お風呂を泣き叫んで嫌がる息子…その理由は「触覚過敏」にあった

ライター:林真紀
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発達障害の特性として良く聞くのが「触覚過敏」や「聴覚過敏」。我が家の息子も幼い頃から触覚過敏を訴えていました。では、具体的に何に対して、どこまで過敏なのでしょうか。

石鹸が痛い!?息子が「触覚過敏」だとは、まだ知らなかった頃…

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発達障害がある人の中には、「聴覚過敏(音に敏感)」や「触覚過敏(肌の感覚が敏感)」がある人もいる、ということはよく知られています。

私が息子の触覚の過敏さを疑い始めたのは、毎日の入浴がきっかけでした。

息子の場合、シャワーを嫌がることはありませんでしたが、少しでも石鹸が身体に残っていると「お母さん、痛い!!!流して!!痛い!!!」と顔をしかめるのです。

最初は石鹸が身体に残っていることが単純に気になっているだけなのかと思いきや、背中やお尻など、本人から見えない場所に石鹸が残っていても、息子はすぐに察知するのです。

そして、半ばパニックになりながら、「痛い!!!痛いよぉお!!はやく、はやく流してぇぇ!!」とジタバタ暴れるのでした。

触覚過敏のある子は、赤ちゃんの頃に抱っこされるのを嫌がったり、触られるのを嫌がったりすると言われていますが、息子が赤ちゃんの頃は触れられるのを嫌がるようなことはなかったのに…。

当時はまだ発達障害の診断が出ていませんでしたが、私の中で「この子の感覚は何かが違う…」と思った最初の出来事でした。

冬場、いつも薄着だった息子。どうしてジャンパーを着てくれないの!?

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その他にも、触覚過敏なエピソードはあります。
息子はナイロン製のジャンパーやダウンジャケットを着ることができませんでした。
ズボンもジーンズ素材は履けません。

でも、親戚や友達から頂いたりしたジャンパーなどは、くださった方にも申し訳なく、なんとか息子に着せようと私は頑張っていました。そのたびに息子は絶叫…!

その嫌がり方は常軌を逸していましたが、当時の私は「着て!!いいから着なさい!!」と涙目の息子を押さえつけ、服を着せようとしていました。

息子は真冬でも雪が降っていても、薄手のフリース素材や綿のコートしか着ようとしませんでした。

当時通っていた保育園から、「砂や葉っぱが落としづらいので、なるべくナイロン製のジャンパーで来てください」「1人だけ寒そうなので、もうちょっと暖かい上着を…」と繰り返し言われていましたが、息子はナイロン製のジャンパーを決して受け付けませんでした。

あるママ友との会話で、突然解けた謎

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そんな生活にほとほと疲れていたある日、発達障害のお子さんを持つママ友とお茶する機会がありました。

そのママ友がぼそりと話したことが、私の疑問に全て答えてくれる内容だったのです。

ママ友「シャワー浴びるとき、毎日絶叫するんだもん。とにかくすごい泣き方で。お隣さんが心配して電話かけてきたぐらい。発達障害って分かって理解できたよ。触覚過敏で、シャワーが痛かったんだよね」

シャワーが痛い!?

これを聞いたとき、身体に残った石鹸を「痛い!!痛い!!」と泣き叫ぶ息子の姿に繋がったのでした。
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これまで嫌がっていたものは、ほとんど触覚過敏が原因だった!

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このママ友との会話がきっかけで、息子は発達障害の診断に結びつきました。
診断がおりたとき、これまで私は何も知らずに息子にひどいことばかりしてきたことに気付いたのでした。

・ナイロンのジャンパーやジーンズを嫌がること
・風が吹くたびに「痛い、苦しい」としゃがみこんでしまうこと
・前ボタンのある洋服を全力で拒否して逃げ回ること
・歯磨きのたびに「痛い痛い」と泣くこと
・ぬかるみに足が触ると大泣きしてしまうこと

…全て、息子が冗談か我儘で大騒ぎしているのかと思っていました。

そのたびに私は「痛いのなんて気のせい!」「やりなさい!」と厳しく叱っていたのです。でもそれは、気のせいなどではなかったのです。息子は、本当に痛かったのです。

治るものではないけれど、付き合い方は工夫できる

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これまでいろいろ調べ、主治医や療育先にも相談してきましたが、触覚過敏はそう簡単になくなるものではないようです。

息子は成長していろいろなことに取り組むことができるようになりましたが、様々な過敏性はまだ残っています。

ただ、大きくなってくると「これは痛いから、こっちにして欲しい」などの要求をしっかり口に出してくれるようになりました。
これができるようになると、訳も分からず痛みでパニックになるようなことも少なくなります。

今では、本人も私も触覚過敏とうまく付き合いながら生活することができるようになりました。

大切なのは触覚過敏をなくすことではなく、いかに苦痛を和らげながら生活ができるかを、子どもと一緒に考えていくことなのかもしれません。

発達障害の子どもが感じている「痛み」は、気のせいでも我儘でもなく本当の「痛み」なのだと知ることが、まずは大きな第一歩なのだと私は思います。
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