障害年金とは?金額や受給条件、申請方法は?働きながら受給できる?【専門家監修】
ライター:発達障害のキホン
障害年金は、障害の程度に応じて働いていても一定の金額が支給される、障害のある方の生活をサポートするための制度です。2016年9月には精神障害や知的障害について新しいガイドラインが策定され、認定における地域差の改善が図られています。この記事では、障害年金の受給条件や申請方法、支給金額を詳しく解説します。
監修: 渡部伸
行政書士
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
慶應義塾大学法学部卒後、出版社勤務を経て、行政書士、社会保険労務士、2級ファイナンシャルプランニング技能士などの資格を取得。現在、渡部行政書士社労士事務所代表。自身も知的障害の子どもを持ち、知的障害の子どもをもつ親に向けて「親なきあと」相談室を主宰。著作、講演など幅広く活動中。
親なきあと相談室主宰
社会保険労務士
障害年金の種類や受給条件は?
「障害年金」とは、障害によって生活の安定が損なわれないように、働く上で、あるいは日常生活を送る上で困難がある人に支払われる公的年金の総称です。
ここでは、障害年金にはどのような種類があるのか、受給するにはどのような条件を満たせばいいのかなどを解説します。
ここでは、障害年金にはどのような種類があるのか、受給するにはどのような条件を満たせばいいのかなどを解説します。
障害年金の種類
日本年金機構の障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。
●障害基礎年金(国民年金)
障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)に、すでに国民年金に加入していた人が受給することができる障害年金です。初診日が年金制度に加入していない期間であっても、20歳未満または60歳以上65歳未満(日本国内に在住)で、障害等級や保険料納付の要件に該当していれば支給の対象となります。
●障害厚生年金(厚生年金)
厚生年金保険の被保険者加入期間中に、障害の原因となった病気やけがの初診日がある場合に支給の対象となります。
日本の公的年金制度は、一人一年金が原則とされ、老齢・障害・遺族のいずれか1つの支給事由を選択する決まりがあります(※)。また、基礎年金と厚生年金は2階建て構造になっており、基礎年金に厚生年金を上乗せする仕組みになっています。障害基礎年金と障害厚生年金は、同じ支給事由で受け取れるものであるため、1つの年金とみなされ、あわせて受けることができます。
※65歳以上は、特例的に支給事由が異なる2つ以上の年金(老齢給付と障害給付、障害給付と遺族給付など)が受けられることがあります。
●障害基礎年金(国民年金)
障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)に、すでに国民年金に加入していた人が受給することができる障害年金です。初診日が年金制度に加入していない期間であっても、20歳未満または60歳以上65歳未満(日本国内に在住)で、障害等級や保険料納付の要件に該当していれば支給の対象となります。
●障害厚生年金(厚生年金)
厚生年金保険の被保険者加入期間中に、障害の原因となった病気やけがの初診日がある場合に支給の対象となります。
日本の公的年金制度は、一人一年金が原則とされ、老齢・障害・遺族のいずれか1つの支給事由を選択する決まりがあります(※)。また、基礎年金と厚生年金は2階建て構造になっており、基礎年金に厚生年金を上乗せする仕組みになっています。障害基礎年金と障害厚生年金は、同じ支給事由で受け取れるものであるため、1つの年金とみなされ、あわせて受けることができます。
※65歳以上は、特例的に支給事由が異なる2つ以上の年金(老齢給付と障害給付、障害給付と遺族給付など)が受けられることがあります。
では、支給が開始された障害年金は、いつまで受給できるのでしょうか。障害年金の額は、障害の程度によって異なり、認定基準に該当し続ける限り支給されますが、障害の程度が軽くなったときは、受給額が減額されるか支給停止されることがあります。障害年金の更新については、記事の後半で解説します。
障害年金の受給条件
「障害年金をもらえる条件は?」と気になる方も多いかもしれません。障害年金を受給するためには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。
1.初診日が特定できること(初診日要件)
初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことをいいます。病気やけがにおいての初診日であり、その病院での初診日ということではありません。
初診日の確認は、一番初めに診療を受けた医療機関の「受診状況等証明書」などの証明が必要となります。初診時の医療機関の証明が難しい場合には、隣人、友人、民生委員などの第三者による証明の書類や本人による参考資料などを添付し、初診日の申し立てが必要となります。
ただし、先天性の知的障害に関しては、初診日は出生日となります。乳幼児期の感染症や頭部外傷などが要因の知的障害、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)などの発達障害については、初めて診療を受けた日が初診日となります。
※現在、『ICD-11』では「知的発達症」、『DSM-5』では「知的能力障害(知的発達症/知的発達障害)」と表記されていますが、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」においては「知的障害」と記載されているめ、この記事では「知的障害」という表記を用います。
初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことをいいます。病気やけがにおいての初診日であり、その病院での初診日ということではありません。
