専門医からのアドバイスを踏まえ、改めて先生に状況を伝えるものの…

翌日私は、発達障害専門クリニックの先生に相談しに行きました。

先生からは「行事はできれば部分参加、できなければ無理強いの必要はない。」とのアドバイスを頂き、それを息子自身の言葉と併せ、担任の先生に伝えることにしました。

ところが、私が息子と同じ障害を持っていることが災いしたのか、「息子はこのように申しています」と伝えても、「それでハルさんはどう言っていますか?」「お母さんはそのようにおっしゃいますけど…」と、まるで私が勝手な代弁をしているかのように思われ、話が一向に進まなかったのです。

これではらちがあかないと、主治医の先生の言葉を伝えました。すると今度は、

「絵だって、“こういうふうに描きましょう”とお手本を見せれば上手にできるし、感覚過敏に関してもさほど辛いようには見えませんよ。そうやって嫌なものを避けさせて、学ぶ機会を失ってしまってもいいんですか?

と返ってきました。強いプレッシャーや感覚過敏に耐えていると息子が発言していたことは、全くと言っていいほど信じていない様子です。

ただ、私も学校での姿を見ているわけではありません。とはいえ息子のことを疑いたくもないし…。このようなやりとりが連日続き、発達障害に関して普段は楽天的に捉えている私も、さすがに疲弊してしまいました。

改めてこのことを、主治医の先生に相談すると「教育支援センターに相談し、学校との間に入ってもらうこと」を、勧められたのでした。

実はこの問題は現在も相談中で、まだ解決していません。

子どもの選択に親がどこまで介入すべきか?正解は無いけれど、大切にしたいのは

その後10日ほど欠席をし、息子は学校に行き始めました。今でも楽しい日々の報告と合わせ、感覚過敏の辛さ等について私に話してくれますが、登校を拒否するまでには至っていません。

しかし、このまま何事もなく学校に通い続けるのかといえば、それは私にも、息子自身にもわからないことです。とはいえ、息子が本当に辛い思いをしているのだとしたら、学校に行かなくても済む環境作りをしたいと思っています。

でも、そもそも私は「学校なんかに行かなくてもいい!」と主張したい訳ではないのです。学校でしか学べないこと、できない体験はたくさんあります。それを親である私が奪う権利はありませんし、奪いたいとも思いません。

しかし同時に、学校に行かなかったからこそ学べること、できる体験もあるように思えるのです。どちらが優れているのかなどは簡単に比べられるものではなく、私には判断できません。
以前コラムでもお伝えしましたが、息子自身、感覚過敏や環境の変化の辛さを堪えて行事等に参加すること、あるいは欠席すること、双方のメリットとデメリットを体験しています。

このため、私はそれを元に自身で判断するように促してきました。メリットとデメリットの境目は息子の成長によって変わるかもしれませんし、体調や気分でも変化するかもしれません。

何より息子の辛さは息子にしかわからないので、何かと難しいことがあるのですが…。
学校には引き続き、努力で乗り越えられない辛さがあることを、ご理解いただけるように伝えていくつもりです。

学校と支援センター、そして息子と私で協力し合いながら、息子にとって最善の判断、「これで良かった!」と思える選択ができるように、サポートしていきたいと思います。
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