お金も心も救われた障害者保険。自閉症の息子が見舞われたトラブルに…

ライター:立石美津子
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11023023252

皆さんのお子さんには他害がありますか?それとも自傷がありますか?息子は自傷タイプなので「器物破損をするようなことは、これからの人生でないだろう」と高をくくっていました。しかし先日、通っているスイミングスクールで暴れ、窓ガラスを割ってしまいました。

10年間通ったスイミング。自閉症の息子は、ある日窓を割ってしまい…

『子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子です。

自閉症の息子は、6歳~16歳まで10年間、障害者枠があるスイミングに通っていました。

つい先日のレッスン日、息子が他の生徒さんにしてしまう、しつこいちょっかいに対してコーチにひどく叱られるという出来事がありました。

息子は大きな声を上げられることに対してパニックを起こします。その声に対してスイッチが入ってしまい大暴れ。非常ベルを鳴らし、ゴミ箱を投げ、ガラスを割り、ロッカーをボコボコにしてしまいました。

その後、プールの施設から道路に飛び出し、路上の車を蹴り飛ばす行為におよび、車の持ち主から「警察へ連れて行く」と言われる事態にまで発展してしまいました。

障害者枠のある水泳教室ですので「退会してください」とプール側から言われたわけではないのですが、退会することにしました。

窓ガラスを弁償することになり、相談した相手は…

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長年お世話になったスイミングスクールに対して大変後味の悪い辞め方をしてしまい、かといって息子を責めるわけにもいかず、なんとも言えない嫌な気分になっていました。

また、施設の大きな窓ガラスを割ってしまったので、それを弁償することに。

ですが私は、こういうこともあろうかと、障害者(児)が「車に傷をつけた」「器物破損した」「人の眼鏡を壊した」ときのための保険、「ぜんち共済」(=前身は全国知的障害者共済会)に加入していました。こちらで補償が受けられないかと相談してみることにしたのです。
ぜんち共済株式会社
https://www.z-kyosai.com/
そして、落ち込んだ気持ちで、こちらの窓口に電話しました。

すると、電話に出た方が「それは大変でしたね。息子さんにお怪我はありませんでしたか。お怪我の補償も付いていますから大丈夫ですよ。」と、とても丁寧に対応をしてくれました。

「状況をわかってくれる人がここに居た」という感じがして、少し心が軽くなりました。

結果、全額保険でカバーでき、私の負担額は0円で済みました。

最初は乗り気でなかった保険への加入

実は私はずっと保険に入ることに後ろ向きでした。何故なら、息子は自分で自分の身体を傷つける、自傷行為をするタイプ。パニックを起こすときは凄まじい勢いで暴れますが、基本、性格は穏やかで、昔から他の人を傷つける他害行為はなかったからです。

ですから「保険なんか入って無駄金を払いたくない」と私は思っていたのです。

ところが通っている放課後デイのスタッフから「皆で外出することもあるので、何があったときのために、必ず保険に入ってほしい」と言われたので、渋々ですがこちらの保険に入った経緯があります。

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故意の他害でなくても起こること

ぜんち共済の記念誌に次のように書いてありました。

(『ぜんち共済 10周年記念誌』より抜粋)

【弱い立場と冒険に対する備え】
“(障害の息子が)地下鉄の駅の切符券売機の前でおばあさんと接触した。おばあさんは転倒して病院に運ばれた、骨折していることがわかった・・・苦しいものが胃袋の中を広がっていくような感じがする電話だった。

私の長男には重度の知的障害と自閉症がある。運動は得意で外出が大好きなのだが、時々ジャンプをしてみたり、落ち着かないことがあり、人混みでは目が離せない。

ヘルパーの若者と外出しているときに、おばあちゃんと接触したという電話を受けた。すぐにその場の情景がまぶたに浮かんだ。・・・中略・・・

障がいのある人の地域での生活は、絶えずこういうリスクがつきまとう。そして、保護者はいつも非難の視線を浴び、損害賠償を請求される立場に置かれるのである。

・・・中略・・・

こんなことを思うとき、頭に浮かぶのがぜんち共済の榎本重秋社長の青空のような笑顔である。笑顔に救われるということではなく、榎本さんが運営する障害者向け保険に救われるのだ”

(抜粋ここまで)
こういうことって実際あります。息子はパニック中、プールの施設の非常ベルを押しましたが、私の周りでは電車の緊急停止ボタンまで押してしまう自閉症の子がいます。ダイヤを乱したことで賠償金を請求されることもあるかもしれません。

愛やいたわりの心など、精神論では解決しないことも多々あるのが「障害児を育てる」ということなのです。

福祉制度も完璧ではない。だからこそ、自分でできる備えを

現状では保険は障害のある子どもを持つ親が、保護者の判断で任意で入るようになっています。

本当は保険料の負担なく、福祉制度として全部の障害児が自動的に加入できるのが理想ですが、税金もかかることですので今はそうなってはいません。

「備えあれば憂いなし」です。自分を助ける意味でも加入するのが私は良いと思っています。

まとめ

通常の保険でも「癌になった人は加入できない」等の審査があります。障害者は「障害がある」という理由だけで保険に入れないことが多々あります。

何故なら障害児は他害や自傷により器物破損することも多く、また障害の種類によっては身体的な弱さで病気になることもあるからです。これは長い間当たり前のことでした。

そんな中、出来たこちらの保険。
てんかんによる入院保障、更に虐待を受けたときだけでなく、消費者被害をうけたときも権利擁護の観点から弁護士費用の補償などもあります。

「“転ばぬ先の杖”。保険って必要だな」と感じた出来事でした。

このコラムを書いた人の著書

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