夏に気をつけたい感染症の症状と対処法

症状

夏にかかりやすい感染症として代表的なものは手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)です。症状には粘膜部分の水ぶくれ、目の充血、のどの痛み、かいよう、発疹、発熱があり、くしゃみなどによる飛沫感染や、鼻水や唾液の付着による粘膜感染が主な原因となっています。

感染症の予防のためには、手洗い・うがい等、身体を清潔に保つことが重要です。他にも、プールに入った後は目を良く洗う、タオルを共有しない、などの対策が打てます。

発達障害ならではの困りごとと対処法

1. 自分の体調の異変に気づきにくい
夏ならではの感染症は、発疹や目の充血などわかりやすい初期症状が出ます。これらの症状にいち早く気付き、周囲に伝えられるようにしましょう。

例えば、発疹や充血している目の写真を見せ、異変とはどういうものかを理解できるようにします。また、毎朝熱を測る、その他症状を具体的に示したチェックリストを作って毎日決まった時間に確認する、などの工夫も考えられます。

2. 発疹をかきむしって化膿してしまった
衝動性や感覚鈍麻がある場合、発疹や水ぶくれを化膿するまでかき続けてしまうことがあります。薬によってかゆみを取り除きつつ、包帯を巻いたりつめを短く切るなど、掻いてしまっても重症化しにくくなるような工夫をしてみましょう。

3. 口内の水ぶくれが痛くて飲食できない
感覚過敏のお子さんの場合、口の中のできものが気になって食べることが苦痛になる場合があります。傷をなるべく刺激しないような食べ物を用意しましょう。例えば、うどんやゼリー状のもの、雑炊等がおすすめです。

熱中症対策は環境調整やこだわりにあわせて

症状

熱中症とは、高温多湿の環境に体が適応できずに起こる体調不良のことを言います。主な症状としてはめまい、疲労、ほてり、大量の発汗があります。手当てが遅れて重症化すると熱射病や脱水症状につながり、命に関わることもあります。

こまめな水分補給、気温と湿度によって衣服を調整する、車内や屋内ではクーラーを適切に使う、日陰で休憩する時間をとる、などの方法によって予防できます。

発達障害のある子どもによくみられる困りごとと対処法

1. 身体の異変に気付かない
熱中症の兆候として、大量の発汗やめまい、からだのほてりがありますが、遊びに集中しすぎて気付かないことがあります。

対策としては、汗をたくさんかいている子どもの写真を見せて「こうなっていたら教えてね」と教えることや、お風呂あがりに温まったからだに触らせて「外でこのくらい身体が熱くなったら先生に言うんだよ」と伝えておくことが挙げられます。

また、先生や友達の保護者の人にも様子を見てもらうようにお願いしておくことも手です。

2. 環境の調整ができない
こだわりや感覚鈍麻があり、室内にいるときの温度や湿度を調整することに難しさを感じる子どもがいます。

その場合、気温の高低によって色が分かれている温度計や数字がわかりやすい湿度計を使います。「温度計の目盛りが黄色に来たらエアコンつけてね」「湿度計の目盛りがここまできたら窓を開けてね」など、明確な基準と一緒に説明しましょう。

3. 独特の基準で服を選んでいる
感覚の偏りやこだわりの強さによって、また、気温の変化を感じ取れないために、環境に合わない服を選んでしまうことがあります。

こういった場合、色味や素材などは本人の感覚に合わせつつ、バリエーションを増やしてみましょう。夏場はなるべく通気性、速乾性がある生地の衣服をえらべるとよいです。

また、気温の変化に適応できない場合は温度計を見せながら「○○度以上になったら半袖の服を着る」と決めたり、気温と衣服の対応表をつくったりしてみましょう。

急な腹痛、中耳炎の痛みでパニック、皮膚トラブル...その他の夏の不調の対処法!

上に挙げた代表的な不調のほかにも、夏に注意したい病気がいくつかあります。

とびひ

1. 症状
虫さされを掻き続けた結果、皮膚が化膿し、水ぶくれやかさぶたができた状態をとびひと言います。ただの傷に思えますが、化膿したところからバイ菌が繁殖して重大な感染症を招くこともあるので悪化を防ぐことが重要です。

2. 困りごとと対処法
皮膚(ひふ)に傷ができた場合に最も気をつけたいことは、患部を清潔に保つことです。なるべく菌が繁殖しないように保ちながら、回復を待ちましょう。

発達障害がある子どもの中には、体を清潔にする習慣が定着しにくかったり、ずっとかきむしったりで傷が悪化してしまいがちなお子さんもいます。

皮膚を清潔に保つ方法を学ぶために、どこをどうやって洗えばよいか視覚的・具体的に理解できるような図をお風呂に貼ってみましょう。

他にも、ついつい掻いてしまうのを防ぐために包帯を巻く、かいた時のダメージを減らすためにつめを短く切っておく、手指を清潔に保っておく等の対策もよいでしょう。

中耳炎

1. 症状
中耳炎は耳の内部にある中耳という部位にバイ菌が入って、耳鳴りや痛み、発熱、耳たれ等を発症する病気です。主に就学前の子どもがよくかかる病気だといわれています。

2. 困りごとと対処法
中耳炎は耳に水がたまったり、鼻水がつまってバイ菌が移ったりすることが原因です。プールに入ったときに耳に入った水が抜けていなかったり、鼻水をすすりすぎて耳まで逆流してしまったときに発症します。

耳に痛みが生じるので、感覚過敏の子どもはとてもつらく感じパニックを起こしてしまうことがあるでしょう。病院で痛み止めをもらうほか、耳を冷やすことで痛みを抑えてみましょう。

胃腸炎(嘔吐、下痢)

1. 症状
胃腸炎は飲食したものからバイ菌が感染し、嘔吐や下痢の症状を起こすことです。汚染されたものを食べる以外にも、バイ菌が付着した手が口に入ることで感染することがあります。

2. 困りごとと対処法
胃腸炎の予防策としては、身体を清潔に保つことが一番重要です。家族全員が帰ってきたら手洗いうがいをすることを習慣にしましょう。

他にも生ものは食べないようにする、肉類や海鮮を食べるときは火が通っているか確認する習慣をつけましょう。

絵カードなどで帰ってきたら手洗いうがいをする流れを見える化する、火が通っている肉の写真と通っていない肉の写真を比較することで違いを認識できるようにする等の方法がとれます。
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