初診日の確認は、一番初めに診療を受けた医療機関の「受診状況等証明書」などの証明が必要となります。初診時の医療機関の証明が難しい場合には、隣人、友人、民生委員などの第三者による証明の書類や本人による参考資料などを添付し、初診日の申し立てが必要となります。
ただし、先天性の知的障害に関しては、初診日は出生日となります。乳幼児期の感染症や頭部外傷などが要因の知的障害、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)などの発達障害については、初めて診療を受けた日が初診日となります。
※現在、『ICD-11』では「知的発達症」、『DSM-5』では「知的能力障害(知的発達症/知的発達障害)」と表記されていますが、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」においては「知的障害」と記載されているめ、この記事では「知的障害」という表記を用います。
2.年金制度に加入している期間に初診日があること(制度加入要件)
初診日に国民年金や厚生年金保険などの年金制度に加入している必要があります。しかし、初診日に20歳未満、あるいは日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満でも国民年金に加入していたのと同じ扱いになります。
20歳未満は国民年金に加入できないことから、20歳に達した時に障害等級に該当していれば加入要件は必要ありません。つまり、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がありその状態が続いている人も年金制度の対象となります。
初診日に国民年金や厚生年金保険などの年金制度に加入している必要があります。しかし、初診日に20歳未満、あるいは日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満でも国民年金に加入していたのと同じ扱いになります。
20歳未満は国民年金に加入できないことから、20歳に達した時に障害等級に該当していれば加入要件は必要ありません。つまり、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がありその状態が続いている人も年金制度の対象となります。
3.定められた期間に保険料が納付されていること(保険料納付要件)
障害基礎年金、障害厚生年金ともに、初診日の前日に保険料納付要件を満たしていることが要件となります。
基本的には、初診日がある月の2ヶ月前までの被保険者期間で、保険料の納付済み期間と保険料免除期間をあわせた期間が2/3以上あることが必要となっています。
障害基礎年金、障害厚生年金ともに、初診日の前日に保険料納付要件を満たしていることが要件となります。
基本的には、初診日がある月の2ヶ月前までの被保険者期間で、保険料の納付済み期間と保険料免除期間をあわせた期間が2/3以上あることが必要となっています。
初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
出典:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構ホームページ
4.一定の障害の状態であること(障害要件)
障害等級に該当している必要があります。障害等級とは、障害の状態を分けたもので、重いものから1級、2級、3級とされています。
1級は、他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない程度の状態、2級は他人の介助を必要としなくても日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができない状態、3級は日常生活には支障はないが、労働が著しい制限を受ける、あるいは労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態をいいます。
1~2級は国民年金法施行令で、3級および3級より軽度の障害状態は厚生年金保険法施行令で定められています。この場合の障害等級は労災保険の障害年金のものとは違うものです。
厚生年金に加入している場合は、1級~3級のいずれかに該当しているならば障害厚生年金を受給することができます。また、障害等級が3級に達していなくても条件に該当しているならば、障害手当金という一時金が支払われます。
国民年金に加入している場合は、1級と2級に該当しているならば障害基礎年金を受給することができます。
障害等級に該当している必要があります。障害等級とは、障害の状態を分けたもので、重いものから1級、2級、3級とされています。
1級は、他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない程度の状態、2級は他人の介助を必要としなくても日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができない状態、3級は日常生活には支障はないが、労働が著しい制限を受ける、あるいは労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態をいいます。
1~2級は国民年金法施行令で、3級および3級より軽度の障害状態は厚生年金保険法施行令で定められています。この場合の障害等級は労災保険の障害年金のものとは違うものです。
厚生年金に加入している場合は、1級~3級のいずれかに該当しているならば障害厚生年金を受給することができます。また、障害等級が3級に達していなくても条件に該当しているならば、障害手当金という一時金が支払われます。
国民年金に加入している場合は、1級と2級に該当しているならば障害基礎年金を受給することができます。
障害年金の障害認定基準って?働きながら受給できる?
