虐待かもと思ったら。判断基準、相談機関など…子どもを救うためにできること
ライター:医師・専門家監修|発達障害・支援のキホン
児童の虐待の相談件数は年々増えているといわれています。虐待かもしれない場面に出合った際にどう対応すればよいかご存知ですか?方法が分からない、勇気が持てない、などさまざまな不安要素を抱えている人もいるかもしれません。今回は虐待の見つけ方や対処の方法をご紹介します。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
虐待とは
虐待とは「特定の相手に対して、その人の人権を著しく侵害し、心身の成長及び人格形成に多大な影響を与えること」をいいます。その対象になりやすいのは児童、高齢者、障害者などの社会的な立場が弱いとされる人たちです。
虐待の通告件数は年々上昇しています。通告件数が増加している背景には2つの要因が挙げられます。1つ目はメディアの報道により関心度が高まったこと、2つ目には法律の改正により通報が義務付けられたことです。
令和4年度に、全国の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は、過去最多の219,170件と発表されています。いまや児童虐待は稀な出来事ではありません。子育ての孤立や貧困など、現代の子育て環境は過酷で、かつて考えられていたような「一部のひどい親」だけが行うというものではなくなってきています。つまり誰にでも、虐待という不適切な親子関係に陥る可能性があるのです。
虐待にいち早く気づき、適切な支援につなげることで、救われる親子がいるかもしれません。
以下では、虐待について、また子どもに及ぼす影響などについて解説します。
虐待の通告件数は年々上昇しています。通告件数が増加している背景には2つの要因が挙げられます。1つ目はメディアの報道により関心度が高まったこと、2つ目には法律の改正により通報が義務付けられたことです。
令和4年度に、全国の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は、過去最多の219,170件と発表されています。いまや児童虐待は稀な出来事ではありません。子育ての孤立や貧困など、現代の子育て環境は過酷で、かつて考えられていたような「一部のひどい親」だけが行うというものではなくなってきています。つまり誰にでも、虐待という不適切な親子関係に陥る可能性があるのです。
虐待にいち早く気づき、適切な支援につなげることで、救われる親子がいるかもしれません。
以下では、虐待について、また子どもに及ぼす影響などについて解説します。
虐待の種類
児童虐待の防止等に関する法律(第二条)では、児童虐待を以下の4種類に分類しています。
1.身体的な虐待
殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などで縛るなど
2.心理的な虐待
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるうこと(ドメスティック・バイオレンス/DV)など
3.性的な虐待
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にするなど
4.ネグレクト
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど
1.身体的な虐待
殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などで縛るなど
2.心理的な虐待
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるうこと(ドメスティック・バイオレンス/DV)など
3.性的な虐待
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にするなど
4.ネグレクト
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど
これら4種類の虐待は単独で起こるだけでなく、複合的に起こることもあります。また、法律の条文に載っていなくても、子どもの健康的な心身の発達を阻害する可能性がある言動は虐待に値します。次の章で紹介する基準をもとに、柔軟に判断することが子どもたちを救うのです。
どこからが虐待なの?
