「不登校になる前は、なぜ学校に通っていたの?」娘の答えはあまりにもシンプルだった

ライター:GreenDays
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娘は小3のときに学校をやめました。なぜ今まで辛くても、頑張って学校へ通っていたのでしょうか?娘に問いかけてみると、シンプルな答えが。その回答で気付いたのは、無意識に娘に課していた私の期待だったのです。学校へ行けず、苦しむ子どもたちに親は何ができるのでしょうか?

小3の2学期で「学校をやめる」と宣言した娘の、その後

私には、現在小学3年生で不登校の娘がいます。今年の2学期、始業式から帰宅した後に「私、学校をやめるね」と宣言してからのことです。

それからは1度も学校へ行っていません。
迷い苦しみながらも自分で「学校をやめる」という決断を下した娘に、学校への未練はないようです。
「わたし学校やめるね」小3の娘の決断。そして、私たち親がすべきことのタイトル画像

「わたし学校やめるね」小3の娘の決断。そして、私たち親がすべきこと

その後は、自分でスケジュールを決めて勉強してみたり、やりたいことが見つかると夢中になって何時間も没頭したり、時々お散歩してみたり。

毎日、のびのびと楽しく過ごす娘を見ていると、私も穏やかな気持ちになります。

一方、それでも娘にとってのストレスになっていることは残りました。それは

●学校がある時間に出歩いていて他人に変に思われないか
●学校に来ない理由を聞かれると困るので、お友だちに会いたいけれど会えない

ということです。

「別にサボっている訳ではないのだから、堂々としていればいいのよ」と声をかけてみるのですが、「ママはそう言ってくれるけど、世間の目はそんなに甘くないよ」と諭されます。

お友達に会いたいのに会えない。子どもが抱える葛藤に親ができること

とても現実的な娘は、世間を厳しく見ているようです。
そもそも、娘が学校をやめると決めた1番の要因は「すでに知っていることを授業で何時間も聞かなければならないのが苦痛」というもの。

このことについて「一生懸命授業を受けているお友だちに失礼だ」と思っている娘は、きちんと説明もできず、病気だと偽ればお見舞いのお手紙がポストに届くので、心苦しくなります。

こうした理由で、お友だちには会いたいけれど会えないという葛藤があるのです。

ただこれも、学校をやめる前にメリット・デメリットを話し合った際に挙げていた項目だったので、これと引き換えに家で毎日自由に学べる環境を手に入れた、ということで納得はしているようです。

これから少しずつ、自分の中で折り合いをつけていくことでしょう。
私にできることは、その時々で娘が感じた不安に共感し、結論を急がせないことだと思っています。

これまで「学校をやめる」ことを知らなかった娘。選択肢をもっと早く伝えていたら…

娘が、自宅で家族と過ごす様子があまりにも楽しそうなので、「なぜ、3年生になるまで我慢して学校に通っていたのだろう?」とふと疑問に思い、尋ねてみました。

「1~2年生の間は、1度も学校をやめたいって言わなかったよね?ずっと苦しんできたはずなのに、どうしてあの頃は『学校やめたい』って言わなかったの?」

娘の回答はいたってシンプルなものでした。
「だって、あの頃は『学校をやめる』っていう選択肢があることを知らなかったから。そういう選択肢があるって知っていたら、もっと早くに楽になっていたと思う。

なるほど…。
振り返ってみると実際、「学校に行かなくてもいい」という選択肢が私の中に芽生えたのも、娘が3年生になってからでした。

そういう道もある、ということは頭ではもちろんわかっていましたが、母である私は学校生活を楽しんで大人になったため、「学校でしか学べないこともある」「普通の学校生活を送って欲しい」という気持ちの方が大きかったのです。

苦しんでいる娘にきちんと「学校に行かない」という選択肢を提示しなかったことで、彼女を長い間苦しめてしまい、申し訳なく思いました。
重い足どりで学校へ向かう娘をなんとか送り出せた日には、「今日は行ってくれて良かった」と思っていた私。

でもそれはあくまでも、母である私の理想通りに娘を動かせたことへの達成感であり、本当に娘のためになっていたかどうかは別の問題だったのだと気付きました。

そんな試行錯誤の時間があったからこそ、家族みんなが納得のいく「学校をやめる」という選択ができたのだと思います。

これからは、私の希望に沿わない選択肢もきちんと提示し娘自身が納得して選んだ道を応援していきたいと思います。
次ページ「理想を抱くことは誰しもある。しかし、子どもの選んだ道を信頼できる親でありたい」

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