並べ替えずにいられない!「色」へのこだわりが強いアスペルガーの娘が、折り合いを身につけたきっかけは?
ライター:GreenDays
他人には理解しがたいような「こだわり」を持ったお子様がいらっしゃる方も多いと思います。わが家のアスペルガーの娘のこだわりの一つは「色」に関するものです。時にはそのこだわりが人に迷惑をかけてしまうことも・・・
思い通りの色順でないと、気持ち悪いと感じる娘。
発達障害のあるお子さんの中には、“どうしてコレに!?”と思ってしまうほど、特定の物事に夢中になってしまうタイプの方がいます。
アスペルガー症候群のある我が家の娘は、幼い頃に「色」に強い興味を示して以来、娘なりのこだわりがたくさんあります。それは小学4年生になった今でも変わることはありません。
複数の色があるものは、思い通りに並んでいなければ気持ちが悪く、イライラと落ち着かなくなります。学校に通っていた頃は、休み時間に率先してお友達の色鉛筆を削らせてもらい、その代わりとして自分の思う通りの色順に並べさせてもらっていたそうです。
また、お店の筆記用具コーナーに行くと、試し書きの後できちんと元の場所に戻されていないペンが気になり、すべてのペンをきちんと色別に分け終わるまで、その場を離れることができません。商品の陳列の仕方にも不服があるようで、「どうしてこんな色の順番にしちゃうんだろう!?」とプンスカしていることがよくあります。
発達障害と診断されるまでは、度を越した興味の持ち方は一過性のものだと思っていましたが、どうやらこれはれっきとした娘の一部分であり、おそらく生涯持ち続けるこだわりではないかと思うのです。
それならば、自分のこだわりから外れているものを攻撃することなく、上手く自分の心を満たしながら付き合っていくことができれば、本人にとっても周囲の人たちにとっても良い結果が生まれるのではないかと考えるようになりました。
アスペルガー症候群のある我が家の娘は、幼い頃に「色」に強い興味を示して以来、娘なりのこだわりがたくさんあります。それは小学4年生になった今でも変わることはありません。
複数の色があるものは、思い通りに並んでいなければ気持ちが悪く、イライラと落ち着かなくなります。学校に通っていた頃は、休み時間に率先してお友達の色鉛筆を削らせてもらい、その代わりとして自分の思う通りの色順に並べさせてもらっていたそうです。
また、お店の筆記用具コーナーに行くと、試し書きの後できちんと元の場所に戻されていないペンが気になり、すべてのペンをきちんと色別に分け終わるまで、その場を離れることができません。商品の陳列の仕方にも不服があるようで、「どうしてこんな色の順番にしちゃうんだろう!?」とプンスカしていることがよくあります。
発達障害と診断されるまでは、度を越した興味の持ち方は一過性のものだと思っていましたが、どうやらこれはれっきとした娘の一部分であり、おそらく生涯持ち続けるこだわりではないかと思うのです。
それならば、自分のこだわりから外れているものを攻撃することなく、上手く自分の心を満たしながら付き合っていくことができれば、本人にとっても周囲の人たちにとっても良い結果が生まれるのではないかと考えるようになりました。
他人に迷惑をかけずに「こだわり」を楽しむために
そこで「お店の商品や他人の持ち物を自分好みの色順に並べ替えたい!」という衝動を抑えられるようになる方法を考えてみました。衝動が湧き上がってくること自体を抑えることはできませんが、
①自他の境界をはっきりさせておく
②家で存分に並べ替えが出来る環境を整えておく
これくらいは、私にもできそうです。
①自他の境界をはっきりさせておく
②家で存分に並べ替えが出来る環境を整えておく
これくらいは、私にもできそうです。
自他の境界をはっきりさせておく
まず、自他の境界をはっきりさせることに関しては次のように話しました。
「あなたにこだわりがあるように、他の人にも気に入った並べ方があるかも知れない」
「他人に自分のモノを触られるのが嫌いな人もいるし、勝手に触れるのはマナー違反」
「家族や親戚など近しい人でこだわりを理解してくれる人に関しては、了承を得て並べ替えさせてもらっても良い」
「お店の商品はその店の方針や戦略があるので絶対に並べ替えてはいけない」
こうして、自分が手を加えていい領域と、手を加えていけない領域があることをしっかり意識できるようにしました。
現実には、他人の領域に手を出してしまうようなことであっても、「まだ小さいから仕方がないね」と許していただくことも多くあります。ですが、それでOKなんだと本人が勘違いしてしまうと、発達障害を抱える子どもたちは、後からその認識を修正をするのが大変なのです。
トラブルが起こってからではなく、起こる前に線引きをしておけば、心地よいコミュニケーションをとるためのポイントが冷静に確認できるので、とても大切な作業だと思います。
「あなたにこだわりがあるように、他の人にも気に入った並べ方があるかも知れない」
「他人に自分のモノを触られるのが嫌いな人もいるし、勝手に触れるのはマナー違反」
「家族や親戚など近しい人でこだわりを理解してくれる人に関しては、了承を得て並べ替えさせてもらっても良い」
「お店の商品はその店の方針や戦略があるので絶対に並べ替えてはいけない」
こうして、自分が手を加えていい領域と、手を加えていけない領域があることをしっかり意識できるようにしました。
現実には、他人の領域に手を出してしまうようなことであっても、「まだ小さいから仕方がないね」と許していただくことも多くあります。ですが、それでOKなんだと本人が勘違いしてしまうと、発達障害を抱える子どもたちは、後からその認識を修正をするのが大変なのです。
