ジストニアの診断・検査方法
診断は神経内科
ジストニアは神経の病気です。そのため、ジストニアの疑いがある場合は脳や神経、筋肉の病気を扱う神経内科に相談するとよいでしょう。ただ、ジストニアは医療従事者の間でも認知度が低く、別の病気として診断されたり、特に問題がないと誤診されたりすることも多い病気のためジストニアの検査ができる病院を受診することをおすすめします。
以下のリンクはジストニアを専門で見られる病院の一覧です。
以下のリンクはジストニアを専門で見られる病院の一覧です。
実際の検査
ジストニアは神経の病気であるうえ、ジストニアと似た症状の病気も多く存在します。そのため、ジストニアと確定診断されるまでにはいくつもの検査を要する場合が多いです。
頭部CT・MRI検査…二次性ジストニアの原因となる脳血管障害や、腫瘍といった病気の有無を確認します。
筋電図検査…ジストニアの特徴である筋肉の収縮を記録し、異常が見られるか確認します。
血液検査…肝臓・腎臓などの臓器の状態や他の病気の兆候を推測できます。
遺伝子検査…遺伝性ジスト二アは、CT検査や血液検査では異常を確認できないことが多いです。一方、遺伝子検査は一般的に費用が高く検査結果が出るまでに時間がかかることが多いものの、確定診断に役立てることができます。
頭部CT・MRI検査…二次性ジストニアの原因となる脳血管障害や、腫瘍といった病気の有無を確認します。
筋電図検査…ジストニアの特徴である筋肉の収縮を記録し、異常が見られるか確認します。
血液検査…肝臓・腎臓などの臓器の状態や他の病気の兆候を推測できます。
遺伝子検査…遺伝性ジスト二アは、CT検査や血液検査では異常を確認できないことが多いです。一方、遺伝子検査は一般的に費用が高く検査結果が出るまでに時間がかかることが多いものの、確定診断に役立てることができます。
ジストニアの治療法
ジストニアは未だに症例が少なく、確立された治療法はまだ存在していません。根本原因に対処する根治療法はなく、対症療法によって症状の緩和を目指します。
病型によって有効な治療法が異なるため、専門知識を持つ主治医に相談し、治療方針を立ててもらう必要があります。
病型によって有効な治療法が異なるため、専門知識を持つ主治医に相談し、治療方針を立ててもらう必要があります。
薬物治療
副交感神経を活発化させるアセチルコリンという物質の作用を抑える「抗コリン薬」の投与が行われることがあります。あるいは、一般的ではないもののドーパミン遮断薬の投与による治療が行われる場合もあります。
その他の経口薬物としては緊弛緩薬や向精神薬、および一般的な鎮痛薬が用いられることがあります。
その他の経口薬物としては緊弛緩薬や向精神薬、および一般的な鎮痛薬が用いられることがあります。
症状が出ている部位への「ボツリヌス毒素注射」
「ボツリヌス毒素」というヒトの神経毒を、症状が出ている部位の筋肉に注射します。注射によって、神経筋の結合部分でのアセチルコリンの放出を阻害し、症状の緩和をはかります。筋肉の局所的な弛緩性麻痺を生み、効果は数週間から数ヶ月間持続します。成功率が高く合併症の頻度も低いため、専門家の間で広く容認されています。
末梢あるいは定位脳手術
ジストニアの症状が重い場合、部位や症状によっては末梢あるいは定位脳手術という手術を行うことがあります。
ジストニアに対して行われる末梢手術の例としては、選択的末梢神経遮断術(SPD)という、神経の末梢部分を選択的に遮断する手術法があり、有効かつ安全な治療としてヨーロッパ神経内科学会や英国のガイドラインにも明記されています。
ジストニアに対して行われる末梢手術の例としては、選択的末梢神経遮断術(SPD)という、神経の末梢部分を選択的に遮断する手術法があり、有効かつ安全な治療としてヨーロッパ神経内科学会や英国のガイドラインにも明記されています。
定位脳手術は、脳の中の特定の構造物をターゲットとして、そこへ電極を留置して治療を行う方法のことです。細い電極の先端を、1mm単位で正確に特定の場所に留置する必要があることから、定位(位置を定める)脳手術といいます
参考:東京女子医科大学 脳神経外科 定位脳手術:凝固術と脳深部刺激療法
定位脳手術によって、不随意運動の改善が期待できます。
ジストニアの人が受けられる支援は?
難病指定で受けられるサービス
「遺伝性ジストニア」のみ、厚生労働省が指定する難病として認定されています。
遺伝性ジストニアの患者であれば、ジストニアの医療費の自己負担割合が3割から2割に引き下げられるほか、世帯の所得に応じて医療費の自己負担上限額(月額)が設定されるので、経済的負担を緩和することができます。
詳しい内容は以下のリンクをご参照ください。
遺伝性ジストニアの患者であれば、ジストニアの医療費の自己負担割合が3割から2割に引き下げられるほか、世帯の所得に応じて医療費の自己負担上限額(月額)が設定されるので、経済的負担を緩和することができます。
詳しい内容は以下のリンクをご参照ください。
小児慢性疾患指定で受けられるサービス
遺伝性ジストニアの中でも、DYTシリーズとして指定されている特定の遺伝子が原因のジストニアを持つ18歳未満の患者であれば、小児慢性疾患として医療費の自己負担分の一部が助成される可能性があります。詳しくは以下のリンクを確認してみてください。
身体障害者手帳はもらえる?
身体障害者福祉法に基づいて発行される身体障害者手帳の認定基準においては、身体の「機能」の障害を中心に認定の可否が評価されるほか、その障害が将来に渡っても回復する可能性が極めて少ないものという条件も挙げられています。
ジストニアは症状が改善する場合も多いため、身体障害者手帳の習得が比較的難しいと言われていまが、症状が重い場合は手帳が発行されるケースもあるようです。一度自治体の福祉担当窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
ジストニアは症状が改善する場合も多いため、身体障害者手帳の習得が比較的難しいと言われていまが、症状が重い場合は手帳が発行されるケースもあるようです。一度自治体の福祉担当窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
障害年金はもらえる?
ジストニアの症状は一人ひとり違います。そのためジストニアであるからといって障害年金を受けられるわけではありません。しかし、眼瞼痙攣(がんけんけいれん)や歩行困難など、障害年金の障害認定に当てはまる症状がある場合は受給できる可能性があります。
障害年金の受給条件としては以下の5点が挙げられます。
・初診日(初めて医師の診察を受けた日)に国民or厚生or共済年金に加入していること
・初診日までに一定以上保険料を払っていること
・障害の程度が受給条件を満たしていること
・初診日当時の年齢が20歳以上65歳未満であること
・20歳未満だが先天性の障害を持つ、あるいは20歳前に障害を発症していること
上記の条件を満たしていれば、身体障害者手帳を持たない人でも障害年金を申請することができます。実際に自分の症状が認定基準に当てはまるかどうかは、以下のリンクからご自身で確認してみてください。
障害年金の受給条件としては以下の5点が挙げられます。
・初診日(初めて医師の診察を受けた日)に国民or厚生or共済年金に加入していること
・初診日までに一定以上保険料を払っていること
・障害の程度が受給条件を満たしていること
・初診日当時の年齢が20歳以上65歳未満であること
・20歳未満だが先天性の障害を持つ、あるいは20歳前に障害を発症していること
上記の条件を満たしていれば、身体障害者手帳を持たない人でも障害年金を申請することができます。実際に自分の症状が認定基準に当てはまるかどうかは、以下のリンクからご自身で確認してみてください。
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