二分脊椎とは?どんな原因・症状なの?葉酸で予防できる?遺伝との関連は?
ライター:発達障害のキホン
二分脊椎とは、赤ちゃんの脊髄の形成に異常が発生することによって生じる先天性の障害のことです。障害の程度によっては生涯にわたってのケアが必要となることもあります。二分脊椎の原因、症状、治療方法、そして予防法について詳しく解説します。
二分脊椎ってなに?
二分脊椎(にぶんせきつい)とは、脊髄の形成に異常が生じ、背骨の中にあるべき脊髄が骨の外にあるために、脊髄髄膜瘤や脊髄披裂、排便障害、下肢の運動・神経障害などさまざまな症状が引き起こされる状態を指します。脊髄は、背骨の中にある神経系にとって重要な役割を持つ器官です。
現在日本で二分脊椎の赤ちゃんは、年間500名から600名が出生しているとみられています。また、日本産婦人科医会外表奇形調査によると二分脊椎の平均発生率は近年上昇傾向にあり、2008-12年の分娩1万件に対して5.7件となっています。
現在日本で二分脊椎の赤ちゃんは、年間500名から600名が出生しているとみられています。また、日本産婦人科医会外表奇形調査によると二分脊椎の平均発生率は近年上昇傾向にあり、2008-12年の分娩1万件に対して5.7件となっています。
二分脊椎はなぜおこるの?遺伝との関連は?
二分脊椎は、妊娠初期に胎児の「神経管」と呼ばれる中枢神経のもとになる部分に異常が発生することによって起こります。異常が発生する部分によって二分脊椎や無脳症などの神経管閉鎖障害が引き起こされるのです。
異常の原因は、妊娠した女性の葉酸の摂取量不足、遺伝や環境、糖尿病や肥満、抗てんかん薬の利用、ビタミンAの過剰摂取など、さまざまな要素があるとされています。
遺伝の面では、患者の10~20%で遺伝することがわかっており、3等親以内に二分脊椎の人がいる女性はリスクが高い可能性があると言われています。また、過去に二分脊椎の赤ちゃんを妊娠した女性は、次の妊娠で二分脊椎の赤ちゃんを妊娠する可能性が一般の女性に比べて3~5倍高くなることがわかっています。
遺伝の面では、患者の10~20%で遺伝することがわかっており、3等親以内に二分脊椎の人がいる女性はリスクが高い可能性があると言われています。また、過去に二分脊椎の赤ちゃんを妊娠した女性は、次の妊娠で二分脊椎の赤ちゃんを妊娠する可能性が一般の女性に比べて3~5倍高くなることがわかっています。
ただし、遺伝がすべてではありません。二分脊椎は栄養因子、遺伝因子、環境因子などが複雑に関与して発生します。
さまざまな原因がある中で、最大のリスク因子は葉酸の摂取不足であると言われています。この葉酸については、後の章で詳しく解説します。遺伝や抗てんかん薬の服用などの、二分脊椎を発生しやすいリスクがある場合でも、医師が高容量の葉酸を処方し、二分脊椎のリスクを減らすことも行われます。
さまざまな原因がある中で、最大のリスク因子は葉酸の摂取不足であると言われています。この葉酸については、後の章で詳しく解説します。遺伝や抗てんかん薬の服用などの、二分脊椎を発生しやすいリスクがある場合でも、医師が高容量の葉酸を処方し、二分脊椎のリスクを減らすことも行われます。
二分脊椎には2つのタイプがある?「顕在性二分脊椎」と「潜在性二分脊椎」とは
二分脊椎には、その状態によって2つのタイプに分類されます。1つは脊椎の異常が表面から見えるタイプの 「顕在性二分脊椎」です。
開放性二分脊椎とも呼ばれるこのタイプでは背中に脊髄髄膜瘤や脊髄披裂などを生じます。これらは次の章で解説します。顕在性二分脊椎は難病指定の対象になっており、出生直後から手術などの処置が必要になります。
もう1つは脊椎の異常が表面から見えないタイプで「潜在性二分脊椎」と呼ばれます。潜在性二分脊椎は幼児期にはあまり症状が見られませんが、成長期にさまざまな症状が発生します。顕在性二分脊椎と違いこの潜在性二分脊椎は難病指定の対象にはなっていません。
開放性二分脊椎とも呼ばれるこのタイプでは背中に脊髄髄膜瘤や脊髄披裂などを生じます。これらは次の章で解説します。顕在性二分脊椎は難病指定の対象になっており、出生直後から手術などの処置が必要になります。
もう1つは脊椎の異常が表面から見えないタイプで「潜在性二分脊椎」と呼ばれます。潜在性二分脊椎は幼児期にはあまり症状が見られませんが、成長期にさまざまな症状が発生します。顕在性二分脊椎と違いこの潜在性二分脊椎は難病指定の対象にはなっていません。