障害年金に関わる(年金額の)等級も、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳などの障害者手帳も「1級、2級」と、等級の表し方は同じのため混同しやすいのですが、障害年金の障害認定基準は障害者手帳の障害認定基準と異なります。そのため障害者手帳で1級でも、障害年金では異なる場合があります。
障害基礎年金や障害厚生年金の障害認定基準は、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて認定されています。しかし、精神障害と知的障害の認定において、地域でその基準に違いがあるという状況が明らかになってきました。
こうした、認定における地域差を改善するため、厚生労働省は新しいガイドライン(『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』)を作成し、2016年9月1日より実施しています。
精神障害と知的障害においての等級は、「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」の評価の平均をもとに認定されるようになりました。等級目安などの詳細は下記のリンク先にあります。
ただし、てんかんにおいては、発作の重症度や頻度などを踏まえて等級判定を行うことを障害認定基準で規定しています。そのため、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて、等級認定を行います。
障害基礎年金や障害厚生年金の障害認定基準は、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて認定されています。しかし、精神障害と知的障害の認定において、地域でその基準に違いがあるという状況が明らかになってきました。
こうした、認定における地域差を改善するため、厚生労働省は新しいガイドライン(『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』)を作成し、2016年9月1日より実施しています。
精神障害と知的障害においての等級は、「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」の評価の平均をもとに認定されるようになりました。等級目安などの詳細は下記のリンク先にあります。
ただし、てんかんにおいては、発作の重症度や頻度などを踏まえて等級判定を行うことを障害認定基準で規定しています。そのため、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて、等級認定を行います。
身体障害の障害認定基準についても下記のリンク先でも紹介しています。令和4年4月1日にも障害認定基準の一部が改正されているので確認してみてください。
不安なことやわからないことがあったら、お近くの年金事務所に問い合わせてみましょう。
また、障害年金は働きながら受給することが可能です。障害年金受給者(20~59歳)の就労率は上昇傾向にあり、令和元年時点で
・身体障害:48.0%
・知的障害:58.6%
・精神障害:34.8%
という調査結果も出ています。
・身体障害:48.0%
・知的障害:58.6%
・精神障害:34.8%
という調査結果も出ています。
労働にどのような影響がある場合に、どのような等級になるかについては、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に詳しく記載してあります。
障害年金を受給するデメリットはある?
