子どもの言語障害とは。さまざまな言語障害の違いを徹底解説します
言語障害とは、言葉に関して困難さのあることをさします。中でも医学的なシーンで使われる「言語障害」は、発達期に言語の産出と理解が苦手であるために、言語を獲得すること、言語を使うことに困難さが生じる疾患を指します。このコラムでは、人が言葉を話すコミュニケーションの仕組みを説明しながら、言語障害や、言葉に関する疾患について紹介していきます。
言語障害とは
以下は、文部科学省における言語障害の定義です。
言語障害とは、発音が不明瞭であったり、話し言葉のリズムがスムーズでなかったりするため、話し言葉によるコミュニケーションが円滑に進まない状況であること、また、そのため本人が引け目を感じるなど社会生活上不都合な状態であることをいいます。
このように、一口に言語障害と言ってもさまざまな定義が存在しますが、このコラムでは精神医学上の定義に則り、発達期の子どもが発症する言語障害について、人のコミュニケーションの仕組みを踏まえながら説明していきます。
音声言語コミュニケーションの仕組み
下の図は「スピーチチェーン」といい、人が音声言語コミュニケーションをとる仕組みについて説明するものです。
■第一段階 音響学的レベル
誰かが発した音声が、空気を振動して耳へと伝わります。
■第二段階 言語学的レベル
耳を通して伝わった音声を、脳で意味のある言葉として理解し、それについての受け答え(自分が話したい内容など)を考えます。そして、受け答えのための音声を出すために脳から発声器官(口や舌、肺など)の筋肉に信号を出します。
■第三段階 生理学的レベル
脳の信号を頼りに声帯や舌、肺などを運動させ、音を発声します。また、口や舌の動きを使い、人が理解できる言葉にします。
精神医学における言語障害
1. 少ない語彙
その年齢の子どもが知っているであろうレベルより単語の知識より少なく、語彙に多様性が欠けている状態です。例えば、言葉の定義(理解)があやふやであったり、類義語や多義語が理解できなかったりなどが挙げられます。
2. 限定された構文
文を形成するために、文法規則に基づいて単語や語を配置することに困難さがあります。言語障害のある子どもが話す文章は、文法上の誤りを伴い、より短く単純であることが多く、特に過去時制が適切に使うことが難しい場合が多くなります。
こうした言葉や文法理解の困難さから、新しい単語や文章を記憶することにも困難さが生じます。例えば電話番号を覚えたり、買い物リストを覚えたりすることです。
3. 話法における障害
一つの話題や一連の出来事を順序をたてて説明・表現したり、会話をしたりすることに困難さがあります。
このような症状は、言語の理解と産出する能力に困難さがあるために起こります。専門用語では、言語の受容性の能力、表出性の能力と言います。言語の受容性の能力とは、言語によるコミュニケーション(主に音声による)の意味のあるものとして理解することを指し、言語の表出性の能力とは、声、身振り、言葉の合図などを生み出すことを指します。
言語障害は、言語がある程度発達し、個人差が少なくなってくる4歳以降で診断されることが多いです。幼稚園、保育園、小学校などに入ることで、さまざまなコミュニケーションの機会に触れる中で、他の子どもと比べてその困難さが際立つようになり、言語障害が明らかになる場合が多いと言えます。
言語障害と言語発達遅滞との違いは?
言語発達遅滞とは、言語障害があるかどうかによらず、言語の発達が年齢に想定されるよりも遅いという状況を指す言葉です。言語発達遅滞には2つのパターンがあります。
一つ目は、乳児期の時点では言葉が遅れていても、育ちの過程において、遅れが目立たなくなるような場合です。この場合は、「ただ言葉の習得が遅いだけ」、「育ちのスピードの個人差の範囲」と言えます。
もう一つは、発達や聴覚に障害のある可能性があり、その兆しとして言葉の遅れが生じる場合です。
言葉の発達の遅れは、発達の早期である乳幼児期において生じやすく、その子どもの育ちは個人差が大きいです。また性格や環境など様々な要因が関わっています。そのため乳幼児期に語彙が少なかったり、文や文章の組み立てが苦手であったりといった、言語発達遅滞状態にあっても、その子どもがただちに言語障害であるとは限りません。
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言語障害とその他の言語に関わる疾患の違い
しかし、言語障害以外でも、同じく「言語がうまく話せない」という症状が生じる疾患・障害は存在します。ここでは、上記で説明したスピーチチェーンのどこに問題が生じているかに触れながら、言語障害と、それ以外の言語に関わる障害・疾患の違いについて説明していきます。
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構音障害による言葉の困難さ
例えば、さかな”の発音が”たかな”になってしまうようにサ行やカ行がうまく発音できない場合です。これは、唇の断裂(口蓋裂)や、音を発声させる器官(構音器官)のまひなどによる機能的問題が原因となって言葉の困難さを引き起こしています。
構音障害は、精神科だけでなく耳鼻咽喉科や小児科の領域の疾患でもあります。そのため必ずしも精神科で診断がくだされるわけではありません。小児科、リハビリテーション科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、神経内科、形成外科、言語外来を設置している各科などでも診てもらうことができます。
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吃音による言葉の困難さ
例えば、”きんぎょ”を”き、ききんぎょ”と言葉を繰り返してしまったり、”き...んぎょ”など言葉が詰まってしまうなどです。このような言語に関する困難さを吃音といい、言語障害とは区別されます。
言語障害と発達障害の関連は?
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言語障害が気になる場合の相談先
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児童相談所
病院
言語障害のある子どもへの支援・治療法
言語聴覚療法(言語療法)
子どもの場合も、聞く、読む、話す、書くことという言葉全般の働きについて、その子どもの症状や課題に応じたトレーニングが行われます。また、子ども本人だけでなく、家族や生活環境にも焦点を当てたリハビリテーションが行われる場合もあります。
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ことばの教室
ことばの教室に通うことを希望している場合は、就学前に就学相談を行う必要があります。そこで、教育委員会や学校と相談をしながら、就学先としてことばの教室に通うかどうかを決定します。
また、すでに通常学級へ通っている場合でも、学校との相談の結果、必要に応じて通級指導教室に通ったり、特別支援学級に転籍することができる場合があります。
ことばの教室とは?どんな支援が受けられるの?通級、支援級の違いは?
まとめ
言語障害は、コミュニケーションの中でも、特に言葉の理解と産出がうまくいかないために起こる障害です。子どもの言語の発達に不安がある場合は、上記のような相談場所へ行ってみましょう。
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