トラブルが起こってからではなく、起こる前に線引きをしておけば、心地よいコミュニケーションをとるためのポイントが冷静に確認できるので、とても大切な作業だと思います。
家で存分に並べ替えが出来る環境を整えておく
さて、次に「普段から並べ替えたいという欲を満たしておく」というのも衝動を抑えるためには必要なことだと考えました。めったに出会えない並べ替えのチャンスだったら絶対に逃したくないと思うかもしれませんが、「家に帰れば自由に並べ替えができる」と自分に言い聞かせることで、我慢できる確率も上がってくると思うのです。
そこで、60色入の色鉛筆を用意してみました。
30本のトレーが2段になった色鉛筆は、眺めているだけでも幸せな気分になるそうです。その色鉛筆を「ああでもない」「こうでもない」と試行錯誤を繰り返して思い通りに並べ替えられたときの娘は、本当に満足そうです。
存分に並べ替えを堪能した後は、娘と一緒に塗り絵をして、わざと別の場所に色鉛筆を戻しておきます。塗り絵が終わる頃にはまた色鉛筆の並び順はバラバラになり、大好物の並べ替えを一から楽しむことができるのです。
そこで、60色入の色鉛筆を用意してみました。
30本のトレーが2段になった色鉛筆は、眺めているだけでも幸せな気分になるそうです。その色鉛筆を「ああでもない」「こうでもない」と試行錯誤を繰り返して思い通りに並べ替えられたときの娘は、本当に満足そうです。
存分に並べ替えを堪能した後は、娘と一緒に塗り絵をして、わざと別の場所に色鉛筆を戻しておきます。塗り絵が終わる頃にはまた色鉛筆の並び順はバラバラになり、大好物の並べ替えを一から楽しむことができるのです。
将来を見据えて訓練することも大切だけど...
娘の色に関するこだわりは私が声をかければ不機嫌になりながらも抑えられる程度のものですので、このような方法が有効でした。
「タオルを手放せない」など精神的安定を求めるタイプのこだわりに関しては、無理に矯正をすると不安定になってしまうと思いますので、お子さまの様子をしっかりと観察しながらこだわりとの付き合い方を考えてみてくださいね。
発達障害を抱える子どもを育てていると、つい将来のことを考えて「自分で何でもできるようにしていかなければ」「辛いことも乗り越えて力をつけなければ」「苦手なことを減らしていかなければ」と焦ってしまうことも多いともいます。
私も、時々どうしようもない不安に襲われて、「こんなことで子どもは生きて行けないのでは」と子どもに成果を出すことを求めてしまうことがあります。もちろん、親の目が届かなくなったときのこと、社会に出てからのこと、親がいなくなった後のことを考えて、丁寧に子育てをしていくことは大切です。
しかし、親がそればかりを求めすぎてしまうと、子どもはいくら頑張っても新しい課題を与えられて、疲弊してしまいます。
なかなか難しいとは思いますが、毎日の暮らしの中で、お子さまが強い興味を持っていることを一緒に楽しんでみたり、より深くその世界を知ることで、少しずつ世界を広げていく時間を持てるといいですね。
娘は色好きが高じて、色事典を写して語彙を増やしたり、聞きなれない色名が出てくる俳句に興味を持ったり、いろんな色の糸が大量に並んでいる織物教室に足を運んだりと、少しずつ世界が広がってきています。
興味が限定されてしまうという特性を持つアスペルガー症候群。一つのこだわりを足掛かりに新しい世界を知ることで「好き」が増えれば、共通の話題を分かち合える人とめぐり会うチャンスも増えます。
案外、そんなところから人間関係が広がっていったり、楽しいコミュニケーションが取れるきっかけが転がっているかもしれませんね。
「タオルを手放せない」など精神的安定を求めるタイプのこだわりに関しては、無理に矯正をすると不安定になってしまうと思いますので、お子さまの様子をしっかりと観察しながらこだわりとの付き合い方を考えてみてくださいね。
発達障害を抱える子どもを育てていると、つい将来のことを考えて「自分で何でもできるようにしていかなければ」「辛いことも乗り越えて力をつけなければ」「苦手なことを減らしていかなければ」と焦ってしまうことも多いともいます。
私も、時々どうしようもない不安に襲われて、「こんなことで子どもは生きて行けないのでは」と子どもに成果を出すことを求めてしまうことがあります。もちろん、親の目が届かなくなったときのこと、社会に出てからのこと、親がいなくなった後のことを考えて、丁寧に子育てをしていくことは大切です。
しかし、親がそればかりを求めすぎてしまうと、子どもはいくら頑張っても新しい課題を与えられて、疲弊してしまいます。
なかなか難しいとは思いますが、毎日の暮らしの中で、お子さまが強い興味を持っていることを一緒に楽しんでみたり、より深くその世界を知ることで、少しずつ世界を広げていく時間を持てるといいですね。
娘は色好きが高じて、色事典を写して語彙を増やしたり、聞きなれない色名が出てくる俳句に興味を持ったり、いろんな色の糸が大量に並んでいる織物教室に足を運んだりと、少しずつ世界が広がってきています。
興味が限定されてしまうという特性を持つアスペルガー症候群。一つのこだわりを足掛かりに新しい世界を知ることで「好き」が増えれば、共通の話題を分かち合える人とめぐり会うチャンスも増えます。
案外、そんなところから人間関係が広がっていったり、楽しいコミュニケーションが取れるきっかけが転がっているかもしれませんね。
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