適応障害の症状・原因・治療法、適応障害の当事者へのサポートの仕方、適応障害とうつ病・不安障害との違いについて解説【医師監修】

ライター:発達障害のキホン

適応障害は、生活の中で生じる日常的なストレスが原因となり、情緒面、行動面にさまざまな症状が現れ、社会生活に困難を生じる疾患です。さらに、ストレスを感じていても耐え続けたりすると重症化し、うつ病や不安障害などの疾患を発症することもあります。ここでは、適応障害の症状や原因、対処法、ほかの疾患との違いを紹介します。

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監修: 藤井明子
さくらキッズくりにっく院長 
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年より東京都世田谷区にあるさくらキッズくりにっくで発達外来を行っている。病気に限らず、子どものすべてを診るクリニックをめざし、お子さんだけでなく、親御さん子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。3人の子どもを育児中である。
目次

適応障害とは?

適応障害とは、ある特定の状況や出来事が、その人にとってストレスの原因となった場合に、抑うつ、不安、涙が止まらない、などのさまざまな症状が表れ、日常生活に支障を及ぼす疾患です。
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適応障害とは、ある特定の状況や出来事が、その人にとってストレスの原因となった場合に、抑うつ、不安、涙が止まらない、などのさまざまな症状が表れ、日常生活に支障を及ぼす疾患です。中には、暴飲暴食、危険運転、無断欠席、などの不相応な行動をとってしまうケースもあります。

ストレスの感じ方やそのとらえ方は人それぞれです。大きなストレスを感じていても「気持ちの問題だ」などと我慢し、知らず知らずのうちに適応障害になっている人も少なくありません。さらに、ストレスに感じていることを我慢したり、耐え続けたりすると重症化し、うつ病や不安障害などの精神疾患を発症してしまうことがあります。気持ちや身体に不調が出てきたら、我慢や無理をせず、早めに病院に行くことが大切です。

適応障害の診断基準

適応障害は、ほかの精神疾患の基準を満たしていないことが分かって初めて診断されます。例えば、うつ病などの気分障害や不安障害などの診断基準を満たす場合はこちらの診断が優先され、適応障害とは診断されません。
しかし、適応障害とほかの精神疾患とを区別するのが難しい場合もあり、はじめは適応障害と診断された場合でも、その後、うつ病や統合失調症、不安障害などの診断名に変わることもあります。

適応障害の症状

「涙が止まらない」など精神症状の例

精神症状には主に、憂うつ感や気分の落ち込みなどの抑うつ症状と不安症状があります。
例えば、次のような症状が現れます。

・強い憂うつ感
・涙もろさ
・強い落ち込みや絶望感
・何もする気が起きないなど、思考力・集中力・判断力が低下する
・出来事や環境に対して神経質になる
・漠然とした不安感、過度の心配   など

年齢や社会的役割に不相応な行動

適応障害の人の中には、社会的に禁止されていることや、良しとされていないことをしてしまう人もいます。
例えば、以下のような行為です。

・行き過ぎた暴飲暴食
・危険運転
・けんかをするなど攻撃的な行動
・無断欠席
・指しゃぶりや赤ちゃん言葉といった「赤ちゃん返り」のような行動
参考:みんなのメンタルヘルス-適応障害|厚生労働省 
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-041.html

適応障害の原因は?(適応障害に)なりやすい人とは?

適応障害の原因

適応障害は特定できるストレスが原因となり、情動面、行動面に症状があらわれる精神疾患です。

私たちは日ごろ、さまざまなストレスに囲まれて生活しています。一般的にストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態をいいます。例えば、進学や就職、結婚のように一般的に良いとされることであっても、その変化によりある種の緊張を私たちは感じます。

こうした日々の緊張のとらえ方や、ストレスを受けたときの対応方法によって、ストレスは私たちに良い影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあります。

適応障害は、ストレスが私たちの心身に悪い影響をもたらした場合に発症します。そのストレス源が一つの出来事であるとは限らず、さまざまな状況が重なって原因を形成することがあります。また、大きな出来事からくる単発的なストレスだけでなく、長年にわたり続いていたり、反復したりするストレスもあります。
では、例えばどんなことが私たちのストレスとなりうるのでしょうか。以下にストレス因となる例をご紹介します。

◆適応障害の原因となるストレスの例
・家庭での問題
家族内における病気、介護、別居、子育て、子どもの反抗期、過干渉・過保護など

・友達・恋人との関係上の問題
浮気の発覚、離別、喧嘩、絶交 など

・学校、職場、近所関係上の問題
学力不振、いじめ、パワハラ、セクハラ、不信など

・心理社会的問題
家族や友人などの親しい人との死別、一人暮らし、異文化を受け入れる(留学など)、転校、仕事上の問題(失業・復業、勤務条件、業務量が過度に多い、決定権のなさ、業務の目的が不明)など

・大きな節目や行事
結婚、妊娠・出産、就職、昇進、卒業、子どもの独立、クリスマスなどのイベント行事など

・本人の健康の問題
病気、リハビリ、禁酒、禁煙、重病の疑いなど

・環境的な問題
引っ越し、経済状況、天災や戦争に遭遇など

適応障害になりやすい人の特徴はある?

上記のように生活していく中で、誰しもなんらかのストレスを感じます。そのストレスの苦痛の大きさが、通常予測される以上のものであるか、それが日常生活に困難を生じさせるものかによって適応障害がどうか判断されます。判断には文化的背景も考慮することが必要であるといわれています。

では、適応障害になりやすい人の特徴はあるのでしょうか。適応障害の判断は、文化的な背景を考慮するべきだと考えられています。

以下では、現代で適応障害になりやすいといわれる特徴の一例を紹介します。
・感情の揺れ幅が大きい
・傷つきやすい
・自立神経のコントロールがうまくいかない
・0か100かで判断してしまう
・頼みごとなどを断れない
・まじめだが頑固


このほかには、ストレス経験が不十分なために、ストレス耐性が弱かったり、ストレスへの対処能力が低かったりする場合も考えられます。また明るく振舞っている人でも、実はストレスを抱えていて処理しきれずに適応障害になる可能性はあります。
次ページ「適応障害の人への接し方、気をつけることとは?」

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