総務省・発達障害者支援実態調査まとめ③: 発達障害の専門的医療機関の確保について
ライター:【編集部厳選】最旬ニュース
総務省が発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告の実施を行いました。発達ナビでは「早期発見に関すること」「発見後の支援と引継ぎに関すること」「専門的医療機関の確保に関すること」の全3回に分けて詳しくお伝えします。
発達障害の専門的医療機関が不足している!?
2017年1月20日、総務省は、文部科学省と厚生労働省に対し、発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告を行いました。この調査は、保育所・学校現場を含む、都道府県・市町村における発達障害者支援の実態を初めて調査したものとなります。
これまでの記事では、①早期発見について、②発達障害発見後の支援と引継ぎについて、それぞれ総務省による調査の結果と勧告内容についてお伝えしてきました。
これまでの記事では、①早期発見について、②発達障害発見後の支援と引継ぎについて、それぞれ総務省による調査の結果と勧告内容についてお伝えしてきました。
総務省・発達障害者支援実態調査まとめ①: 早期発見はうまくいっているの?
総務省・発達障害者支援実態調査まとめ②: 発達障害発見後の支援と引継ぎについて
今回の記事では、発達障害の専門的医療機関の確保に関する調査・勧告内容についてご紹介します。
調査対象の18.5%で発達障害の専門的医療機関が確保出来ておらず
各都道府県において、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければいけないことは、発達障害者支援法に定められています。
「都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。 」
発達障害者支援法第19条(専門的な医療機関の確保等)
では実態はどうでしょうか。今回総務省が19都道府県及び8指定都市の計27団体に関して調査したところ、専門的医療機関を確保していたものは22団体(81.5%)で、残る5団体(18.5%)は確保できていなかったことが明らかになりました。
また、専門的医療機関を確保済みの22団体の管内に所在する専門的医療機関から、27機関を抽出し、発達障害に係る初診待機者数及び初診待機日数も調査しました。その結果、約4割の医療機関で初診待機者数が50人以上となっており、その中には最大316人が待機している例も存在しました。
加えてその初診待機日数は、半数以上の医療機関で3か月以上となっており、その中には最長で約10か月の例もみられるなど、専門的医療機関の更なる確保が必要な状況がみられたとのことです。
また、専門的医療機関を確保済みの22団体の管内に所在する専門的医療機関から、27機関を抽出し、発達障害に係る初診待機者数及び初診待機日数も調査しました。その結果、約4割の医療機関で初診待機者数が50人以上となっており、その中には最大316人が待機している例も存在しました。
加えてその初診待機日数は、半数以上の医療機関で3か月以上となっており、その中には最長で約10か月の例もみられるなど、専門的医療機関の更なる確保が必要な状況がみられたとのことです。
なぜ発達障害を診ることができる医者は少ないのか?
総務省の調査した医療機関の中からは、以下のような意見があがったとのことです。
①小児科医が発達障害を診断する場合、風邪等の診察と違って、幼児期の状況や成育歴などを聴き取る必要があり、手間と時間を要するため、診療報酬上のメリットを与えてほしい。
②発達障害児に対する精神科医による診察は、その特性上、1 人に対し1 時間から 2 時間費やすことが多く、30 分を大幅に超えるため、現行の「通院・在宅精神療法」の時間区分(30 分未満の場合は 3,300円、30分以上の場合は 4,000 円の 2区分のみ)のうち30分以上を細分化し、その時間区分に見合った診療報酬にしてほしい。
③発達障害児に対する小児科医の診察による診療報酬では、「小児特定疾患カウンセリング料」(月の1回目は5,000円、月の2回目は 4,000円)が算定可能であるが、発達障害という特性上、長期にわたり通院が必要であるにもかかわらず、2年を限度にしか算定できないことから、2年という期限を設けないようにしてほしい。
太字は引用者注
発達障害の専門医となるのは難しい上に、診療の旨味も少ないため、医師にとっても魅力を感じにくい領域なのかもしれません。
現役医師が語る、発達障害と医療の望ましい関係とは?―児童精神科医・吉川徹(1)
市町村によっては不安解消のため独自の取り組みを行っています
この度総務省が調査した都道府県及び指定都市の中には、初診待機者の不安解消を図るための取り組みを実施しているところもあったとのことです。
ひとつは市町村が医療機関と連携して小児科の診察優先枠を毎月1日設定し、保護者の了解のもと県職員も医療機関の診察に同席、医師、保護者及び県の三者で情報の共有を図っている事例です。
そしてもうひとつは、医療機関の受診前や療育前に、市町村の主催で臨床心理士等による親子小集団活動、保護者同士のグループワーク等を「にこにこ教室」として実施している事例です。医療機関の受診などを待っている保護者の不安感の解消が図られていることがメリットとして挙げられています。
ひとつは市町村が医療機関と連携して小児科の診察優先枠を毎月1日設定し、保護者の了解のもと県職員も医療機関の診察に同席、医師、保護者及び県の三者で情報の共有を図っている事例です。
そしてもうひとつは、医療機関の受診前や療育前に、市町村の主催で臨床心理士等による親子小集団活動、保護者同士のグループワーク等を「にこにこ教室」として実施している事例です。医療機関の受診などを待っている保護者の不安感の解消が図られていることがメリットとして挙げられています。
総務省は専門的医療機関の確保を勧告
こういった現状に対し、総務省は厚生労働省に対し、発達障害が疑われる児童生徒が専門的医療機関を早期に受診できるよう、専門的医療機関の確保のための一層の取組を行うことを勧告しました。また専門的医療機関の受診までの間、保護者の不安解消を図る取り組みを都道府県等に示し推進するようにも勧告しています。
以上、いかがだったでしょうか。発達障害者支援者法は施行されてからまだ10年と少し。発達ナビではこれからも国の取り組みと状況についてお伝えしていく予定です。
以上、いかがだったでしょうか。発達障害者支援者法は施行されてからまだ10年と少し。発達ナビではこれからも国の取り組みと状況についてお伝えしていく予定です。
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