専門機関が虐待かどうかを判断する指標として、児童虐待の防止等に関する法律の定義が使われます。
一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
つまり、前の章で挙げた身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の項目に当てはまるような言動が見られる場合に、虐待と判断されるのです。
しかしながら、法律上の定義だけでははっきりと判別できない事例も多いことが事実です。虐待としつけの間には線引きが難しいグレーゾーンが存在し、第三者からは見分けがつきにくいこともあるでしょう。
虐待の判断で重要なポイントは、子どもの視点に立って考えることです。親はしつけや教育のためと思っていても、子どもが耐えがたい苦しみを感じ、心身の成長に悪い影響を与えそうなときは虐待として考えるべきという専門家も増えています。
また、もし、虐待かどうか判断しかねるときは、児童相談所にまずは相談しましょう。虐待かどうかの判断をするのは児童相談所です。虐待でなかったとしても、故意によるものでなければ通告をした人自身の責任は問われません。
つまり、通告の段階では主観的な判断であってもよいのです。むしろ、虐待かどうか判断しかねるような段階で早めに専門機関につながることで、支援の手により虐待が未然に防げることもあります。
しかしながら、法律上の定義だけでははっきりと判別できない事例も多いことが事実です。虐待としつけの間には線引きが難しいグレーゾーンが存在し、第三者からは見分けがつきにくいこともあるでしょう。
虐待の判断で重要なポイントは、子どもの視点に立って考えることです。親はしつけや教育のためと思っていても、子どもが耐えがたい苦しみを感じ、心身の成長に悪い影響を与えそうなときは虐待として考えるべきという専門家も増えています。
また、もし、虐待かどうか判断しかねるときは、児童相談所にまずは相談しましょう。虐待かどうかの判断をするのは児童相談所です。虐待でなかったとしても、故意によるものでなければ通告をした人自身の責任は問われません。
つまり、通告の段階では主観的な判断であってもよいのです。むしろ、虐待かどうか判断しかねるような段階で早めに専門機関につながることで、支援の手により虐待が未然に防げることもあります。
虐待の影響
虐待は子どもの心身に非常に大きな影響を与えます。この章では、虐待の影響を分類ごとに説明します。
身体的な影響
身体的影響は、大きく二つに分けられます。
一つは、外的な傷害です。外的な傷には打撲、切り傷、やけどなど目に見える傷と、骨折や頭蓋骨内出血などの見えない傷があります。また、目に見える傷であっても衣服に隠れる場所にあるため発見が遅れてしまう場合があります。
外傷が重い場合には、重い障害が残ったり死に至る可能性があるため、いち早く気づけるように注意する必要があります。
二つ目は発育の遅れです。十分な食事を与えられなかったり、愛情を注がれなかったりしたために栄養障害や精神的な発育の遅れが生じることを言います。逆にストレスで過食になったり、感覚が鈍くなったり、外傷を負っても気づかないというケースもあります。
一つは、外的な傷害です。外的な傷には打撲、切り傷、やけどなど目に見える傷と、骨折や頭蓋骨内出血などの見えない傷があります。また、目に見える傷であっても衣服に隠れる場所にあるため発見が遅れてしまう場合があります。
外傷が重い場合には、重い障害が残ったり死に至る可能性があるため、いち早く気づけるように注意する必要があります。
二つ目は発育の遅れです。十分な食事を与えられなかったり、愛情を注がれなかったりしたために栄養障害や精神的な発育の遅れが生じることを言います。逆にストレスで過食になったり、感覚が鈍くなったり、外傷を負っても気づかないというケースもあります。
知的発達への影響
虐待を受けた子どもの中には、家庭内が安心できる環境ではないこと、十分に学校に通うことができないこと、また、保護者からの知的発達に必要な関わりがないために、知的な発達面に影響が出ることがあります。
知的な発達の異常は、認知機能(知覚、記憶、思考、判断)の低下、衝動性や多動性により発達障害だと誤解される可能性もあります。
知的な発達の異常は、認知機能(知覚、記憶、思考、判断)の低下、衝動性や多動性により発達障害だと誤解される可能性もあります。
心理的な影響
本来、最も愛情を注いでくれるはずの保護者から傷つけられることで心理的な問題が生じることもあります。
親子間の愛着関係を築くことができなかったため、対人関係の構築に問題が生じやすくなります。例えば、「人を信用できない」「仲良くなってもすぐに関係を壊してしまう」「否定されることが怖くて自分の意見が言えない」などです。これらは子どもが大きくなって社会生活を送る上で大きな障害となり得ます。
