適応障害の症状・原因・治療法、適応障害の当事者へのサポートの仕方、適応障害とうつ病・不安障害との違いについて解説

2017/07/04 更新
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適応障害は、ストレスに適応できないために、精神症状・身体症状・年齢や社会的役割に不相応な行動など、さまざまな症状が現れ、日常生活をうまく送れなくなる疾患です。ストレスを気持ちの問題だと我慢し、気づかないうちに適応障害になっている人も少なくありません。さらに、ストレスを我慢したり、耐え続けたりすると重症化し、うつ病や不安障害などの深刻な疾患を発症することもあります。この記事では、適応障害の症状や原因、対処法、他の疾患との違いを紹介します。

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目次
  • 適応障害とは
  • 適応障害の症状って?
  • 適応障害の原因
  • 適応障害はどのぐらいの期間続くの?
  • 他の疾患との違い・関わりは?
  • 適応障害かもしれないと思ったら?
  • 適応障害の治療方法
  • 適応障害のある人のために、周囲の人はどう対応すべき?
  • まとめ

適応障害とは

適応障害とは、その名の通りストレスに適応できないためにさまざまな心身症状が表れ、日常生活をうまく送れなくなってしまう疾患です。ある特定の状況や出来事が、その人にとってストレスとなり、耐えがたく感じられることで、気持ちや行動にいつもとは違う症状が現れます。

ストレスの感じ方やそのとらえ方は人それぞれです。大きなストレスを感じていても、気持ちの問題だなどと我慢し、知らず知らずのうちに適応障害になっている人も少なくありません。さらに、ストレスを我慢したり、耐え続けたりすると重症化し、うつ病や不安障害などの深刻な疾患を発症してしまうことがあります。気持ちや体に不調が出てきたら、我慢や無理をせず、早めに病院に行くことが大切です。

適応障害は、他の精神疾患の基準を満たしていないこと、すでに存在する精神疾患の単なる悪化でもないことが分かって初めて診断されます。例えば、うつ病などの気分障害や不安障害などの診断基準を満たす場合はこちらの診断が優先され、適応障害とは診断されません。つまり、気分障害や不安障害ほど重い症状ではないけれど、健康な状態とは言えない場合、適応障害となるのです。

なお、この記事ではアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)に準拠して、適応障害を説明していきます。

適応障害の症状って?

適応障害に見られる症状として、大きく分けて、精神症状・身体症状・年齢や社会的役割に不相応な行動の3つがあります。
■精神症状
精神症状には主に、憂うつ感や気分の落ち込みなどの抑うつ症状と不安症状があります。例えば、次のような症状が現れます。

・強い憂うつ感、涙もろさ、落ち込み、絶望感を感じ、思考力・集中力・判断力が低下する
・感情がコントロールできない時があり、泣き叫ぶことがある
・出来事や環境に対して神経質になり、漠然とした不安感を感じたり、心配になったりする など

■身体症状
適応障害による身体症状には、以下のようなものがあります。

・肩こり
・頭痛
・疲労感
・不眠 
・激しい動悸、発汗
・めまい など

■年齢や社会的役割に不相応な行動
適応障害の人の中には、社会的に禁止されていることや、良しとされていないことをしてしまう人もいます。例えば、以下のような行為です。

・万引き
・行き過ぎた暴飲暴食
・危険運転
・友達や家族への暴力
・無断欠席
・公共施設への落書き など

このような、年齢や社会的役割にふさわしくない行動がみられます。また、子どもが適応障害になった場合、指しゃぶりや赤ちゃん言葉といった「赤ちゃん返り」が見られることもあります。

適応障害の原因

適応障害の原因には、ストレス(外的要因)個人の資質(内的要因)があると考えられています。外的要因であるストレスとはどのようなことでしょう。

外的要因:ストレス

私たちは日頃、さまざまなストレスに囲まれて生活しています。一般的にストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態をいいます。例えば、結婚のように一般的に良いとされることであっても、その変化によりある種の緊張を私たちは感じます。

こうした日々の緊張のとらえ方や、ストレスを受けた時の対応方法によって、ストレスは私たちに良い影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあります。

適応障害は、ストレスが私たちの心身に悪い影響をもたらした場合に発症します。そのストレス源が一つの出来事であるとは限らず、さまざまな状況が重なって原因を形成することがあります。また、大きな出来事からくる単発的なストレスだけでなく、長年にわたり続いていたり、反復したりするストレスもあります。

では、例えばどんなことが私たちのストレスとなりうるのでしょうか。以下に代表的なものをご紹介していきます。
家庭での問題
家族内における病気、介護、別居、子育て、子どもの反抗期、過干渉・過保護など

友達・恋人との関係上の問題
浮気の発覚、離別、喧嘩、絶交 など

学校、職場、近所関係上の問題
いじめ、パワハラ、セクハラ、不信など

心理社会的問題
家族や友人などの親しい人との死別、一人暮らし、異文化を受け入れる(留学など)、転校、仕事上の問題(失業・復業、勤務条件、業務量が過度に多い、決定権のなさ、業務の目的が不明)など

大きな節目や行事
結婚、妊娠・出産、就職、昇進、卒業、子どもの独立、クリスマスなどの行事など

本人の健康の問題
病気、リハビリ、禁酒、禁煙、重病の疑いなど

環境的な問題
引っ越し、経済状況、天災や戦争に遭遇など

内的要因:本人の資質

人生において上記のようなストレスに遭遇することはよくあることでしょう。ストレスに遭遇した時、重く受け止めるか、さらっと受け流すか、心がそのストレスをどのようにとらえるかは本人の気質によっても変わります。

また、ストレスを感じた時に、そのストレスにどのように対応、対処していくかも人それぞれです。ストレスの捉え方・受け止め方である気質と、ストレスへの対応・対処法の2つを合わせて、本人の資質であると言えます。適応障害の発症を左右する原因の一つにその資質が関係しています。では具体的にどんなことがあるでしょうか。
・感情の揺れ幅が大きい
喜怒哀楽の表わし方、処理の仕方が分からず、感情の起伏が激しいなどです。

・傷つきやすい
周囲に言われた些細なことを気にしすぎて傷つきやすい気質です。プライドが高すぎる場合も傷つきやすいと言われています。

・自立神経のコントロールがうまくいかない
ストレスは自律神経を介して脳に影響します。もともと自律神経のバランスが乱れやすい人は適応障害になりやすいと言われています。

・0か100かで判断してしまう
別名、白黒思考や悉無律思考(しつむりつしこう)などといいます。物事を白か黒で判断し、グレーゾーンを認めない気質です。

・頼みごとなどを断れない
相手に悪印象を与えると思い、頼みごとなどを断れない人はストレスをため込みやすい傾向があります。

・まじめだが頑固
まじめにコツコツ仕事や勉強を進めるため、いい加減が許せずなかなか許容ができないという気質です。

この他には、ストレス経験が不十分なために、ストレス耐性が弱かったり、ストレスへの対処能力が低かったりする場合も考えられます。

適応障害はどのぐらいの期間続くの?

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