大音量は苦手…でも映画館に行きたい!凸凹姉弟、挑戦の行方は?

ライター:GreenDays
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発達障害を抱える子どもにとって「映画館へ映画を観に行く」というのも、実はとてもハードルが高いことだったりするのです。

発達障害の娘と息子にとって、映画館は恐怖の館!?

わが家には自閉症スペクトラムと診断された9歳の娘と6歳の息子がいます。

まだ発達障害の疑いすら持っていなかった頃、娘の幼稚園のお友達に誘われて「シュガーラッシュ」という映画を観に行ったことがありました。

初めての映画館でしたが、子ども向けの映画だし、お友達も一緒だからきっと楽しめるだろうなぁと軽い気持ちで出かけたのですが…

結果は大惨敗!

我が家の子どもたちは、まず映画が始まる前のCMの大音量で固まってしまいます。その間に本編が始まり、暗闇に恐怖を感じたかと思うと、今度はめくるめく色と音の洪水に翻弄されます。

全身ガチガチに力が入った状態で何とか座席に座り続けたものの、子どもたちは映画が終わると同時に私にしがみつき、静かに泣いていました。

それ以来、子どもたちにとって映画館というのは「恐怖の館」でしかありません。時々お友達に「観に行かない?」と誘ってもらっても、首を横に振って黙り込むばかりでした。

しかし、映画を観ること自体が嫌いなわけではないのです。家でDVDを借りて来て、安心して過ごせる家で部屋を明るくし、いろんな映画を観て過ごしてきました。

映画館であれほど泣いていた「シュガーラッシュ」も、今ではDVDを購入して何度も観るほどお気に入りの映画となっています。

「子どもが大きくなったら、一緒に映画館で映画を観たいなぁ」と漠然とした夢を持っていた私ですが、別に映画館に行けなくても、家で楽しめれば十分だと思っていたのですが...

どうしても映画館に行きたい!子どもたちが自分で乗り越えると決めた壁

この春、『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』という映画が公開されました。

我が家の子どもたちはドラえもんが大好き。それでも昨年公開された『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』は、映画館への恐怖に打ち勝つことが出来ませんでした。DVDが発売されるのを待ちに待って、家で何度も何度も繰り返し鑑賞したのです。

しかし今年は、「DVDが発売される秋まで待てる気がしない!映画館に観に行きたい!」と頻繁に言うようになりました。

これは大きな成長の証。

映画館で映画を楽しむために払う犠牲が大きすぎることは、子どもたち自身もよく分かっています。その上で、どうしても行ってみたい!という気持ちが湧いてきたお陰で、苦手なことに挑戦するチャンスがやって来たのです。

さらにこれは、親の方から「頑張ってみなさい」と声掛けをされたのではなく、子どもたちが自ら挑戦すると決めたことです。強いストレスを感じると出やすくなる娘のチック症状にも変化はなく、自分から進んであれこれ対策を練って楽しみにしています。

子どもたちが考えた対策は以下の3つです。

・ 大きな音が出ると覚悟しておく
・ 光が眩しい時は目を閉じて音だけ聞く
・ 暗くなっても怖い人は絶対に来ないと念じる

これに加えて私から、

・怖い!危ない!もうダメ!と思っても、『きっとハッピーエンドだから大丈夫』って自分に言い聞かせよう
・怖くなったらいつでもママの手を握っていい
・席を立ちたくなったら、いつでも一緒に退席する

ということも伝えました。

こんな準備を進めながら、とうとう映画を見に行く日がやってきました。どちらか1人が退席する可能性を考慮して、主人にも一緒に来てもらいます。

準備は万端、いざ家族で映画館へ!その結果は…

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11044014960
ただでさえ人混みが苦手な子どもたち。負担を少しでも軽くするために、春休みに入る前の平日に映画鑑賞に出かけると、とても空いていて座席も選び放題でした。

発達障害があるお子さまの映画デビューを考えていらっしゃる方の中で、幼稚園や小学校を休むことにあまり抵抗のない方は、長期休暇中ではない平日の朝かお昼(お子さまが疲れていらっしゃらない時間帯)にチャレンジされても良いかも知れませんね。

前後のお客様から離れた席を選択すれば、盛り上がったところで少し声を上げてしまったりしても、映画の大音響にかき消されます。あまり迷惑にはならないはずですし、退席もしやすいと思います。

緊張と不安と喜びで始まる前からテンションがおかしかった子どもたち。さて、最後まで映画を見られるのでしょうか…?

鑑賞中、息子はずっと私の手をすごい力で握り締めていました。

娘もずっと張りつめていたのでしょう。誰かのセリフだけが劇場の左右からドーンと聞こえてくる演出があるのですが、驚いてびくりと肩を震わせ、緊張の糸が切れたように私にもたれかかっていました。

ストーリー自体はとても楽しめたようです。ただ覚悟はしていたとはいえ、やはり心身に及ぼされる影響は強かったように見えました。二人ともぐったりとして機嫌が悪くなり、私とも目を合わせずに下を向いて歩き、自分の殻に閉じこもっしまいました。

実は夕方から習い事の予定があったのですが、とても出掛けて行けるような状態ではなく、お休みすることにしました。
次ページ「子どもたちが、自分自身の成長を振り返るいい機会に」

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