ニュースを読み上げるかのように話す発達障害の息子。そこには彼なりの言葉との格闘が…
ライター:林真紀
6歳の息子は言葉に強いこだわりがあります。年齢不相応な難しい言葉ばかりを使うため、言語能力が高いと評価されることが多いです。しかし実際は、ある理由から苦しんでいるのです。
発達障害の息子との会話、それは6歳とは思えない話し方で…
私の息子は年齢に不釣り合いな独特の話し方をし、側で聞いている人が思わずギョッとして振り返ります。
それはまるで、公式な文書を順番に読みあげているかのような話し方だからです。
「お母さん、高速道路に侵入する際には落下物に気を付けてね」「僕は○○くんと一緒に遊んだ。しかし、○○くんは僕と一緒に遊ぶことを執拗に拒んだんだ。なぜなら、○○くんは…」
使っている単語も、普通の6歳児のボキャブラリーとはかけ離れています。息子の喋り方は会話調ではなく、文書そのままのような感じなので、大人から聞いていても話の流れが非常に分かりやすいです。
けれども、子ども同士の会話では、ひどく浮いてしまうことになるのです。
なぜ息子はこのような言葉遣いにこだわるのでしょうか。
それはまるで、公式な文書を順番に読みあげているかのような話し方だからです。
「お母さん、高速道路に侵入する際には落下物に気を付けてね」「僕は○○くんと一緒に遊んだ。しかし、○○くんは僕と一緒に遊ぶことを執拗に拒んだんだ。なぜなら、○○くんは…」
使っている単語も、普通の6歳児のボキャブラリーとはかけ離れています。息子の喋り方は会話調ではなく、文書そのままのような感じなので、大人から聞いていても話の流れが非常に分かりやすいです。
けれども、子ども同士の会話では、ひどく浮いてしまうことになるのです。
なぜ息子はこのような言葉遣いにこだわるのでしょうか。
こんなに難しい言葉、一体どこで覚えてきたの?
息子が言葉を習得するのは、主に本とニュース番組からです。
バラエティ番組などは「いろんな言葉がうるさくて耐えられない」と言います。息子によると、淡々と一本調子で正しい言葉で読み上げるニュースが1番安心して視聴できるのだそうです。
同様に、本を読むのも安心するようです。そして、崩した表現は苦手です。その結果、「お母さん、高速道路に何か落っこちてるかもしれないから気を付けてね!!」ではなく「高速道路に侵入する際には落下物に気を付けてね」という言葉が、彼の中での「言葉」になるのです。
「正しい言葉」の方が頭に入ってきやすい分、息子は言葉にひどく拘ります。
言葉の成り立ちや用法を、なんとなく覚えることができません。まさに、言葉を「スルーできない」のです。
バラエティ番組などは「いろんな言葉がうるさくて耐えられない」と言います。息子によると、淡々と一本調子で正しい言葉で読み上げるニュースが1番安心して視聴できるのだそうです。
同様に、本を読むのも安心するようです。そして、崩した表現は苦手です。その結果、「お母さん、高速道路に何か落っこちてるかもしれないから気を付けてね!!」ではなく「高速道路に侵入する際には落下物に気を付けてね」という言葉が、彼の中での「言葉」になるのです。
「正しい言葉」の方が頭に入ってきやすい分、息子は言葉にひどく拘ります。
言葉の成り立ちや用法を、なんとなく覚えることができません。まさに、言葉を「スルーできない」のです。
気になる言葉をすぐ聞いてくる息子にイライラ!もっとスッと会話したいのに…
言葉を「スルーできない」息子は、大きくなるにつれて耳から聞いた言葉について、納得がいかなくなることが多くなってきました。
ある日シャツをベロンと出しながら歩いている息子に、私が「シャツを入れなさい。だらしがない」と言ったときのことです。
息子はこう言ってきたのです。
「“だらし”というのは何?」
「僕は“だらし”というのが無いんだね?」
「じゃあ、“だらし”が有るというのはどういう状態なの?」
この調子で質問は続き、私は思わず「もういい、とにかくシャツを入れなさいったら!」と怒ってしまいました。
話し言葉だけではなく、書き言葉にもこだわりは発動します。
「お母さんは外国由来の言葉はカタカナで書くと言った。じゃあなぜトラは日本語なのにカタカナで書いてあるの?」
この調子で、ちょっとやそっとでは答えられないような質問を1日中私に投げかけてくるのです。
時間があるときは1つひとつ調べて丁寧に答えていましたが、この「言葉に対するこだわり」のためにやり取りがいちいち止まってしまうことが頻繁に生じ、私は息子と話すたびに「黙って質問に答えてよ~!!」とイライラしていました。
ある日シャツをベロンと出しながら歩いている息子に、私が「シャツを入れなさい。だらしがない」と言ったときのことです。
息子はこう言ってきたのです。
「“だらし”というのは何?」
「僕は“だらし”というのが無いんだね?」
「じゃあ、“だらし”が有るというのはどういう状態なの?」
この調子で質問は続き、私は思わず「もういい、とにかくシャツを入れなさいったら!」と怒ってしまいました。
話し言葉だけではなく、書き言葉にもこだわりは発動します。
「お母さんは外国由来の言葉はカタカナで書くと言った。じゃあなぜトラは日本語なのにカタカナで書いてあるの?」
この調子で、ちょっとやそっとでは答えられないような質問を1日中私に投げかけてくるのです。
時間があるときは1つひとつ調べて丁寧に答えていましたが、この「言葉に対するこだわり」のためにやり取りがいちいち止まってしまうことが頻繁に生じ、私は息子と話すたびに「黙って質問に答えてよ~!!」とイライラしていました。