つまり、虐待の影響はその場限りではなく、子どもが成長してもずっと続くことがあるのです。
ほかにも、自己評価の低下や行動コントロールの困難さが原因となり、暴力的・衝動的な行動や非行に走ることがあります。
偽成熟性も特徴的な症状です。精神的に不安定な大人と関わることで自分が大人の役割を果たさなければいけないように思い、大人びた行動にでることを言います。一見成熟しているように見えても思春期頃に問題行動が出てくることもあります。
また、強い心理的ストレスによる記憶喪失や解離性障害、不眠など、日常生活に支障をきたしてしまう精神疾患に至るケースもあります。
このように、虐待は子どもの心身に多大な影響を残し、その回復のためには長期間の治療やケアが必要になるのです。手遅れにならないように、周囲がよく気を配ることが必要です。
親子間の愛着関係を築くことができなかったため、対人関係の構築に問題が生じやすくなります。例えば、「人を信用できない」「仲良くなってもすぐに関係を壊してしまう」「否定されることが怖くて自分の意見が言えない」などです。これらは子どもが大きくなって社会生活を送る上で大きな障害となり得ます。
つまり、虐待の影響はその場限りではなく、子どもが成長してもずっと続くことがあるのです。
ほかにも、自己評価の低下や行動コントロールの困難さが原因となり、暴力的・衝動的な行動や非行に走ることがあります。
偽成熟性も特徴的な症状です。精神的に不安定な大人と関わることで自分が大人の役割を果たさなければいけないように思い、大人びた行動にでることを言います。一見成熟しているように見えても思春期頃に問題行動が出てくることもあります。
また、強い心理的ストレスによる記憶喪失や解離性障害、不眠など、日常生活に支障をきたしてしまう精神疾患に至るケースもあります。
このように、虐待は子どもの心身に多大な影響を残し、その回復のためには長期間の治療やケアが必要になるのです。手遅れにならないように、周囲がよく気を配ることが必要です。
解離性同一性障害(解離性同一症)とは?特徴・治療法・相談先を解説【精神科医監修】
解離性健忘とは?記憶を失う症状・原因・治療法【医師監修】
なぜ虐待が起こるのか
虐待が起こりやすくなるリスク要因として、「保護者側のリスク要因」「子ども側のリスク要因」「養育環境のリスク要因」という三つが挙げられます。
・保護者側のリスク要因
さまざまな原因により、保護者が子どもを受け入れられないことがあります。
具体例としては、望まない妊娠、子育てに関する知識不足、虐待を受けて育った経験、保護者自身の精神的な問題や特性などです。
子育ての途中につらい記憶がよみがえってきたり、子どもに注意を払いたくても気づけないことが多かったり、教育の仕方が分からなくて暴力的な言動やネグレクトを引き起こしてしまうことがあります。
・子ども側のリスク要因
衝動的な行動や、指示が通らない、こだわりがあるというような親の言うとおりにならないなどの子どもが持つ特性によって保護者が育てくさを感じ、そのストレスが虐待に発展してしまうことがあります。
・養育環境のリスク要因
貧困家庭やひとり親家庭などの場合には、保護者が環境に関心を向ける余裕がなく、社会的に孤立してしまう場合があります。このような家庭は保護者が生活を維持することに精いっぱいなため、子どもへの関心が向きづらく無自覚のうちにネグレクトにつながってしまうことがあります。
孤立している家庭は周囲とのコミュニケーション、サポーティブな関係、頼れるサービスが身近にあることで家庭内トラブルのリスクが大きく減ると言われます。本人や周囲の人々がリスクを認識しつつ、支え合える関係を築いておくことが重要です。
・保護者側のリスク要因
さまざまな原因により、保護者が子どもを受け入れられないことがあります。
具体例としては、望まない妊娠、子育てに関する知識不足、虐待を受けて育った経験、保護者自身の精神的な問題や特性などです。
子育ての途中につらい記憶がよみがえってきたり、子どもに注意を払いたくても気づけないことが多かったり、教育の仕方が分からなくて暴力的な言動やネグレクトを引き起こしてしまうことがあります。
・子ども側のリスク要因
衝動的な行動や、指示が通らない、こだわりがあるというような親の言うとおりにならないなどの子どもが持つ特性によって保護者が育てくさを感じ、そのストレスが虐待に発展してしまうことがあります。
・養育環境のリスク要因
貧困家庭やひとり親家庭などの場合には、保護者が環境に関心を向ける余裕がなく、社会的に孤立してしまう場合があります。このような家庭は保護者が生活を維持することに精いっぱいなため、子どもへの関心が向きづらく無自覚のうちにネグレクトにつながってしまうことがあります。
