娘の不登校を受け入れる決意から6年。今でも周囲の言葉に心は揺らぐ

ライター:ヨーコ
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娘が不登校になってから6年。不登校の親としては中堅の域に入ってきて、どのように対応するかなど考えはすっかり固まったつもりでいました。だけど、周りからの声に惑わされて大事なことを見失いそうになることもあります。そんな揺れる親の気持ちを綴ってみました。

やっと固まった、娘の不登校と向き合う決意

不登校の子どもや、障害のある子どもを育てていると、世間一般的な子育てをするだけではうまくいかず、悩んだり、選択を迫られたりする場面が多いと思います。自分の子育てに対する考え方を問われるようなこともあるかもしれません。

私の娘は小2で不登校になり、小4でアスペルガー症候群と診断されました。
娘を育てていく中では、「学校とどうやって付き合うか?」「勉強はどうするか?」「昼夜逆転、パソコン・ゲーム漬けをどうするか?」「発達障害の療育はしなくていいのか?」など悩むことばかりでした。

問題とぶつかるたびに、主治医と相談したり、本やブログを読み漁ったり、相談機関にかかったり、親の会で話を聞いてもらったりと必死で手掛かりを求めました。ときには失敗して娘も自分も傷つきましたが、だんだんと「私はこういう考えで娘を育てていく」という気持ちが固まっていきました。

私の考え方は、「学校も勉強も無理しなくていい。昼夜逆転でもいい。娘の心が元気であることを第一にして本人を信じて、任せて、待つ」です。発達障害については発達障害者相談センターで「今のままの育て方で問題ありませんよ」と言われたので、特別なことはしないでおこうと決めました。

こうやって自分なりの考え方をしっかり持っていれば、迷わず娘を育てて行けると思っていました。
しかしそれでも、周りの声や世間の常識、自分のなかに巣食っている価値観に、何度も迷い自分を見失いそうになったのです。

そんなときにどうやって対処してきたのか、私の経験を書きたいと思います。
子どもの成長に涙…!不登校の娘のつぶやきに見る、嬉しい変化のタイトル画像

子どもの成長に涙…!不登校の娘のつぶやきに見る、嬉しい変化

私の育児は間違っているの…?周りの声に気持ちは揺れ動く

私が仕事をしていたときのことです。

お昼休みはどうしても職場の人と話す機会が多いですよね。そこで子どもの話になったとき、私は嘘をつきとおすのも疲れるので「娘は学校に行ってないんですよ」と正直に話すわけです。

すると、年上の先輩お母さんには、「のんきなお母ちゃんやねぇ」と言われ、高卒すぐの子には「学校だけは行っといた方がいいですよ」と言われ…

周りからの言葉に、「私は怠慢なのかなぁ、もっと娘にとっていい方法を探さなくてはいけないのかなぁ」と心がかき乱されて、どっと疲れてしまったのです。

そして、突然焦って塾を探したり、居場所を探したり、福祉サービスを探してみたりと、すっかり自分を見失ってしまいました。

そのときだけではありません。

例えばブログなどで、「不登校だったけど親がしっかり支えて学校に通えるようになった話」を読んだときや、新聞で引きこもりの記事を読んだとき。

私の中の「子どもは学校へ行って就職して独立して一人前。それは親の義務。」という刷り込まれた価値観がムクムクと顔を出し、「本当に子どもに任せていて大丈夫なの?」「このまま引きこもりになったらどうするの?」と不安でいっぱいになってしまいます。

そして「うちの子は簡単な計算もできないし、雑談もうまくできないし、家の中で好きにさせていたら本人のためにならないんじゃないのかな…。私が何もしないのは努力不足なのかな?」と自信がなくなってしまうのです。

大事なことを思い出させてくれたのは、同じ悩みを持つ仲間たちだった

そんな私に大事なことを思い出させてくれたのが不登校の親の会の仲間たちでした。

「娘さんにはね、今は『世界は安心なところだ』ということを確認してもらうのが先ですよ。この前、編み物カフェにいったでしょ?それだけでもすごいことなんだから、できたねって一緒に喜んだらいいんです。無理に新しいことをしなくていい。」
 
「娘さんは『ちゃんとやらなければいけない』と思い込んで、外に出られない状態なんだと思います。何かできた、気持ちよく体を動かせたとかいう『今はこれが気持ちいい』という体験を積み重ねていくことが大切なんですよ。」

「勉強はいつでもできます。全然あせらなくていいんですよ。」

そう言われて目が覚めました。私は何を焦っていたのだろうって。

もう少しで、一番大切なことを見失ってしまうところでした。
次ページ「私たち親子にとって、いちばん大事なことは何だろう」

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