発達障害とは?発達障害の分類・症状・特徴・診断方法はどのようなもの?

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一口に発達障害といってもADHD、自閉症、アスペルガー症候群、学習障害など、さまざまな種類・症状があります。発達障害はどのように分類され、またどのような特徴があるのでしょうか?診断基準や医療機関での診断方法などもふまえ、発達障害について詳しくお伝えします。

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目次 発達障害とは? 発達障害の主な分類と主な種類 発達障害の障害別の特徴 発達障害の「グレーゾーン」とは 発達障害の原因・特徴・セルフチェックポイント 発達障害の診断は? 発達障害は治療できるの?療育と治療について 発達障害の人はどんな支援を受けられるの? 発達障害の二次障害 大人の発達障害とは 発達障害には、身近な人の理解が必要です

発達障害とは?

発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、社会生活に困難が発生する障害のことです。

人間誰しも、得意なことや不得意なことがありますが、その中でも発達障害のある人は、得意なこと不得意なことの差が非常に大きかったり、他の多くの人と比べて違った物事の感じ方や考え方をしたりすることが多くあります。そのため、勉強や仕事の理解や進め方、注意の集中や持続の偏り、対人関係でのすれ違いなど、生活に支障をきたしやすいのです。

発達障害を理解する上での難しさは、その障害が見た目からは分かりにくいことにあります。本人は悪気がなく行動しているつもりでも、「衝動的でわがままだ」「人の話を聞けない変わった人だ」などと誤解を受けたり、「本人の努力不足」や「親のしつけの問題」などと誤った解釈や批判を受けたりすることも少なくありません。

本人と周囲の人がお互いの違いを理解しながら、凸凹ゆえの困難さが起こりにくくなるような環境を調整し、本人の得意な行動や特性を生かした過ごし方ができるような支援が大切です。

発達障害の定義

日本における発達障害の定義は、平成16年に制定された「発達障害者支援法」によって定められており、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の基準に準拠しています。

同法の定義では、「『発達障害』とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。」とされています。さらに同法の施行について文部科学省から発せられた文書では「てんかんなどの中枢神経系の疾患、脳外傷や脳血管障害の後遺症が、上記の障害を伴うものである場合においても、法の対象とするものである」とされています。

また、子どもだけではなく、大人になってから検査を受け、発達障害の診断を受けることもあります。
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この記事では、発達障害の分類や、それぞれの特徴を解説します。

通常学級の15人に1人に発達障害の可能性

文部科学省の2012年の調査によると、通常学級に在籍する児童・生徒の中で発達障害の特徴を示す子どもは全体の約6.5%という結果になりました。これは、診断を受けている子どもの数ではありませんが、その特徴を示す子どもが約15人に1人の割合でいるということになります。

発達障害の主な分類と主な種類

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発達障害の種類と概念図
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「発達障害」と一言でいっても、その種類はいくつもあります。また、法律上の分類と医学的な診断名や診断基準は異なるため注意が必要です。

以下では、他の診断基準も参考にしつつ、主に世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の分類に準拠して紹介します。

広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)

ーコミュニケーションと社会性の困難さを特徴とする障害

広汎性発達障害は、自閉症・アスペルガー症候群・レット障害・小児期崩壊性障害・特定不能の広汎性発達障害を含んだ総称です。

ただし、これまで広汎性発達障害というカテゴリーのもと、アスペルガー症候群、高機能自閉症、早期幼児自閉症、小児自閉症、カナー型自閉症などさまざまな名称で記述されていたものは、2013年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において、「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」の診断名のもとに統合されました。今後はDSM-5に準拠して、「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」の診断を受ける人も増えていくと予想されます。

注意欠陥・多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)

ー年齢的に相応した言動などに不注意・多動・衝動性の症状が複数見られる障害

学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)

ー知的発達には問題はないが「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」などの特定の能力を要する学習が極端に困難な障害

知的障害

ー知的な発達の遅れがある障害

知的障害は、「発達障害者支援法」では発達障害には含まれていませんが、自閉症など発達障害のある人の中には知的障害を伴う人も少なくないため、ここで併せて紹介しました。

