ADHDな6歳の息子、視覚優位を生かした学習法でこんなに変わった!

ライター:GreenDays
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絵本をたっぷり用意して図書館通いもしているのに、猛スピードでページをめくるだけで本の内容を楽しめない息子。どうすれば知識を増やし、息子の世界を広げることができるのでしょうか?

言語優位な娘と私、視覚優位な息子

幼い頃から息をするように本を読み、水を得た魚のようにどんどんと新しい知識を吸収していくアスペルガー症候群の娘は、いわゆる言語優位タイプです。私も同じタイプだったので、子ども向けの本にかけるお金は惜しまず、他の出費を削って絵本や児童小説を増やしてきました。図書館にも毎週のように通いました。

後から生まれた息子も、本に囲まれて暮らし、家族が本を読む姿を見たり、読み聞かせをしていれば、本好きな子になるだろうと思ってました。

ところが、息子の場合そう上手くは行かなかったのです。

絵本は猛スピードでめくって終了!
読み聞かせをすると、絵の細かい部分が気になってしつこく同じ質問を繰り返します。また、お話を読んでいる最中に強引にページをめくって破いてしまったりすることが続き…お互いストレスを感じて次第に読み聞かせの機会が減っていきました。

しかしその後、息子に自閉症スペクトラム及びADHDの診断が下りてこんなことが分かりました。

・耳から入ってくる情報に弱く、目からの情報の方が取り入れやすいこと
・見通しが立たないと不安になること
・常に新しい刺激を求める傾向にあること

どうやら娘や私とは、脳の構造が違う。知識を得る方法も表現する方法も違うようなのです。

どうすればそんな息子の「〇〇ってこういうことだったんだね!」という笑顔がたくさん見られるんだろうか。私は悩みながらも、絵本以外に息子が興味を持つ学び方を探ることにしました。
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知ってよかった!頭の良さや覚え方に関係する「認知特性」の話

見通しが立たないと不安になる息子に、時計の読み方を教えたい!さて、その方法は…

診断が下りたときに知った「見通しが立たないと不安になる」という特性通り、息子は幼い頃から何をしていても「もうすぐ終わる?」「ねえ、もう終わり?」と問い続けてきました。家族だけでいる間は良かったのですが、幼稚園や習いごとに通い始めると息子の不安はどんどん増し、先生や周囲の人に何度も「終わりの確認」をするようになりました。

そこで息子がまだ4歳のころ、少し早いかな?と思ったのですが、時計の読み方を教え、終了時刻を書いたカードを息子に持たせて、自分で「もうすぐ終わるかな?」の確認ができるようにしようと思ったのです。

そこで私は、時計を覚えるために息子に合った学習法は何なのかをいろいろ試してみました。

ドリルを買ってみたり、九九の5の段だけを歌で一緒に覚えたり、自作のプリントを作ってみたり…

色々試してみましたが、その中で息子がいちばん良い反応を示したのが、DVD教材だったのです。
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こちらはにっく映像株式会社が出している「おぼえちゃおう!とけい・数えかた」という学習DVDです。
これを購入して息子に観せてみると、時計への興味が一気に増して、DVDの音声に合わせて時刻を言うようになりました。

そして、DVDの最後で紹介されている他のDVDの内容を観て、「次は『せかいちず』を見てみたい!」「次は『かんじの部首』っていうのが欲しい」と言うのです。

自分から進んで「ああしたい、こうしたい」と言うことの少ない子でしたから、とても驚きました。
そうして、買ってきたDVDは何度も何度も飽きることなく繰り返し見続け、内容をすっかり覚えてしまうのでした。

文字から情報を得るタイプの私は「こういう学び方もあるんだ!」と、とても新鮮な気持ちで息子を眺めていました。

春から小学生になる今でも、息子はこのシリーズが好きでよく観ています。内容も多岐にわたっているので、小学4年生になる娘も一緒に観て楽しんでいます。

DVD以外で、息子に合った方法はなんだろう?

さて、映像学習がとても良いということに気がついたものの、販売されているDVDには限りがあります。

どうしたものかと悩んでいた矢先のこと、息子がたまたま本棚から手に取った本を読んで、声をあげて笑い始めたのです。
それは、ドラえもんの学習シリーズ漫画でした。

絵本はあんなに猛スピードでページをめくっているだけだったのに、どうしてマンガは楽しめるんだろう?と不思議に思い、息子を観察してみました。

すると、息子はいったん開いたページの絵を全部ざっと眺めてから、吹き出しの文字を読んでいることに気がつきました。

おそらく、

・先にストーリーの展開をざっと確認することで見通しが立ち、「どうなるんだろう?」という不安が払しょくされる
・絵本と違って1ページにたくさんの絵があることで、常に新しい刺激を求める衝動が満たされる
・吹き出しに書かれた短い言葉を読むだけで内容が理解できるのでストレスを感じにくい

という点で、視覚優位&ADHDの息子にとっては楽しく読み進めることができたのだと思います。

それから、息子はドラえもんの学習シリーズをむさぼるように読み始めました。

初めはおもしろいストーリーを楽しんでいたようですが、最近では、「ママ、敬語ってこんな風に使うんでしょ?」「ママ、これは英語で〇〇っていうんだよね~!」とそこで得た知識をお披露目してくれるようになりました。最近では普通の絵本にも手を伸ばすようになっています。

いったん猛スピードですべてのページをめくって絵を確認する行為は変わりませんが、その後、始めに戻って文字を読んで内容を把握するようになりました。学習マンガで「読む楽しさ」に触れた息子は、絵本も自分なりに楽しめるようになってきたのです。
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