NHK「発達障害プロジェクト」でも伝えきれない現場の困難、イチ主婦としてできること

ライター:イシゲスズコ
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我が家には4人の子供がおり、6年生の次男がADHD(注意欠損多動性障害)+ASD(アスペルガー)と診断を受けて支援を受けながら通常級に通っています。

情報が乏しかった診断当時と今とこれから、NHKの「発達障害プロジェクト」の始動から考える、当事者家族としての私のこれからのことを書いてみました。

息子が診断を受けた当時と「今」、時代は着実に変わっている

次男が診断を受けた3年前、私は発達障害についてほぼ無知でした。
周囲でその言葉を聞くこともほとんどなく、取り寄せる専門の書籍を漁るしかないような状態。

それが最近はテレビで「発達障害」という言葉を聞く機会がどんどん増えています。

書店にも大人向けや支援者向け、子供向け、さまざまな書籍が増え、ネット上でも色々な取り組みが始まり、情報を得やすくなったなぁと感じています。

先日からNHKでも年間を通した「発達障害プロジェクト」がスタートし、「NHKスペシャル」や「あさイチ」など色々な番組で取り上げられ始めました。

言葉すら知られていなかった頃と今と、そしてそれよりもっと前の、配慮どころか診断につながることすら難しかった過去と、発達障害の当事者や保護者を取り巻く環境はここ数年でどんどん、目まぐるしいほどに変わっていっているのだろうと思います。
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NHKが1年がかりの「発達障害プロジェクト」を始動!番組横断で発達障害の多様な姿を伝えます

NHKの特集を見て湧いた、相反する2つの感情

NHKスペシャルの中で流れたADHDやLDの子の感じ方を表現した再現VTRに、あぁこんな風に当事者の困難を可視化する方法があるんだ、と感心しました。

色々な手法やスタジオの当事者の方の声から、これまであまり表に出ることのなかった当事者の抱えている困難が語られていく…

妖怪「ペラペラノドン」に支配されちゃうんだと語っていた男の子は、どこか次男に似ていました。言葉が溢れてきてどんどん喋ってしまう彼の映像を見ながら、次男は「僕とそっくりだ」と笑っていました。

同じ、そっくり、そうそうこんな感じ…

番組を見ながら次男の言動に近いものが見えるとそう感じて、どこか安心したり、そこからヒントを得られたらと画面に食い入る自分がいました。

でも、同時に

違う、ぜんぜん違う、そんなんじゃない…

という全く逆の感情がわく場面も。

「違う」「うちはそうじゃない」同じ診断名でも、“ピタリ賞”の事例にはなかなか出会えない

「アスペルガーの●●さん」と紹介されている方の困難は、同じような診断名がついている次男のそれとは全く違っている、ということはよくあります。

例えば幼少期の自閉症スペクトラムの子によくある特徴とされている
・目線を合わせない
・人の話したことをオウム返しする
・呼んでも反応しない
・言葉を話すのが他の子と比べて遅い
・予定が狂うと混乱する
・強いこだわりを持つ

などは、うちの次男にはほぼありませんでした。
(それが診断に至るのが遅れた要因でもあったわけですが)

テレビで紹介されるADHDの特徴については割と似てるなぁと感じることはありますが、併発している事例はあまり紹介されていませんし、次男の抱えている困難をそのまま表現しているものに出会うことはまずないんだろうなぁ、と思いながらテレビを眺めていました。
次ページ「伝えたいことが、多すぎる ー ひとくくりにできない発達障害のリアル」

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