孤立している家庭は周囲とのコミュニケーション、サポーティブな関係、頼れるサービスが身近にあることで家庭内トラブルのリスクが大きく減ると言われます。本人や周囲の人々がリスクを認識しつつ、支え合える関係を築いておくことが重要です。
虐待のサイン
家庭内に虐待が起こっている場合、子どもや保護者の様子に異変が生じるはずです。周囲がその変化にいち早く気づくことで深刻な虐待に至る前に早期発見し、食い止めることができるでしょう。
子どもの様子
1.身体的な変化
□不自然な傷や同じような傷が多い
□原因がはっきりしないケガをしている
□治療していない傷がある
□極端な栄養障害や発達の遅れが見られる
2.表情
□表情や反応が乏しく活気がない
□ボーっとしている
□おびえた泣き方をする
□養育者と離れると安心した表情になる
3.行動
□食事に異常な執着を示す
□衣服を脱ぐとき異常な不安を見せる
□ひどく落ち着きがなく乱暴、情緒不安定である
4.他者との関わり
□他者とうまく関われない
□繰り返し嘘をつく
□態度がおどおどしている
□親や大人の顔色をうかがう
□誰かれなく大人に対して警戒心がうすい(なれなれしい、ベタベタする)
□保護者が迎えにきても帰りたがらない
□他者との身体接触を異常に怖がる
5.生活の様子
□衣服や身体がいつも不潔である
□基本的な生活習慣が身についていない
□予防接種や健康診査を受けていない
□年齢不相応の性的な言葉や性的な行動が見られる
□夜遅くまで遊んだり徘徊したりしている
□家に帰りたがらない
□不自然な傷や同じような傷が多い
□原因がはっきりしないケガをしている
□治療していない傷がある
□極端な栄養障害や発達の遅れが見られる
2.表情
□表情や反応が乏しく活気がない
□ボーっとしている
□おびえた泣き方をする
□養育者と離れると安心した表情になる
3.行動
□食事に異常な執着を示す
□衣服を脱ぐとき異常な不安を見せる
□ひどく落ち着きがなく乱暴、情緒不安定である
4.他者との関わり
□他者とうまく関われない
□繰り返し嘘をつく
□態度がおどおどしている
□親や大人の顔色をうかがう
□誰かれなく大人に対して警戒心がうすい(なれなれしい、ベタベタする)
□保護者が迎えにきても帰りたがらない
□他者との身体接触を異常に怖がる
5.生活の様子
□衣服や身体がいつも不潔である
□基本的な生活習慣が身についていない
□予防接種や健康診査を受けていない
□年齢不相応の性的な言葉や性的な行動が見られる
□夜遅くまで遊んだり徘徊したりしている
□家に帰りたがらない
保護者の様子
2.他者への関わり方
□他者に対して対立的、否定的な態度をとる
□特に、理由もなく関わりを避けるなど連絡が取りづらい
□説明の内容が曖昧でコロコロ変わる
□子どもに関する他者の意見に被害的・攻撃的になる
3.生活の様子
□近隣との交流を拒否し孤立している
□不衛生な生活環境である
□小さい子どもを家に置いたままよく外出している
□夫婦関係や経済状態が悪い
□夫婦間の暴力が認められている
4.保護者自身のこと
□ひどく疲れている
□精神状態が不安定である
□性格的な問題として、被害観が強い、偏った思い込み、衝動的、未成熟など
□いつもお金に困っている様子がある
□家族関係のトラブルを抱えている
□他者に対して対立的、否定的な態度をとる
□特に、理由もなく関わりを避けるなど連絡が取りづらい
□説明の内容が曖昧でコロコロ変わる
□子どもに関する他者の意見に被害的・攻撃的になる
3.生活の様子
□近隣との交流を拒否し孤立している
□不衛生な生活環境である
□小さい子どもを家に置いたままよく外出している
□夫婦関係や経済状態が悪い
□夫婦間の暴力が認められている
4.保護者自身のこと
□ひどく疲れている
□精神状態が不安定である
□性格的な問題として、被害観が強い、偏った思い込み、衝動的、未成熟など
□いつもお金に困っている様子がある
□家族関係のトラブルを抱えている
もちろん、この基準に当てはまるからといって、虐待が起こっているとは限りません。その子どもの特性を踏まえて変化に注目してみましょう。たとえば「今まで活発だった子が急にふさぎこんでしまった」「お友達と遊ぶことが好きだったのに、最近は一人でボーっとしている時間が多い」などです。親子の様子に著しい変化や違和感がないか、確認しましょう。
変化に気づくためには、周囲の注意深い観察が必要です。ぜひ、上の項目を意識しながら子どもたちを見守ってみてください。
変化に気づくためには、周囲の注意深い観察が必要です。ぜひ、上の項目を意識しながら子どもたちを見守ってみてください。
虐待の可能性があるときは?
