仮病じゃないの?子どもの体調不良の訴え、親はどう捉えるべきか

ライター:ヨーコ
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繊細な気質の娘は、保育所に通っていたころから「お腹痛い」「心臓痛い」「死んだらどうしよう」と訴えてくる子どもでした。慣れてしまったら「またか」と聞き流してしまうことあるかもしれませんが、それは子どもの精一杯のSOSなのです。

「お腹が痛い」「頭が痛い」子どもの訴え、あなたは信じる?

学校に行けない子どもたちがよく訴えることがあります。

「お腹が痛い」「頭が痛い」「しんどい」・・・

初めのころはそう言う子どもを心配していても、ずっと続くと「学校に行きたくないから仮病を使ってるんだ」、「やりたくないことがあるとすぐそう言う」と聞く耳を持たなくなってしまうことってありませんか?

実は私も娘がひんぱんにそう言って学校を休むようになったとき、小児科の先生に「仮病じゃないんですか?」と聞いたことがあります。

でも先生は「喉を見ると本当に風邪をひいた形跡がありますよ」と娘の訴えを否定せず、風邪の薬を出してきました。

「先生が本当だというんだからそうなのかな」としぶしぶ納得していたのですが、これは娘からの身体を張ったSOSだったということが後にわかったのです。

小さなころから神経質だった娘。時にはこんなことも言いだして…

娘は赤ちゃんの頃から神経質な子でした。ちょっとした物音や気配でも目を覚まし、ミルクもほんの少ししか飲まずに2時間ごとくらいに泣き…離乳食もなかなか食べてくれずに苦労したものです。

3歳になったばかりの頃は、初めて保育園でしたおむつ外しに失敗しておもらしをしてしまいました。先生が「大変、大変」と拭いて回っただけで大ショックを受け、それから1週間家でも保育園でもおまるから離れず、ひきはがすとパニックを起こしたり。

他にも娘は、先生が他の子を叱っただけで自分まで顔面蒼白になり、固まってしまいます。先生からは「この子はガラスの心の持ち主ですね。」と言われたほどです。

そんな娘は保育園でも泣いてばかりいたらしく、「ママ、みんなりさのこと泣き虫って言うねん」と言ってはまた泣いていました。

その頃くらいから「ママ、お腹痛い」「心臓が痛い」「りさ、死んじゃうの?」とよく訴えてくるように。

最初はうろたえて小児科に連れて行っては検査を受けていたのですが、心電図は異常なし。胃腸は胃腸炎をおこしていることもたびたびありましたが、どうもそれだけとは思えませんでした。

「どうしてそんなことばかり言うのだろう」、いつもつらい訴えを聞かされる私は参ってきていたのです。

娘への見方が変わった、看護師さんのある言葉

娘が通っていた保育所には保健室があり、ベテランの看護師さんが勤務していました。

保育所には自閉症のお姉さんと一緒に子どものお迎えに来るお母さんがいたのですが、その看護師さんは一言も発しないその子にいつも「今日も会えたね」って満面の笑顔でハグしていたのです。その様子を見て「この人なら相談にのってくれるかもしれない」と思った私は、ある日思い切って一人で保健室に相談に行きました。

「娘がしょっちゅうお腹が痛いとか心臓が痛いとか言うんですけど、なんだか納得できないっていうか…、どう接したらいいのかわからないんです。」

そう相談した私に先生は言いました。

「お母さん、りさちゃんが『痛い』といったときは本当に痛いんです。たとえ身体に病気がなかったとしてもです。

『痛いんやねぇ。しんどいねぇ。』と共感してあげて、痛いところをやさしくなでてあげてください。それだけでずいぶん楽になるはずですよ」

「病気じゃなくても本当に痛い」看護師さんのこの言葉は、私の目を覚まさせてくれた言葉でした。
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