文部科学省では各発達障害の種類や定義について以下のリンクで詳しく記載しています。

発達障害の障害別の特徴

以下では、ここで分類した発達障害の具体的な特徴などを紹介します。

下記にあげたものは、それぞれでよく見られる主な特徴ですが、発達障害のある方の特性や症状の程度は一人ひとりで異なるため、必ずしもすべてが当てはまるわけではありません。このほかの特徴や困りごとのある人や、いくつかの障害を合併している人もいます。

また、困難や苦手なことは、周りの人の対応や環境を調整したり、うまくいくやり方を身につけることで緩和することができるものも少なくありません。

広汎性発達障害の特徴 (ASD:自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害の特徴)

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広汎性発達障害の特徴 (ASD自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害の特徴)
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【特徴】
対人関係・社会性やコミュニケーション能力に障害があり、物事に強いこだわりがあります。また感覚が異常に過敏(または鈍感)であったり、柔軟に思考することや変化に対処するのが難しいこともあります。

【具体的には】
・視線を合わせること、自分の気持ちを伝えること、友達関係をうまく築くことなどが困難。
・言葉の発達に遅れや偏りが見られることもある。言葉の遅れがある場合は、質問に対してオウム返しをしたり、単語だけで話をしようとする。会話も一方的になりがち。遊びのルールが理解できなかったり、集団での共同作業に困難を示したりする。
・音、におい、接触刺激、痛みなど特定の感覚に過敏性を示したり、鈍さを示したりする。
・生活習慣や偏食、 同じ服をいつも着るなどの特徴的なこだわりを持ったり、特定の興味に熱中する。また、くるくるとまわったり手のひらをひらひらさせたりする行動がよく見られる。
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注意欠陥・多動性障害(ADHD)

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注意欠陥・多動性障害(ADHD)
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ADHDは「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれることが多いですが、2014年に日本精神神経学会により「注意欠陥」が「注意欠如」に改名されたので、正式には「注意欠如・多動性障害」という名称です。しかしながら、現在でも「注意欠陥」を使う人が多いので、本記事ではこちらを障害名として使っていきます。

【特徴】
「不注意・多動性・衝動性」といわれる、「落ち着きがない」「集中力がない」などは誰にでもある行動のようにも見えますが、ADHDの場合には社会的な活動や学業、日常に支障をきたすほどの症状が見られます。

【具体的には】
・不注意:忘れ物や大切なものでも失くしてしまうことが多く、うっかりしたミスを何度も繰り返してしまう。周りからの刺激があると気が散りやすいことから注意力散漫ともいわれる。
・多動性:「静かにしましょう」という簡単な指示にもおしゃべりが止まらなかったり、席についていられずに歩き回ったりしてしまう。座っていても、モジモジと手や体を動かしつづけてまう。
・衝動性:興味のあるものを見たり聞いたりすると興奮しやすく、思いついたことをすぐに声に出してしまったり突発的な行動をしてしまうなど、衝動を抑えるのが困難。順番を待つことや我慢することが苦手で、イライラしやすく、思い通りにいかないと些細なことで手がでてしまうこともある。
・叱られることや注意されることが多くなると、自信を失ったり、やる気を失ったりしてしまいやすい。
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学習障害(LD)の特徴

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学習障害(LD)の特徴
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学習障害(LD)は、2013年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)においては、新たに限局性学習症/限局性学習障害という名称・分類に改められました。しかしながら、現在でも「学習障害」を使う人が多いので、本記事ではこちらを障害名として使っていきます。

【特徴】
基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、読む・書く・聞く・計算などのある特定分野における理解・能力取得に極端な困難さがあります。学習障害は「読み」に困難がある読字障害(ディスレクシア)、「書く」ことに困難がある書字表出障害(ディスグラフィア)、算数・推論に困難がある算数障害(ディスカリキュリア)に分類されます。

【具体的には】
・能力に偏りがあり、たとえば人よりも計算はできるが漢字がうまく書けないといった場合もあるため、努力不足などと誤解されやすい。
・目から入ってくる情報処理がスムーズに行えず、図形や似たような漢字や文字などが理解できないこともある。
・文章のどこを読んでいるのか突然わからなくなってしまうことがある。
・読み書きに人一倍努力が必要で、疲れやすく頭痛が起こったりすることもある。
・叱られることや注意されることが多くなると、自信を失ったり、やる気を失ったりしてしまいやすい。
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知的障害の特徴