障害年金は、障害のある人の生活の大きなサポートとなるものですが、以下のような場合には、デメリットと感じることもあるかもしれません。「申請前に知っておきたかった」とならないよう、どのような注意点があるのかを知っておく必要があります。
・生活保護と障害年金と両方受給できてもトータル支給額は変わらない…障害年金で受け取った額と同じ額が生活保護から減らされるため。
・傷病手当金(病気やケガで休業しなければならなくなった場合の公的社会保障金)との調整がある…同一の傷病等による障害厚生年金や障害手当金を受けている場合、傷病手当金は支給されません。ただし、障害厚生年金の額によっては、一部支給されることがあります。
・死亡一時金(生計を同じくしていた遺族に支払われる一時金)や寡婦年金(夫を亡くした妻が60歳から65歳の期間に受給できる年金)が支給されない場合がある
・扶養から外れる場合がある…一般的に年収が130万円以上になると世帯主の社会保険の扶養から外れるが、障害厚生年金を受給している場合は、上限が180万円未満になります。
しかしこれらは受給期間や受給額などで比較・検討することで、デメリットに至らないケースもあるかもしれません。各家庭の状況に応じた詳細については、お近くの年金事務所や年金相談センター等に相談してみましょう。
・生活保護と障害年金と両方受給できてもトータル支給額は変わらない…障害年金で受け取った額と同じ額が生活保護から減らされるため。
・傷病手当金(病気やケガで休業しなければならなくなった場合の公的社会保障金)との調整がある…同一の傷病等による障害厚生年金や障害手当金を受けている場合、傷病手当金は支給されません。ただし、障害厚生年金の額によっては、一部支給されることがあります。
・死亡一時金(生計を同じくしていた遺族に支払われる一時金)や寡婦年金(夫を亡くした妻が60歳から65歳の期間に受給できる年金)が支給されない場合がある
・扶養から外れる場合がある…一般的に年収が130万円以上になると世帯主の社会保険の扶養から外れるが、障害厚生年金を受給している場合は、上限が180万円未満になります。
しかしこれらは受給期間や受給額などで比較・検討することで、デメリットに至らないケースもあるかもしれません。各家庭の状況に応じた詳細については、お近くの年金事務所や年金相談センター等に相談してみましょう。
障害年金の支給金額は?
日本年金機構によると、障害年金は以下のように計算され毎月分支給されますが、支給額はその年度の経済状況で変動があります。また、子どもの数による加算額は児童扶養手当との兼ね合いで支給額が調整されます。下記は2024年度の金額です。現段階でいくら支給されるのか、目安として参考にしてください。
障害基礎年金
昭和31年4月2日以後生まれの場合、次のような金額になっています。
1級の場合の年額:1,020,000 円(月額 85,000 円)+子の加算
2級の場合の年額:816,000 円(月額 68,000 円)+ 子の加算
※1級の年金額は、2級の1.25倍。
生計を維持している子どもがいる場合、子どもが下記のいずれかの要件を満たすことで加算されます。
・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない
・20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある
・子の加算額
第1子・2子は234,800 円(月額約19,567円)
第3子以降は78,300 円(月額約6,525 円)
1級の場合の年額:1,020,000 円(月額 85,000 円)+子の加算
2級の場合の年額:816,000 円(月額 68,000 円)+ 子の加算
※1級の年金額は、2級の1.25倍。
生計を維持している子どもがいる場合、子どもが下記のいずれかの要件を満たすことで加算されます。
・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない
・20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある
・子の加算額
第1子・2子は234,800 円(月額約19,567円)
第3子以降は78,300 円(月額約6,525 円)
障害厚生年金
1級の場合:報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金(234,800円)
2級の場合:報酬比例の年金+配偶者加給年金(234,800円)
3級の場合:報酬比例の年金(最低保証612,000 円(月額51,000 円))
※1級・2級の場合、障害基礎年金も加わる。