素早い通告が子どもの命を救います!
虐待から子どもを守るためには、虐待のリスクに周囲が気づき、早期に関係機関に通告することが最も大切です。
速やかな通告がされないと、行政機関も虐待の防止に向けた活動を行うことができず、虐待を受ける子どもの生命や心身に大きなダメージを与える危険性が高くなります。
そのため、虐待の通告はとても重要な役割を担っており、児童虐待の防止等に関する法律では通告を国民の義務と定めています。
速やかな通告がされないと、行政機関も虐待の防止に向けた活動を行うことができず、虐待を受ける子どもの生命や心身に大きなダメージを与える危険性が高くなります。
そのため、虐待の通告はとても重要な役割を担っており、児童虐待の防止等に関する法律では通告を国民の義務と定めています。
児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
「もし違ったらどうしよう」とためらってしまうかもしれません。
しかし虐待かどうかの判断は児童相談所が行うので、通告者が虐待であるかどうかを判断する必要はありません。少しでも虐待の可能性がある場合、そのリスクを見落とさないためにも、より多くの情報が必要です。そのため「一般の人の目から見て主観的に子どもの安全・安心が疑われる場合」であればためらわず通告してください。
もし仮に通告の後で虐待の事実がないと判明したとしても、虐待の事実がないことを知りながらあえて通告したという場合などを除けば、法的責任を問われることはありません。
しかし虐待かどうかの判断は児童相談所が行うので、通告者が虐待であるかどうかを判断する必要はありません。少しでも虐待の可能性がある場合、そのリスクを見落とさないためにも、より多くの情報が必要です。そのため「一般の人の目から見て主観的に子どもの安全・安心が疑われる場合」であればためらわず通告してください。
もし仮に通告の後で虐待の事実がないと判明したとしても、虐待の事実がないことを知りながらあえて通告したという場合などを除けば、法的責任を問われることはありません。
どこに通告すればいいの?
まずは「189」に電話相談!
「189」は、児童相談所や市区町村が「いちはやく」児童虐待に対応できるよう、厚生労働省により設けられた全国の児童相談所の共通ダイヤルです。「189」に電話をかけると最寄りの児童相談所につながります。
児童相談所に電話をすると、専門家が子どもの状況や、「いつ、どこで、どのような異変を確認したのか」などの聞き取りを行います。
「189」は、児童相談所や市区町村が「いちはやく」児童虐待に対応できるよう、厚生労働省により設けられた全国の児童相談所の共通ダイヤルです。「189」に電話をかけると最寄りの児童相談所につながります。
児童相談所に電話をすると、専門家が子どもの状況や、「いつ、どこで、どのような異変を確認したのか」などの聞き取りを行います。
「189」への相談は24時間365日いつでもすることができます。電話の通話料金は相談者の負担となりますが、相談料などは一切かかりません。
また、相談者の氏名や相談内容に関する秘密に関しては口外されないよう定められているため、相談者にとって安心して相談しやすい環境が整えられています。児童相談所の担当者に対して氏名を明かしたくない場合は、匿名での相談もおこなうことができます。
虐待の通告への対応を含め、その後の親子への支援は児童相談所が担当します。
また、相談者の氏名や相談内容に関する秘密に関しては口外されないよう定められているため、相談者にとって安心して相談しやすい環境が整えられています。児童相談所の担当者に対して氏名を明かしたくない場合は、匿名での相談もおこなうことができます。
虐待の通告への対応を含め、その後の親子への支援は児童相談所が担当します。
虐待の通告は親も救う
虐待の疑いがある子どもを見つけても、「自分の子どもなんだから、これ以上のことはしないだろう」「通告したら、親子の関係をより悪化させてしまうのではないか」「親から告げ口をしたと恨まれないか」と不安に感じ、通告に踏み切れないこともあるかもしれません。
虐待が起きている家庭は孤立状態にある場合が多く、困りごとを共有できずにいます。通告によって行政が虐待の存在に気づければ、保護者が子どもへの向き合い方を見直し、必要な支援につながる可能性を高め、自らの困難さへの対処をすることにつながるのです。
虐待が起きている家庭は孤立状態にある場合が多く、困りごとを共有できずにいます。通告によって行政が虐待の存在に気づければ、保護者が子どもへの向き合い方を見直し、必要な支援につながる可能性を高め、自らの困難さへの対処をすることにつながるのです。
通告後はどんなサポートがあるの?
