過集中とは?ADHDとアスペルガー症候群に見られる過集中の特徴と対策

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ADHDとアスペルガー症候群の特性の一つに、素晴らしい集中力を発揮するということがあります。ですが集中しすぎて自分で行動がコントロールできなくなると、体や心を健康に保てないこともあります。この記事では、過集中の様々な対策や注意点など、わかりやすく説明していくので、是非参考にしてください。

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目次 過集中とは? 過集中はADHDとアスペルガー症候群の症状なの? 過集中の強みと困難さ 過集中への対策と注意点 まずは「過集中」がなにかをよく理解しましょう

過集中とは?

過集中って何?

過集中とは、その名の通り過度に集中した状態をさします。集中することはいいことでは無いのか?と思ってしまう方もいるかもしれませんが、極度に集中状態が続くと、心身に影響が出てしまうことがあります。

ツイッターで見る過集中の経験談

自分の好きなこと・関心のあることに没頭し過度に集中することで、衣・食・住といった必要最低限の日常生活にまで支障が出る可能性もあるのです。

すべてのADHD・アスペルガー症候群の方が必ず過集中であるというわけではないですが、ADHD・アスペルガー症候群のある人の中には過剰に集中するという特性が見られる場合があります。

次に、ADHD・アスペルガー症候群の症状と過集中との関係について説明します。

過集中はADHDとアスペルガー症候群の症状なの?

ADHDと過集中の関連は?

ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、attention-deficit hyperactivity disorderの頭文字をとったものです。主な症状としては、不注意・衝動性・多動性が見られます。例としては、興味関心の無いことには集中できない、落着きがない、衝動的に行動してしまうといった症状が見られます。こうしたところから、ADHDのある人は何にでも集中できないのではないかというイメージを持ちがちですが、そうではありません。

場合によっては自分がやりたいことや興味のあることに対しては集中しすぎて切り替えができないこともあります。これらの症状は社会や学校で生活するうえで、大きなつまずきとなっていることが多いです。
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アスペルガー症候群と過集中の関連は?

アスペルガー症候群の人の場合は、社会性と会話でのコミュニケーションで大きなつまずきがみられることが多いです。また限定された物事へのこだわり・興味があり、いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中します。

一度興味のあることに手を付けると集中しすぎて周りが目に入らなくなってしまうこともあります。
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過集中の強みと困難さ

ここでは、過集中による強みと困難さを簡単にまとめていきます。

強み

1. 集中力が高い
時間や周りの環境に流されることなく、自分が集中したいことに取り組み、没頭することができます。気づいたら何時間もたっているということもありますし、どんな雑音の中でも目標に向かい集中することができます。

2. 高い能力を発揮する
一つのことに集中するおかげで、集中する事柄に対して高い能力を発揮したり、知識を深めることができる場合があります。例えば、人が3時間でかかる作業を1時間で終わらせる人や、専門的な知識や技術を発揮する人がいます。

3. ほめられやすい
集中し高い能力を発揮することで、周囲の評価が高くなることがあります。学校生活でも成績がよい場合など、教師からも褒められることが多いです。

4. 個性として受け入れられる
集中力が高い、専門性があるといった個性として周りから受け入れられることがあります。この過集中の状態が周囲からも、素晴らしい個性と捉えられる場合があります。

困難さ

1. 興味関心がないことに取り組めないことがある
興味や関心があることには集中することができますが、自分の興味・関心が無いことには取り組むことが苦手な場合があります。例えば、事務作業や期限がある必要事項でも、興味・関心が無いから取り組まないことがあります。

2. 虚脱状態になることもある
過集中状態が続くと、その後反動で虚脱状態に陥ってしまう場合があります。虚脱状態とは何にたいしても集中することができなかったり、やる気が無くなってしまったり、寝込んでしまうなど心身に影響が現れる状態を指します。

