ようやく健診開始!健診で見ていることは…?
健診は、まずは保護者に対する問診から始まります。ここで、親子のニーズを把握し、必要があればアドバイスをします。
生まれてから今までの大きな病気やケガ、睡眠や食事等といった生活のリズム、子どもの普段の状況、保護者の困っていること等を聞き、育児ストレスについて聞くこともあります。また、家で行った視聴覚検査の結果を確認します。
子ども自身には、名前を聞いたり、ボタンで遊んでもらったり、丸を描いてもらったりして、その様子を観察します。
問診は、保健師、看護師が行いますが、皆、小児保健の知識・経験があるので、誰がどの親子を担当するかはランダムに割り当てられることが多いです。
もし保健師が問診をしていて、病気に関する悩みがあり、アドバイスは看護師の方がいいと思えば、その部分は看護師にアドバイスをもらうなど、皆、臨機応変に保護者のニーズに対応しています。
さて、それではAくん親子との問診の様子を覗いてみましょう。
生まれてから今までの大きな病気やケガ、睡眠や食事等といった生活のリズム、子どもの普段の状況、保護者の困っていること等を聞き、育児ストレスについて聞くこともあります。また、家で行った視聴覚検査の結果を確認します。
子ども自身には、名前を聞いたり、ボタンで遊んでもらったり、丸を描いてもらったりして、その様子を観察します。
問診は、保健師、看護師が行いますが、皆、小児保健の知識・経験があるので、誰がどの親子を担当するかはランダムに割り当てられることが多いです。
もし保健師が問診をしていて、病気に関する悩みがあり、アドバイスは看護師の方がいいと思えば、その部分は看護師にアドバイスをもらうなど、皆、臨機応変に保護者のニーズに対応しています。
さて、それではAくん親子との問診の様子を覗いてみましょう。
Aくん親子とのやりとり その①
保健師: Aくん、お名前教えてください。
Aくん: Aです!(元気に名前を言える)あ!救急車!(他の子が持つトミカを見て走り出そうとする)
Aくん母(以下Aママ): Aくん、ダメよ!あの救急車は、お友達のものよ!(走り出そうとするAくんを捕まえる)
Aくん: イヤーーー(A母の手が緩むと、すぐに逃げて走り出そうとする)
Aママ: はぁ(ため息)、いつもこうです。全然じっとしていられなくて(暗い表情)。
保健師: そうなんですね。
Aママ: この子、他の子と違うのかな。それか私の子育てがいけないのかしら……(涙を浮かべる)
保健師: お母さん、頑張ってきたんですね。お母さんがAくんを大事に思っている気持ちは、Aくんにきっと伝わってると思いますよ。
Aママ: そうでしょうか。
保健師: 今まで沢山の子どもを見てきましたが、親の子どもへの愛は、必ず伝わっています。お母さんの愛も、Aくんに必ず伝わってますよ。誰か、子育てを手伝ってくれる人はいますか?
Aママ: ありがとうございます(涙を流す)。夫は仕事で毎日夜遅くて、実家も遠方なので、ほとんど頼れません。どうやればAをちゃんと育てられるのか、分からなくて。
保健師: そうなんですね。もし良ければ、後でゆっくり子育ての相談をお聞きすることも出来ますよ。
Aママ: そんなことができるんですか。(悩みながら)お願いします。
Aくん: Aです!(元気に名前を言える)あ!救急車!(他の子が持つトミカを見て走り出そうとする)
Aくん母(以下Aママ): Aくん、ダメよ!あの救急車は、お友達のものよ!(走り出そうとするAくんを捕まえる)
Aくん: イヤーーー(A母の手が緩むと、すぐに逃げて走り出そうとする)
Aママ: はぁ(ため息)、いつもこうです。全然じっとしていられなくて(暗い表情)。
保健師: そうなんですね。
Aママ: この子、他の子と違うのかな。それか私の子育てがいけないのかしら……(涙を浮かべる)
保健師: お母さん、頑張ってきたんですね。お母さんがAくんを大事に思っている気持ちは、Aくんにきっと伝わってると思いますよ。
Aママ: そうでしょうか。
保健師: 今まで沢山の子どもを見てきましたが、親の子どもへの愛は、必ず伝わっています。お母さんの愛も、Aくんに必ず伝わってますよ。誰か、子育てを手伝ってくれる人はいますか?
