RDI(対人関係発達指導法)とは?効果や具体的な療育法、他の療育方法との比較などご紹介します

ライター:発達障害のキホン
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RDI(対人関係発達指導法)という療育方法をご存じですか?RDIとは、自閉症児をはじめ、対人関係において生きづらさを抱える子どもと、その家族のための療育方法です。新しい療育方法のため「知りたいけどなかなか情報が手に入らない」とお困りの方も多いのではないでしょうか。この記事では療育方法の説明や他の療育方法との違いについてご紹介します。

目次

RDI(対人関係発達指導法)とは

「RDI(対人関係発達指導法)」とは、英語のRelationship Development Interventionの略で、自閉症児の社会的活動をサポートするための療育方法です。

RDIの目的は、家族へのコンサルティングを通して、子どもが非言語コミュニケーションを活用した対人関係を構築することのサポートをすることです。非言語コミュニケーションとは態度や表情など、言葉以外を使ったコミュニケーションのことを言います。

RDIは1996年、アメリカの臨床心理学博士スティーブン・E・ガットステインが自閉症スペクトラム障害の療育方法として提唱しました。

それまでの自閉症スペクトラムの療育方法では治療対象になっていなかった、社会性に焦点を当てた療育方法です。さらに、RDIの特徴として以下の2点が挙げられます。

・困難を抱える子どもだけではなく、その家族を療育の対象としていること
・療育にインターネット上のラーニングシステムや、ビデオ通話を使ったりすること

RDIのラーニングシステムは、アメリカ・ヒューストンにある「RDI Connections center」というRDIの公式機関が定めているものであり、自閉症ではない子どもとその家族の行動をモデルにしています。支援を受ける家族はRDI認定のコンサルタントのガイドに従って、段階的に実践を進めていきます。

「RDI認定コンサルタント」とは、アメリカにあるConnections Centerで公式認定をされたコンサルタントのことを言います。公式認定を受けるためには、Connections Centerで研修を受けた後、スーパーバイズを受けながらの臨床試験を1~1.5年ほどをかけてのRDIの臨床トレーニングを修了し、実践能力を認められる必要があります。

研修から臨床までがすべて英語で行われること、アメリカでしか受けられないこともあり、日本にはRDI認定コンサルタントは2017年現在で8人しかいません。
RDI Connections Center
https://www.rdiconnect.com/

RDIの対象となるのはどんな人たち?

RDIはもともと自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害のある人々の対人関係上の困難を解決するために開発されたプログラムですが、最近はADHDや学習障害など、様々な要因から対人関係に困難を抱えている人々にも実践されています。

「自閉症ではない子どもの行動を模倣しながら成功体験を積んでいく」という方法は、発達のやり直しという形で実施されるために、発達の状態、年齢や診断名に関係なく効果がある療育方法だと言われています。

RDIの具体的な療育方法

RDIという療育方法の基本的な考え方は、「子どもがコミュニケーションをとることが楽しいと思えるような関係性の築き方を、親に考えてもらう」という内容です。

親子間の非言語コミュニケーションの量と質を上げるために、自閉症ではない親子の関わり方をモデルにして、ゆっくりと発達段階のやり直しを試みます。例として、ボールを投げ合うといった簡単な順番のあるゲームをします。ゲームをしている間、家族は自分も楽しみながら、少しオーバーな表情や態度で子どもに接します。子どもは家族にガイドされながら、共に活動に参加することによって、やり取りの順番を予想することや、パートナーと協調するために自分の行動を調整することを学びます。

こうして家族のガイドに沿った関わりに触れながら自らも積極的に参加し、非言語コミュニケーションを使う経験を重ねることで、子どもたちはより自然な形で人ととのやり取り、経験の共有を楽しめるようになっていくのです。

かつては、行動モデルは6段階に分けられており、レベルごとに目標となる行動が決められていましたが、現在ではもっと柔軟な形に変更されています。

具体的な療育の流れは以下の通りです。

1. 親がRDI認定コンサルタントとのデモンストレーションやインターネット上の学習システムを通して「子どもにどう接すればいいか」を勉強する。

2. アセスメントとして親子はコンサルタントから提示されたことを参考に簡単な関わり遊びを始める。その間、後に自分たちの行動を客観的に評価できるようにビデオ撮影を行う。コンサルタントは遠隔でその様子を観察している。

3. 録画したビデオを見ながら行動評価をして、課題特定を行う。コンサルタントと一緒に親子の間でのガイド関係の在り方、協働作業や非言語コミュニケーションの状態を評価し、課題となる行動領域を決める。関わりの妨げとなっている要因についても確認し、その対応を検討する。
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