【特徴】
日常生活や学校生活の上で、知的能力の発達の遅れから、学習やコミュニケーション、認知の困難が見られます。また、生活能力・適応能力にも困難が見られます。知的能力と適応能力の両方の側面から軽度・中度・重度・最重度の4つに分けられています。

【具体的には】
・言語能力の遅れ:言葉の発達が遅い、言葉数が少ないなど
・運動能力の遅れ:寝返りや歩行の発達がが遅い、不器用でぎこちない動きなど
・社会性の遅れ:友達と上手く遊べない、一人でいることが多いなど
・適応能力の遅れ:身辺自立、買い物、交通機関の利用、金銭管理などの困難
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発達障害の「グレーゾーン」とは

グレーゾーンとは、定型発達と発達障害の間の境界領域を指す俗称を指します。医学的な診断基準を全て満たすわけではないものの発達障害のいくつかの特性を持ち、日常生活を送る上でも困難を抱えている状態であるとき、グレーゾーンと言われることが多いようです。近年では「グレーゾーン」という言葉は暗くてネガティブな印象を与えるため、明るくポジティブなイメージの「パステルゾーン」「カラフル」などの呼び名を使うべきという意見もあります。

グレーゾーンの症状は「どの発達障害の傾向を持つグレーゾーンなのか」によって異なるため、グレーゾーンに特定の症状というものが存在するわけではありません。

またグレーゾーンには、その人の持つ症状や特性の程度やその現れ方が、体調や環境・場面によって左右されるという特徴があります。例えば、学校にいるときは症状が強く出るが、家では比較的症状が弱くなるといったことが起こりえるようです。
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発達障害の原因・特徴・セルフチェックポイント

発達障害の原因は?

原因や治療は各障害や個々のケースによって異なりますが、まだ解明が進んでいないことも多く研究段階であり、現在の医療で根本的な治癒はできません。一方で、かつて言われていた「親のしつけ方・育て方が悪い」「親の愛情不足」といった心因論は現在では医学的に否定されています
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発達障害の症状・特徴チェック

医療機関での診断は、子どもの場合は、専門外来のある小児科、脳神経小児科、児童精神科などで行われることが多いです。また、18歳以上の場合は一般的に精神科や心療内科で診断がなされます。

しかし、発達障害を診療できる専門の医療機関はまだまだ少ないのが現状です。各地域の「発達障害者支援センター」に相談をして、専門の医療機関を紹介してもらう方法をおすすめします。担当者との相性も大切なので、納得のいく医療機関を選ぶようにしましょう。

医療機関では、特性に関連した心理検査や生理学検査、生育歴の聞き取り、その人のライフスタイルや困難についての質疑応答など、しっかりと話を聞いた上で総合的な判断が下されます。また、障害の重さや症状に個人差が大きく、個々のニーズにあった療育や支援、投薬が必要となってきます。

発達障害のセルフチェックポイント

発達障害のほとんどは、脳波やMRIといった生理学的な検査だけで診断することはできません。発達障害の診断は、行動観察と聞き取り、心理検査などを通じて総合的に行われます。

発達障害の診断は医師にしかできませんが、ここでは参考までに、発達障害のセルフチェックポイントを紹介します。

発達障害の中にも種類がいくつかある上、それらの特徴も変わってきます。また発達障害は専門家によるさまざまな検査や問診を経て慎重に診断されます。セルフチェックは正式な診断ではないことに注意しましょう。自己判断はせず、あくまで気づきのレベルでご活用いただき、当てはまる項目が多い場合や気になることがある場合は、専門機関に相談しましょう。
【セルフチェックポイント】

□ 座って話を聞かなければならない場面で席を立ってしまい、話を聞いていない、または注意してもおしゃべりがとまらない
□ 流暢な話し方ができる上、難しいことも知っている場合もあるが、一方的でコミュニケーションが取れずに孤立しがち
□ 急な予定変更があった場合などに不安感が大きく、混乱した様子がみられ、パニック状態になってしまう
□ 落ち着きがなく、集中力が持続できないことが多いが、ひとつのことに没頭し始めると話しかけても反応できない
□ 忘れ物や失くしものが多く、毎日繰り返していることでも支度ができなかったり、整理整頓や片づけが極端に苦手
□ 感覚が敏感で、大きな音や揺れが極端に苦手で、肌触りなどから着たがらない服があったり、手を繋ぎたがらない
□ 舌の感覚や嗅覚、味覚も敏感で偏食
□ 運動の調整や力加減が苦手で乱暴に思われてしまったり、逆に体がクニャクニャとしている
□ 極端に不器用であったり、筆圧が弱く、指先がうまく動かせずに大きくなっても食べこぼしが目立つ
□ 同級生に比べて頭の回転が速い場面もあるが、特定の学習において極端に困難
□ イライラしやすく、感情が高まると、なかなか興奮を抑えきれずに手が出てしまったり、パニックになる

発達障害の診断は?