※配偶者の加給年金…本人が1級または2級に該当する場合で、生計維持関係にある65歳未満の配偶者(事実婚を含む)がいるときは、配偶者加給年金が加算される
2級の場合:報酬比例の年金+配偶者加給年金(234,800円)
3級の場合:報酬比例の年金(最低保証612,000 円(月額51,000 円))
※1級・2級の場合、障害基礎年金も加わる。
※配偶者の加給年金…本人が1級または2級に該当する場合で、生計維持関係にある65歳未満の配偶者(事実婚を含む)がいるときは、配偶者加給年金が加算される
障害基礎年金と障害厚生年金を比較した図が以下のものになります。
障害年金は更新が必要?支給が停止する場合とは
障害年金が支給されている場合、引き続き障害年金を受ける権利があるかどうか、障害の状態を確認するため「障害状態確認届(診断書)」(※)が送付されます。「診断書」欄をかかりつけの医師に記載してもらい、提出期限(誕生月の末日)までに到着するように提出します。
※障害の状態に応じて提出が必要となる年に、誕生月の3カ月前の月末に日本年金機構より送付される更新手続書類。
診断書をもとに障害の状態が要件に当てはまらないとされたときは、障害年金は支給が停止される場合があります。
障害厚生年金においては、業務上の病気やけがでも障害年金を請求することはできますが、労働基準法の規定による障害給付を受け取る権利があるときは、6年間障害厚生年金を受け取ることができません。また、労働者災害補償保険法の規定による障害給付を受け取るときは、労働者災害補償保険法の給付の一部が減額されます。
20歳前の傷病による障害基礎年金については、年金の支給に制限や調整があります。例えば、前年の所得額が370万4千円を超える場合には年金額の2分の1が支給停止となり、472万1千円を超えると全額が支給停止になることがあります。
この場合の所得とは、収入から必要経費を差し引いた額になります。例えば、毎月の給与の額面が40万円で、社会保険料や住民税等が差し引かれた手取りが32万円の場合(賞与は0とする)、1年間の収入は、40×12か月=480万円、ここから給与所得控除を引いた「340万円」が給与所得になります。この場合、年金額の2分の1が支給停止となる基準額(370.4万)以下のため、支給制限にはなりません(ちなみに、遺産や保険金なども支給制限の対象外です)。
※障害の状態に応じて提出が必要となる年に、誕生月の3カ月前の月末に日本年金機構より送付される更新手続書類。
診断書をもとに障害の状態が要件に当てはまらないとされたときは、障害年金は支給が停止される場合があります。
障害厚生年金においては、業務上の病気やけがでも障害年金を請求することはできますが、労働基準法の規定による障害給付を受け取る権利があるときは、6年間障害厚生年金を受け取ることができません。また、労働者災害補償保険法の規定による障害給付を受け取るときは、労働者災害補償保険法の給付の一部が減額されます。
20歳前の傷病による障害基礎年金については、年金の支給に制限や調整があります。例えば、前年の所得額が370万4千円を超える場合には年金額の2分の1が支給停止となり、472万1千円を超えると全額が支給停止になることがあります。
この場合の所得とは、収入から必要経費を差し引いた額になります。例えば、毎月の給与の額面が40万円で、社会保険料や住民税等が差し引かれた手取りが32万円の場合(賞与は0とする)、1年間の収入は、40×12か月=480万円、ここから給与所得控除を引いた「340万円」が給与所得になります。この場合、年金額の2分の1が支給停止となる基準額(370.4万)以下のため、支給制限にはなりません(ちなみに、遺産や保険金なども支給制限の対象外です)。
障害年金の申請方法は?
障害年金申請のおおまかな流れの一例としては、①初診日を調べる②(年金事務所などで)「保険料納付要件」を満たしていることを確認する③「初診日」を証明する書類をそろえる④医師に診断書を書いてもらう⑤「病歴・就労状況等申立書」を作成⑥その他の書類をそろえて提出となります。
障害年金の申請方法として、主に以下の2つがあります。
障害年金の申請方法として、主に以下の2つがあります。
障害認定日による請求
障害認定日とは障害の程度を認定する日で、初診日から1年6カ月経過した日、あるいは1年6カ月以内にその病気やけがが治った場合は、その日を指します。
障害認定日の翌月分から年金を受給でき、障害認定日以降であれば、いつでも請求できますが、実際にさかのぼって請求できるのは過去5年分のみです。なお、障害認定日が20歳になる前である場合には、20歳に達した日の翌月分から受給できます。
