アスペルガー症候群の3つの症状と相談先、アスペルガー症候群の人が活用できる支援を解説【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン

アスペルガー症候群は発達障害のひとつで、コミュニケーション能力や社会性、想像力に障害があり、対人関係がうまくいきづらいという特徴があります。アスペルガー症候群には大きく分けて3つの症状「コミュニケーションの問題」「対人関係の問題」「限定された物事へのこだわり・興味」があります。言語障害や知的障害はないので、周りからは「変わった人」と思われがちです。アスペルガー症候群の詳しい症状や相談先について解説します。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。
目次

アスペルガー症候群(AS)とは?

アスペルガー症候群(AS)はコミュニケーション能力や社会性、想像力に障害があり、対人関係がうまくいきづらく、知的障害や言葉の発達の遅れがないものをいいます。明確な原因は現在も分かっていませんが、何らかの脳機能の障害と考えられています。

アスペルガー症候群については、現代になってようやく認知が広まってきました。今までは障害だと気づかれずに、本人が生きづらい思いをしたり、周りも理解に苦しんだりすることも少なくありませんでした。しかし、アスペルガー症候群は決して珍しいものではありません。
参考:アスペルガー症候群について | eヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-006.html
知的な遅れがないことから障害と認知されづらい側面もあり、周りの理解を得づらい部分があります。しかし、症状や対処方法を知っているだけで、自分も周りも心が楽になる生き方ができます。そのためにも適切な知識を持ち、障害を理解することが重要となります。

「アスペルガー症候群」の3つの症状

アスペルガー症候群には大きく分けて3つの症状があります。「コミュニケーションの障害」「対人関係の障害」「限定された物事へのこだわり・興味」です。これらの症状の具体的な特徴をみていきましょう。

1. コミュニケーションの障害

会話は表面上問題なくできるのですが、行間を読むことが苦手です。言葉をそのままの意味で鵜呑みにしてしまう傾向があるため、人の発言を勘違いしやすく、傷つきやすい面があります。

具体的な特徴としては、

■あいまいなコミュニケーションが苦手
言われたことをそのままの意味として受け取ってしまう。アイコンタクトや顔の表情を読み取るのが苦手。

■不適切な表現を使用してしまう
遠回しに発言することに困難さがあるため、言い方がキツく、ストレートすぎる発言になりがち。

■名前を呼ばれないと自分だと気づかない
1対1でも自分の名前を呼ばれないと相手が誰に対して発言をしているのか分からない。

■想像して動くことが苦手
想像力が弱い傾向にあるので、指示されたこと以外に考えが向かなかったり、相手や環境の変化に気づかないことがある。

などが挙げられます。

2. 対人関係の障害

場の空気を読むことに困難さがあり、相手の気持ちの理解やそれに寄り添った言動が苦手な傾向にあります。そのため、社会的なルールやその場の雰囲気を平気で無視したような言動になりがちで、対人関係を上手に築くことが難しくなります。

具体的な特徴としては、

■大勢の中で浮いてしまう
場にそぐわない発言や回答をしてしまう。

■相手の気持ちを理解するのが苦手
相手が何をどう考えているのかを想像することに困難さがある。

■自己中心的と思われる言動をしてしまう
自分の言動がその後どうなるか、ほかの人にどう影響するか、想像するのが苦手で、臨機応変に動くことに困難さがある。

■相手を傷つけてしまう
何も考えずに見たまま、思ったままの発言をしてしまうため、相手を傷つけてしまうことがある。

などが挙げられます。

3. 限定された物事へのこだわり・興味

いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中します。法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せることがあります。その法則や規則が崩れることを極端に嫌う傾向があります。一方、この特性は逆に強みとして活かすこともできます。

具体的な特徴としては、

■マイルールがある
自分の決めた予定や手順などを変えることを嫌い、頑なになる。無理に変更すると混乱してしまうこともある。

■記憶力が高い
興味のある物事に関しては、大量の情報を記憶したり、引き出したりすることができる。

■集中力がある
興味のある物事に関しては、一度手を付けると熱中しすぎて周りが目に入らないこともある。

■話し続ける
興味のある物事に関しては、一度話し出すと夢中になりすぎて止まらなくなる。

などが挙げられます。

周囲とのトラブルの要因となりがちな10の特徴

一見しただけではその人がアスペルガー症候群かどうかは気づきにくく、本人も自覚していない場合もあります。周囲とのトラブルになりがちな10個の特徴を紹介します。

1. 明確な指示がないと動けない
2. 場の空気を読むことができない、空気に沿った対応ができない
3. 冗談が通じず、会話の行間や間を読むことができない
4. 曖昧なことを理解できない
5. 好きなことは延々とやり続けてしまう、話し続けてしまう
6. スケジュール管理ができない
7. 自分が興味のないことは頑なに手を出そうとしない
8. 急な変更にうまく対応できず、だまされやすい
9. 名前を呼ばれないと自分だと気が付かない
10. 相手の気持ちをおもんぱかれない、人を傷つけることを言ってしまう


上記に付随した細かな症状が他にもありますが、基本的には自分以外の何か(人や物事)にうまく共感できない、言い回しが不適切などのコミュニケーションにおける困難さが主な症状となります。一度興味を持った物事に対して、異常なほどのこだわりや集中力、記憶力を発揮する場合もあります。さらに、アスペルガー症候群だけではなく、ADHDなど、他の障害の症状を持ちあわせている場合もあります。
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