3. 日常生活に支障をきたすこともある
寝る・飲食・排泄などの基本的なことを忘れて没頭してしまうことがあります。時間を忘れ、集中してしまい、日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。

4. 心身の健康を保てない
体のSOSサインに気づくことができず、日常生活に支障をきたしてしまうことが慢性化していくと、心身が不健康になってしまいます。栄養失調・睡眠不足になると、体も心も健康とは言えません。睡眠障害に陥ったり、気づいたら倒れてしまったり、重症化してしまうことがあります。

5. 過集中していることをじゃまされると感情的になってしまう
やめさせようとする家族に対して暴言を吐くなど、当たってしまうこともあります。また周りの音などが気になってしまう場合もあります。過集中の状態がある程度落ち着いてからの方が注意を受け入れやすいこともあるようです。

6.依存性が高まりやすい
インターネットやゲームなど、特定のものに過集中するうちに依存性が高まってしまうこともあります。

過集中への対策と注意点

過集中への対策

ここで、過集中の人が、日常生活に支障をきたさないための対策をあげていきます。

■スケジュールをたててみよう
時間を忘れて没頭してしまうなら予定をたてましょう。仕事や作業に没頭する時間、作業を終える時間や休憩時間をしっかり決めることで、日常生活や健康に支障をきたすことは少なくなります。

■時計を見るくせをつけよう
作業をしてどれくらいの時間がたったのか確認することができます。まずは時計を見るくせをつけることで、自分が今どんな状態なのか考えることができます。

■身近な人に協力してもらおう
いくら自分で過集中を防ごうと努力しても、すべて忘れて過集中の状態になってしまうことがあります。その際は、職場の人・家族・友達に伝えることで、注意や声がけをしてもらいましょう。

注意点

以上の対策を全てとることができれば、過集中はある程度防ぐことができるかもしれません。けれど注意すべき点も多くあります。

■予定がうまくいかずに落ち込んでしまう
時間感覚を身につけスケジュールもしっかりたてたとしても、その予定通りきちんと行うことが難しい時もあります。それは仕方のないことです。そのスケジュールに固執してしまい強いこだわりを持ってしまうと、今度はスケジュールをたてることや進めることに過集中の状態になってしまうこともあります。ある程度臨機応変に対応しましょう。

■人まかせにしすぎない
身近な人に協力してもらったりまかせたりすることは、当事者からしたら楽なことかもしれません。けれどその協力者の負担になってしまうこともあります。自分で気を付けた上で協力を求めましょう。

まずは「過集中」がなにかをよく理解しましょう

いかがでしたか?

ここでは簡単な過集中の説明や、ADHD・アスペルガー症候群の症状との関連についてふれていきました。過集中による強みも多くありますが、一方集中し過ぎてしまうあまりうまれる困難さもあります。困難なことがあるということを意識して、なるべく日常生活に支障をきたさないように、対策をとるようにしましょう。
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監修: 井上 雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
応用行動分析学
自閉症支援士エキスパート
LITALICO研究所 所長 (アドバイザー)
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よこしま☆ちゃん さん
2017/01/04 20:41
博士課程の中間諮問会準備で14日間完全徹夜をして倒れた(爆)
当然、その後病院に連れて行かれ、貧血の治療だけでも3カ月を要した。
結局研究に支障が出て、子育てもしていから育児にも、何より自分の生命維持に支障が出た(爆)
当時、博士課程の中間諮問会なんだから、それくらいの努力をするのは当たり前だと思っていて、周りのみんなもしていると思っていた。
結果、二次障害の重症の鬱病やパニック障害など発症し、認定退学したまま治療が現在も続いていて、それでなおかつ育児も続いている。
ま、これが過集中の結果だとすると、という意味で明記したが、認識すらしていない人が多いのではないだろうか。
そうして勉学にさえ過度の集中をするようなら是非周りは褒めずに止めた方が良いと思う。
偏差値教育や学歴社会の弊害のようにも思う。

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