Aママ: ありがとうございます(涙を流す)。夫は仕事で毎日夜遅くて、実家も遠方なので、ほとんど頼れません。どうやればAをちゃんと育てられるのか、分からなくて。
保健師: そうなんですね。もし良ければ、後でゆっくり子育ての相談をお聞きすることも出来ますよ。
Aママ: そんなことができるんですか。(悩みながら)お願いします。
いろんな専門家が一堂に集まる機会
問診が終わったあとは、小児科医の健診、尿検査、歯科医の健診、管理栄養士の栄養相談を行います。疑問や悩みがあれば質問し、アドバイスを受けましょう。
おそらく何千人という子どもを見てきただろう専門家のアドバイスを聞ける絶好の機会です。遠慮して聞かないなんてもったいないと思いませんか?
先ほどのAくん親子の問診では、お母さんがずいぶん思いつめて悩まれていた様子。管理栄養士との栄養相談ではどのようなお話をするのでしょうか。
おそらく何千人という子どもを見てきただろう専門家のアドバイスを聞ける絶好の機会です。遠慮して聞かないなんてもったいないと思いませんか?
先ほどのAくん親子の問診では、お母さんがずいぶん思いつめて悩まれていた様子。管理栄養士との栄養相談ではどのようなお話をするのでしょうか。
Aくん親子とのやりとり その②
管理栄養士: Aくんのご飯で困っていることはありますか?
Aママ: 緑の野菜が嫌いで自分でよけてしまうので、刻んでカレーやハンバーグに混ぜています。刻み方が少し大きいと出してしまうので、かなり小さくしています。小さくしてしまえばよく食べてくれるので、そんなに困ってないです。
管理栄養士: 頑張ってらっしゃるんですね(Aくんは敏感な子なのね、痩せ型だけど標準範囲内だし、食事の量と質は大丈夫だわ)
。色や見た目での好き嫌いはこの年齢ではよくあることですけど、お母さんがそうやって工夫をされて食べることができているのは、素晴らしいと思いますよ。
Aママ: 緑の野菜が嫌いで自分でよけてしまうので、刻んでカレーやハンバーグに混ぜています。刻み方が少し大きいと出してしまうので、かなり小さくしています。小さくしてしまえばよく食べてくれるので、そんなに困ってないです。
管理栄養士: 頑張ってらっしゃるんですね(Aくんは敏感な子なのね、痩せ型だけど標準範囲内だし、食事の量と質は大丈夫だわ)
。色や見た目での好き嫌いはこの年齢ではよくあることですけど、お母さんがそうやって工夫をされて食べることができているのは、素晴らしいと思いますよ。
必要があれば個別相談も
健診では、身体の健康だけでなく、子どもと保護者の心の健康もサポートします。
3歳児って、なかなか大人の言うことを聞きませんし、こだわりも強くてイヤイヤも多く、待つこと、じっとしていることが苦手です。
どの子どものお母さんも悩み、一生懸命色んな声かけや方法で、しつけを行っています。
Aくんのお母さんも同じように悩み、問診時に希望したため、心理相談員の個別相談を受けることにしました。
心理相談員は、臨床心理士などが行っています(自治体により違いあり)。
問診、栄養士相談を経て心理相談員の部屋にやってきたAくん親子。
心理相談員は、ゆっくりと時間をとり、お母さんに普段のAくんとの生活や悩みを聞き、お母さん、傍らで遊ぶAくん、2人のやりとりの様子を観察し、今、お母さんが出来るAくんの育児アドバイスを行いました。
3歳児って、なかなか大人の言うことを聞きませんし、こだわりも強くてイヤイヤも多く、待つこと、じっとしていることが苦手です。
どの子どものお母さんも悩み、一生懸命色んな声かけや方法で、しつけを行っています。
Aくんのお母さんも同じように悩み、問診時に希望したため、心理相談員の個別相談を受けることにしました。
心理相談員は、臨床心理士などが行っています(自治体により違いあり)。
問診、栄養士相談を経て心理相談員の部屋にやってきたAくん親子。
心理相談員は、ゆっくりと時間をとり、お母さんに普段のAくんとの生活や悩みを聞き、お母さん、傍らで遊ぶAくん、2人のやりとりの様子を観察し、今、お母さんが出来るAくんの育児アドバイスを行いました。
臨床心理士とは?役割と資格、支援を受けられる場所、発達障害・不安障害の相談・療法・検査まとめ
Aくん親子とのやりとり その③
心理相談員: Aくんの育児はいかがですか?