医療機関での診断

医療機関での診断は、2013年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)や世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)による診断基準によって下されることが通常です。

子どもの場合は専門医のいる小児科や小児発達神経科、児童精神科で受診することができます。また、思春期以降の場合は精神科での受診も可能です。

総合病院や大学病院などに専門の科がありますが、近くにないときには地域の保健センターや児童相談所、かかりつけの小児科医、総合病院の小児科、発達障害者支援センターなどに相談すると、必要に応じて発達障害を診断してくれる医療機関を紹介をしてくれます。

医療機関では、面談(観察)や脳波などの生理学的検査、認知・知能などの心理検査などから総合的に発達障害かどうかを診断します。

上で述べたとおり、発達障害の症状が軽度の場合は、個性の範疇ととらえられてしまうことも多く、診断がおりないこともあります。また、幼い時に発達障害ではないと診断された場合でも、小学生になってから発達障害と診断される場合もあります。症状のいくつかが見られた場合も、個別的な支援が必要な場合もあるので、気になる場合は専門機関や学校などに相談するとよいでしょう。

症状の特徴にはやく気づき、相談や支援をはじめることは、症状の改善や、本人の自信にもつながります。発達の遅れや偏りが見られた場合は、なるべく早めに地域の相談機関、もしくは医療機関に相談しましょう。

診断を受ける前に相談できる、地域の相談機関って?

発達障害なのかな、と疑問を持った場合、いきなり自分で医療機関を探すのは難しいこともあるので、まずは無料で相談できる地域の専門機関に相談する方法もあります。子どもか大人かによって、行くべき専門機関が違うので、以下を参考にしてみてください。

【子どもの場合】
・保健センター
・子育て支援センター
・児童発達支援事業所
・発達障害者支援センター など

【大人の場合】
・発達障害者支援センター
・障害者就業・生活支援センター
・相談支援事業所 など

知能検査や発達検査は児童相談所などで無料で受けられる場合もありますし、障害について相談することも可能です。その他、発達障害者支援センターで障害についての相談ができます。

自宅の近くに相談機関が無い場合には、電話での相談にのってくれることもあります。以下は小児神経学会が発表している、発達障害診療医師の名簿です。この他にも、児童精神科医師や診断のできる小児科医師もいます。まず身近な相談機関に行って、診断の疑いがあればそこから専門医を紹介してもらいましょう。
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発達障害は治療できるの?療育と治療について

発達障害への対処・治療には大きく分けて「教育・療育的支援」(心理社会的アプローチ)と「薬による治療」(薬物療法)があります。ですが、現時点で発達障害を根本的に治療することはできません。

また、治療の目的は、単に症状を抑え、扱いやすい子どもにすることではありません。周囲の人の理解や環境の工夫によって、子どもが自ら行動をコントロールし、これまでうまくいかなかった学習に取り組みやすくしたり、友達や家族との関係を良好にしたりすることで、充実した生活が送れるようになります。成功体験や充実した日々を送ることで、症状の改善をはかるのです。

「教育・療育的支援」(心理社会的アプローチ)

発達障害によって困難を感じていることに対し、必要な支援をします。困難を軽減するために子どもの周辺環境を整え、本人の適切な行動や、保護者の子どもに対する適切な対処方法を学びます。

認知・言語に困難があると、コミュニケーションの上でも問題やトラブルが起こりやすいので、コミュニケーションスキルや社会的スキルのトレーニングを行います。また、感情理解や感情のコントロールのトレーニングを行うこともあります。自分の得意分野や苦手分野を理解した上で、得意な部分を生かしたり苦手な部分を工夫したりすることで、成功体験を増やし適応能力を伸ばしていきます。