虐待が発見されたら、近くの児童相談所か行政の相談窓口に報告されます。通告が受理されたあと、保護者や児童本人にヒアリングして重症度・緊急度の審査が行われます。審査の結果を踏まえて、児童の一時保護を含めた措置を検討します。
在宅支援
在宅支援とは、子どもの生活拠点は家庭のままにして、家族への支援を行うことです。在宅支援が行われる場合は、虐待のリスクはあるが「止めたい」という保護者の意思が確認できるときや、保護者を支援することで問題の改善が期待できるときなどです。児童相談所や自治体、民間団体などさまざまな機関から広い支援を受けることができます。
1.ペアレントトレーニング
ペアレントトレーニングとは、行動療法的な考え方を使って保護者自身が子どもとの関わり方を学んでいく方法です。
子どもを自分の思い通りに操作するために暴力や暴言に頼る方法ではなく、より良い関係の中で親子関係を築く方法を学びます。
2.ピアカウンセリング
ピアカウンセリングとは、子育てに困りごとを抱えている保護者同士が話し合うことで困りごとを共有し、支え合う関係性を築くことです。
境遇が似ている人と気持ちを共有することで、自分自身の行動を受け止め、許容することができるようになります。
3.支援団体と保護者の面談
主に児童相談所と行政の担当課による家庭訪問や面談です。話を聞いたり、困りごとの相談に応じたりすることで、保護者が孤立してしまうことを防ぎつつ、子どもに対する行動を客観的にとらえられるように促します。
4.幼稚園、学校内での見守り
主に教職員によるモニタリングを行います。また、子どもへの日常生活に関する質問を通して子どもが健やかに育っているか、虐待の再発はなさそうかの変化を観察します。児童相談所から指示があれば、追加の支援も行われます。
5.地域での見守り
児童委員の人が家庭訪問等を通して、家庭内の状況を見守ります。
1.ペアレントトレーニング
ペアレントトレーニングとは、行動療法的な考え方を使って保護者自身が子どもとの関わり方を学んでいく方法です。
子どもを自分の思い通りに操作するために暴力や暴言に頼る方法ではなく、より良い関係の中で親子関係を築く方法を学びます。
2.ピアカウンセリング
ピアカウンセリングとは、子育てに困りごとを抱えている保護者同士が話し合うことで困りごとを共有し、支え合う関係性を築くことです。
境遇が似ている人と気持ちを共有することで、自分自身の行動を受け止め、許容することができるようになります。
3.支援団体と保護者の面談
主に児童相談所と行政の担当課による家庭訪問や面談です。話を聞いたり、困りごとの相談に応じたりすることで、保護者が孤立してしまうことを防ぎつつ、子どもに対する行動を客観的にとらえられるように促します。
4.幼稚園、学校内での見守り
主に教職員によるモニタリングを行います。また、子どもへの日常生活に関する質問を通して子どもが健やかに育っているか、虐待の再発はなさそうかの変化を観察します。児童相談所から指示があれば、追加の支援も行われます。
5.地域での見守り
児童委員の人が家庭訪問等を通して、家庭内の状況を見守ります。
社会的養護
親子を分離する必要があると判断された場合は、児童福祉施設や里親に預けられます。子どもの保護を保護者が拒否するときは、児童相談所が裁判所に申し立てをし、裁判所の命令によって児童を保護することになります。
今までは児童福祉施設に預けられることが多かったものの、2017年8月に厚生労働省が被虐待児の施設受け入れよりも、里親の受け入れを増やす方針を発表しました。この方針は、家庭に近い環境での発育が必要な子どもの選択肢を広げることが狙いです。こういった世相の変化によって、子どもの特徴に合った、支援の幅が広がっていくことになるでしょう。
子どもが保護されている間には、保護者に向けた関係機関からの支援が行われます。支援によって親子関係の再構築が望める場合、家族が再び一緒に暮らすこともあります。