Aママ: 毎日いっぱいいっぱいです。Aは優しい子なんですが、とにかくじっとしていられないんです。家ではおもちゃ箱を引っくり返したり、トミカを投げて遊んだりします。公園でも、割り込みをしたり、他の子を押しのけたりしてしまって。私は子どもの頃から大人しいタイプで、Aを産むまで子どもと縁がない生活だったので、Aみたいな元気な男の子の気持ちが分からないんです。どうしたらじっと遊べるようになるんでしょうか。
心理相談員: そうなんですね。Aくんは、よく一緒に遊ぶお友達がいますか?
Aママ: 私自身が社交的じゃないので、人に気を遣うのが苦手で、Aと2人で遊ぶことが多いです。幼稚園から通わせようかと思っていますが、まだ入園まで半年あるので、それまでは今の状態かな、と思っています。
Aくん: (傍らで保育士と静かに遊んでいる)
心理相談員: (Aくんがじっとして遊べないことが困っていると言っているが、ママの一番の困り事は「子育てを相談する人がいない」ことだな…)お母さん、ではまず今日から、Aくんと話をするとき、耳よりも目で見せるよう意識してみて下さい。例えば、割り込みをしてしまったら「割り込んじゃダメよ」と言うのではなく、割り込みをされたお友達が悲しんでいる姿を目で見せて「割り込みをしたらお友達が悲しいよ」と伝えるようにしてみて下さい。家でも外でも、言葉だけでなく、Aくんの目で視覚的に分かるよう意識してみて下さい。
Aママ: 毎日いっぱいいっぱいです。Aは優しい子なんですが、とにかくじっとしていられないんです。家ではおもちゃ箱を引っくり返したり、トミカを投げて遊んだりします。公園でも、割り込みをしたり、他の子を押しのけたりしてしまって。私は子どもの頃から大人しいタイプで、Aを産むまで子どもと縁がない生活だったので、Aみたいな元気な男の子の気持ちが分からないんです。どうしたらじっと遊べるようになるんでしょうか。
心理相談員: そうなんですね。Aくんは、よく一緒に遊ぶお友達がいますか?
Aママ: 私自身が社交的じゃないので、人に気を遣うのが苦手で、Aと2人で遊ぶことが多いです。幼稚園から通わせようかと思っていますが、まだ入園まで半年あるので、それまでは今の状態かな、と思っています。
Aくん: (傍らで保育士と静かに遊んでいる)
心理相談員: (Aくんがじっとして遊べないことが困っていると言っているが、ママの一番の困り事は「子育てを相談する人がいない」ことだな…)お母さん、ではまず今日から、Aくんと話をするとき、耳よりも目で見せるよう意識してみて下さい。例えば、割り込みをしてしまったら「割り込んじゃダメよ」と言うのではなく、割り込みをされたお友達が悲しんでいる姿を目で見せて「割り込みをしたらお友達が悲しいよ」と伝えるようにしてみて下さい。家でも外でも、言葉だけでなく、Aくんの目で視覚的に分かるよう意識してみて下さい。