障害認定日時点の診断書の取得や当時の症状を証明できるものが必要なため、複雑に感じる人もいるかもしれません。しかし、申請が受理されると、障害認定日の翌月分から障害年金を受給することができることは大きな利点であると言えます。
障害認定日の翌月分から年金を受給でき、障害認定日以降であれば、いつでも請求できますが、実際にさかのぼって請求できるのは過去5年分のみです。なお、障害認定日が20歳になる前である場合には、20歳に達した日の翌月分から受給できます。
障害認定日時点の診断書の取得や当時の症状を証明できるものが必要なため、複雑に感じる人もいるかもしれません。しかし、申請が受理されると、障害認定日の翌月分から障害年金を受給することができることは大きな利点であると言えます。
事後重症による請求
事後重症による請求は、障害認定日の障害の程度が障害等級に該当していなくても、その後症状が悪化し、その症状が1級~3級に該当した場合に適用されます。しかし、請求書は65歳になる2日前までに提出しなければなりません。
請求が受理されると、認定日の翌月分から受給できますが、請求が遅くなるほど、受給が開始される時期も遅くなるということになります。
請求が受理されると、認定日の翌月分から受給できますが、請求が遅くなるほど、受給が開始される時期も遅くなるということになります。
障害厚生年金を受給中に、新たな障害が生じた場合には、2つの障害を併せて障害の程度を認定し、1つの年金として支給されます。
子どもが未成年、今から準備しておくことは?【体験談も】
出生時あるいは20歳になるまでに明らかに障害があると判定されれば、国民年金や厚生年金に加入していなくても障害年金を申請することができます。
子どもが小さいうちはまだまだ先のことだと思ってしまいがちですが、支給額が決まる「等級」の審査には、医師の「診断書」や「病歴・就労状況等申立書」が最も重要になってきます。
子どもが未成年のうちからしておきたい準備の例としては、
・診断書をしっかり書いてくれる主治医をみつける
・初診日(診断を受けた日)を証明してくれる病院を確認
※先天性の知的障害の場合は、出生日が「初診日」となります
・「病歴・就労状況等申立書」には通院歴(入院や受診回数など)、医師からの指示、日常生活の状況(特に困りごとや大きなトラブルなど)を保護者が書くため、子どもが小さい頃から書き溜めておくかメモをしておく
などが考えられます。
発達ナビライターの立石美津子さんは、お子さまが17歳の時に担任から「申請に必要な診断書を書いてくれる医師を、今から探しておいてください」というお話があり、主治医探しに奔走されたエピソードを紹介されています。
子どもが小さいうちはまだまだ先のことだと思ってしまいがちですが、支給額が決まる「等級」の審査には、医師の「診断書」や「病歴・就労状況等申立書」が最も重要になってきます。
子どもが未成年のうちからしておきたい準備の例としては、
・診断書をしっかり書いてくれる主治医をみつける
・初診日(診断を受けた日)を証明してくれる病院を確認
※先天性の知的障害の場合は、出生日が「初診日」となります
・「病歴・就労状況等申立書」には通院歴(入院や受診回数など)、医師からの指示、日常生活の状況(特に困りごとや大きなトラブルなど)を保護者が書くため、子どもが小さい頃から書き溜めておくかメモをしておく
などが考えられます。
発達ナビライターの立石美津子さんは、お子さまが17歳の時に担任から「申請に必要な診断書を書いてくれる医師を、今から探しておいてください」というお話があり、主治医探しに奔走されたエピソードを紹介されています。
発達障害のある子どものかかりつけは、小児科や児童精神科が多いと思います。ですが小児科や児童精神科は、原則として中学生までしか受診ができません。以前は成人期になっても小児科・児童精神科にかかる場合もあったようですが、発達障害の診療ニーズが高まる中、継続しての支援が難しくなってきたという背景もあるようです。
また、幼児期は療育に通ったり病院を受診していたりしたけれど、小・中学校時代にはトラブルなく過ごせ、思春期以降も問題行動などの二次障害もなく落ち着いている場合、投薬もなく、主治医を持たないケースもあるでしょう。(略)
そうすると、「障害はあるのに問題行動が落ち着いて病院を離れていた結果、主治医がおらず、年金申請に必要な書類を書いてもらえない」という状態になり、慌てることになってしまうのです。
つまり、20歳を迎える前に年金受給申請することになりますが、それまでに成人を診られる病院で主治医を見つけておく必要があります。
出典:療育手帳を持っているだけでは「障害基礎年金」は受給できない?わが家が直面した、ある問題とは…!
療育手帳を持っているだけでは「障害基礎年金」は受給できない?わが家が直面した、ある問題とは…!