今までは児童福祉施設に預けられることが多かったものの、2017年8月に厚生労働省が被虐待児の施設受け入れよりも、里親の受け入れを増やす方針を発表しました。この方針は、家庭に近い環境での発育が必要な子どもの選択肢を広げることが狙いです。こういった世相の変化によって、子どもの特徴に合った、支援の幅が広がっていくことになるでしょう。
子どもが保護されている間には、保護者に向けた関係機関からの支援が行われます。支援によって親子関係の再構築が望める場合、家族が再び一緒に暮らすこともあります。
子どもに虐待しそうになったときは
「自分が虐待をしてしまうのではないか」「自分が虐待をしているのではないか」、また「どうしても自分をコントロールできない」などと悩む保護者の方も少なくないようです。
そういった悩みを抱える保護者向けのサポートがあります。
子育ての悩み相談や地域で受けられるサポートを知りたい場合は、児童相談所のほか各市区町村の役場(役所)にある「児童福祉課」「子育て相談課」で対応してもらえます。情報収集や気軽に話せる相手がほしい場合はサポートをしている団体に連絡してみるとよいでしょう。
また、社団法人子どもの虐待防止センターでは、電話での相談を受け付けていると共に、育児スキルトレーニングの教室の実施なども行っているところもあります。このように信頼できる専門機関とつながることで、育児のストレスを減らすことが期待されます。
そういった悩みを抱える保護者向けのサポートがあります。
子育ての悩み相談や地域で受けられるサポートを知りたい場合は、児童相談所のほか各市区町村の役場(役所)にある「児童福祉課」「子育て相談課」で対応してもらえます。情報収集や気軽に話せる相手がほしい場合はサポートをしている団体に連絡してみるとよいでしょう。
また、社団法人子どもの虐待防止センターでは、電話での相談を受け付けていると共に、育児スキルトレーニングの教室の実施なども行っているところもあります。このように信頼できる専門機関とつながることで、育児のストレスを減らすことが期待されます。
まとめ
虐待は、保護者が故意に子どもに危害を加えるというイメージがあります。
子どもを傷つける行為自体は決して許されるものではありませんが、実は子育てに悩んでいて、どうすればいいのか分からずに虐待をしてしまっている人も多い現状があります。
そのような困りごとを抱えている家族を救うためには、周囲の人の通告が一番重要な役割を担っています。通告と言うと、その過程に与える影響が気になりためらってしまう人もいるのではないでしょうか。
けれども、通告は”悪い親“を罰するためではなく、困っている家庭を救うための手段です。親子の支援と早期発見が子どもの健やかな成長には必要です。虐待について知り、勇気を持って行動に移せる人が増えてほしいと思います。
子どもを傷つける行為自体は決して許されるものではありませんが、実は子育てに悩んでいて、どうすればいいのか分からずに虐待をしてしまっている人も多い現状があります。
そのような困りごとを抱えている家族を救うためには、周囲の人の通告が一番重要な役割を担っています。通告と言うと、その過程に与える影響が気になりためらってしまう人もいるのではないでしょうか。
けれども、通告は”悪い親“を罰するためではなく、困っている家庭を救うための手段です。親子の支援と早期発見が子どもの健やかな成長には必要です。虐待について知り、勇気を持って行動に移せる人が増えてほしいと思います。
ルポ 児童相談所: 一時保護所から考える子ども支援 (ちくま新書1233)
筑摩書房
Amazonで詳しく見る
育児放棄・ネグレクトの判断基準、ネグレクトを見つけたときに周りの大人ができること【専門家監修】
【専門家監修】愛着障害とは?医学的な診断名、愛着障害と発達障害との関連について
【専門家監修】子どもの家庭内暴力、親はどう対応すべき?他害の原因・発達障害との関連・具体的対処法
子どもの癇癪(かんしゃく)とは?癇癪を起こす原因や発達障害との関連は?しんどいときの対応方法、相談先まとめ【専門家監修】
【専門家監修】機能不全家族、アダルト・チルドレンにとは?原因、特徴、相談先や家族の立て直し方をご紹介
大人の癇癪(かんしゃく)とは?感情のコントロールができない…発達障害との関連は?【専門家監修】