言語障害とその他の言語に関わる疾患の違い

これまで説明してきた通り、『DSM-5』における言語障害は、言葉の理解と産出に困難さがあるため、言葉をうまく話すことができない障害として定義されています。

しかし、言語障害以外でも、同じく「言語がうまく話せない」という症状が生じる疾患・障害は存在します。ここでは、上記で説明したスピーチチェーンのどこに問題が生じているかに触れながら、言語障害と、それ以外の言語に関わる障害・疾患の違いについて説明していきます。

聴覚障害による言葉の困難さ

音が聞こえない、または音が聞こえにくいため、音声言語を正しく認識できず言葉に困難さが生じます。スピーチチェーンでは、第一段階目の「音響的レベル」に当たる、耳で音を拾う過程に困難さがある障害です。聴覚障害があるため言葉に困難さがある場合は、聴覚障害という診断になることがほとんどです。
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知的障害による言葉の困難さ

知的障害のある子どもの多くは、運動機能や言語発達に遅れがある場合があります。知的発達の遅れがベースとなって、言葉が遅れていたり、コミュニケーションに困難さがあったりする場合は、言語障害ではなく知的障害という診断が下ります。
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構音障害による言葉の困難さ

構音障害とは、声が鼻にかかったり、鼻に抜けてしまうため、発音が不鮮明になったり、間違った発音になってしまう症状を特徴とする障害です。スピーチチェーンの三段階目である「生理学的レベル」での困難さがある障害と言えます。

例えば、さかな”の発音が”たかな”になってしまうようにサ行やカ行がうまく発音できない場合です。これは、唇の断裂(口蓋裂)や、音を発声させる器官(構音器官)のまひなどによる機能的問題が原因となって言葉の困難さを引き起こしています。

構音障害は、精神科だけでなく耳鼻咽喉科や小児科の領域の疾患でもあります。そのため必ずしも精神科で診断がくだされるわけではありません。小児科、リハビリテーション科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、神経内科、形成外科、言語外来を設置している各科などでも診てもらうことができます。
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吃音による言葉の困難さ

吃音とは吃音などの話し言葉におけるリズム流暢でないために、言葉に詰まってしまったり、同じ音を繰り返してしまうことです。上の図では、三段階目の生理学的レベルに困難さがあります。そのため、吃音は精神科だけでなく耳鼻咽喉科や小児科、児童神経科の領域の疾患でもあります。

例えば、”きんぎょ”を”き、ききんぎょ”と言葉を繰り返してしまったり、”き...んぎょ”など言葉が詰まってしまうなどです。このような言語に関する困難さを吃音といい、言語障害とは区別されます。

言語障害と発達障害の関連は?

言語障害は、学習障害、ADHD(注意欠如・多動性障害)、自閉症スペクトラム障害などの発達障害との併存も珍しくないと言われています。発達障害について、詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
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言語障害が気になる場合の相談先

子育て支援センター

0歳から未就学児までの子育てに関する、不安や悩みがある親子に対する相談、援助を実施しています。子育て支援センターでは、病院と違い診断や治療を受けることはできませんが、相談・診察の状態によっては、医療機関を紹介してもらうこともあるようです。
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乳幼児健康診査(乳幼児健診)

乳幼児健診(1歳半健診や、3歳健診など)では、乳幼児の健康について診てもらうだけでなく、子育てに関する相談もすることができます。場合によっては臨床心理士さんなどに相談できるよい機会です。
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教育相談

教育相談とは、就学児(小学校入学以後の児童)の発達と教育にかかわる問題についての心理的・教育的援助です。教育相談センター・教育センターで行われる教育相談では、来所、電話、メール、さまざまな形での相談を受け付けています。
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児童相談所

児童相談所でも、幼児~高校生までの教育に関する相談を行うことができます。

病院

子どもの言語障害や言葉の遅れに関する診察や治療は、小児科や、神経科、小児神経科が主な受診先となります。
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