「薬による治療」(薬物療法)

症状によっては薬物療法が必要とされる場合があります。脳内の神経伝達物質のアンバランスを改善することで、神経の働きを調整し、症状のコントロールを行います。

薬物、障害を根本的に治すものではなく、あくまで特徴を緩和するために処方されます。人によっては、食欲不振、吐き気、頭痛、動悸、興奮、チックなどの副作用が生じることがあります。医師とよく話し合った上で、容量・用法を守った服用を心がけましょう。また、薬で症状が落ち着いている際には、いろいろなことが吸収しやすくなるので、スキルトレーニングなどを併せて行うようにしましょう。

発達障害の人はどんな支援を受けられるの?

障害者手帳の取得

発達障害で知的障害がある場合には、「療育手帳」を取得することができ、さまざまな支援やサービスが受けられます。療育手帳の制度は自治体によって詳細が異なるため、取得方法から受けられるサービス、給付なども変わります。
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また、知的障害がない場合は、精神疾患(てんかん、発達障害を含む)により、長い間、日常生活または社会生活への制約がある方を対象とした「精神障害者保健福祉手帳」を申請することができます。
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手帳がなくても受けられるサービス

障害者手帳がなくても、申請して必要性が認められれば受けられるサービスも存在します。

児童福祉法で規定されている障害児通所支援や、障害者総合支援法に規定されている自立支援給付を受けることができるのです。詳しくはこちらをご覧ください。
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発達障害の二次障害

発達障害ということに気づかなかったり、気づいていても適切なサポートを受けられなかったり、周囲に理解されず叱咤や非難を受けたり、失敗体験を積み重ねるなどして、本人の自尊心ややる気が失われ、新たな障害が生じることがあります。これを、いわゆる「二次障害」ともいいます。

注意すべき二次障害の症状・状態には以下のようなものがあります。
・うつ病
・不安障害
・不登校やひきこもり
・アルコールなどの依存症
など

コミニュケーションがうまく取れずに孤立してしまったり、友達関係のトラブルや学習障害によって自分の居場所がなくなってしまうと、学習意欲が低下したり、不登校になり引きこもりがちになる、などといった症状や状態が引き起こされることがあります。

このような症状や状態が現れた場合には、それらに対する治療を行うことが必要となります。こうした二次障害を引き起こさないためにも、発達障害の早期発見と、早期からの対処が求められます。

新たに生じた症状を、一次的な障害でなく二次的な障害の可能性として考慮し、それぞれにあった適切な支援が行うことができれば、症状を改善していくこともできます。二次障害は予防と改善を常に意識し、支援していくことが大切です。

大人の発達障害とは

発達障害に気づくタイミングは人それぞれです。子どものころから診断結果が出ている人もいれば、大人になってから何かをきっかけに診察を受け、気づいたという人もいます。

大人の発達障害では、仕事上のミスや、人間関係がうまく築けないことなどが大きな悩みとなります。大人になると、社会的な役割や責任が大きくなります。これらのストレスからうつ病などの、二次障害を発症し、精神科などを受診して発達障害に気づく人も少なくありません。
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発達障害には、身近な人の理解が必要です

発達障害は日本ではまだ理解されにくく、本人だけでなく家族も悩んでいることが多いのが現状です。身近な人が発達障害を理解し、支援していくことが、本人が自信につながってゆきます。

本人の特性に合った環境調整や個別的な支援によって、たくさん褒められたり、コミニュケーションに自信が持てたりするようになると、ほかの症状においても改善が見られる場合もあります。家庭における支援はもちろん、学校や地域の支援センターなどと連携しながらサポートしていきましょう。
イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本
田中康雄 (監修)
西東社
図解 よくわかる大人の発達障害
中山 和彦 (著),小野 和哉 (著)
ナツメ社
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監修: 井上 雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
応用行動分析学
自閉症支援士エキスパート
LITALICO研究所 所長 (アドバイザー)
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2017/09/30 更新
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共同注意とは?アイコンタクト・指さしと子どもの発達の関係、自閉症との関連、発達を促す工夫をご紹介!

共同注意とは、子どもがほかの人と同じように物体や人物に対して注意を向けている状態のことで、子どもの発達の程度を把握するためのひとつのバロメ...
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2017/09/29 更新
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