ADHDのある人に処方される薬コンサータの効果や副作用、コンサータとストラテラ違いも解説【精神科医監修】
2017/08/31 更新
コンサータはADHD(注意欠如・多動性障害)のある人に処方される薬です。コンサータはどのような薬なのでしょうか。効果だけでなく、副作用も気になりますよね。この記事ではコンサータの効果や副作用だけでなく、副作用への対処法やストラテラとの違いについても詳しく解説します。

発達障害のキホン
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監修: 山科満
中央大学文学部教授
精神科医から文系の大学教員となって,発達障害傾向ゆえに不適応に陥っている若者の多さに驚き,発達障害と本腰を入れて向き合うようになった。
目次
コンサータとはどんな薬?
コンサータは、「メチルフェニデート塩酸塩」という成分の入った薬の販売名です。ADHDのある人に処方される飲み薬で、ADHDが原因であらわれる不注意、多動性、衝動性を改善させる効果があります。
2007年に6歳から18歳未満の児童に対する治療薬として承認され、2013年には18歳以上の成人にも適応されるようになりました。
これまでADHDに適応が認められている薬は「コンサータ」と「ストラテラ」のふたつだけでしたが、2017年5月には「インチュニブ」も追加され、現在は3つの薬がADHDに処方できるようになりました。
いずれの薬も医師から処方されるものですので、処方箋なしでは入手できません。特にコンサータは流通規制がとられており、登録した医師だけが処方できるような厳しいシステムが整備されています。
この背景には、かつてADHDのある人に処方されていたナルコレプシーの治療薬「リタリン」の乱用が社会問題となったことがあげられます。コンサータとリタリンは同じ成分で作られている薬なので、乱用を防ぐために厳しい枠組みがつくられました。
なお、現在はリタリンにも流通規制委員会が設置されており、コンサータと同様にどちらの薬も正しく服用していれば乱用や依存などの心配はありません。
リタリンが規制の対象となった経緯は、リタリンの解説記事をご覧ください。
2007年に6歳から18歳未満の児童に対する治療薬として承認され、2013年には18歳以上の成人にも適応されるようになりました。
これまでADHDに適応が認められている薬は「コンサータ」と「ストラテラ」のふたつだけでしたが、2017年5月には「インチュニブ」も追加され、現在は3つの薬がADHDに処方できるようになりました。
いずれの薬も医師から処方されるものですので、処方箋なしでは入手できません。特にコンサータは流通規制がとられており、登録した医師だけが処方できるような厳しいシステムが整備されています。
この背景には、かつてADHDのある人に処方されていたナルコレプシーの治療薬「リタリン」の乱用が社会問題となったことがあげられます。コンサータとリタリンは同じ成分で作られている薬なので、乱用を防ぐために厳しい枠組みがつくられました。
なお、現在はリタリンにも流通規制委員会が設置されており、コンサータと同様にどちらの薬も正しく服用していれば乱用や依存などの心配はありません。
リタリンが規制の対象となった経緯は、リタリンの解説記事をご覧ください。

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コンサータがADHDの症状を改善するしくみって?
ADHDの原因は解明されていませんが、脳内の神経同士の連絡を助ける働きをもつ神経伝達物質が活発に働かないことも原因のひとつだと推測されています。
ADHDに深くかかわると考えられている神経伝達物質は、「ドーパミン」と「ノルアドレナリン」で、コンサータはそのうちのひとつ「ドーパミン」に作用する薬です。
ドーパミンは脳の報酬系とよばれる回路で作用する神経伝達物質で、行動を起こす際の動機付け、学習や作業などの目的のともなう行動を起こすことや、ワーキングメモリを働かせることなどで重要な役割を担っていると考えられています。
「ドーパミン」が放出されると、ドーパミンを受け取る場所「ドーパミン受容体」に取り込まれます。このとき受容体に取り込まれなかったドーパミンは、再利用されるためにドーパミントランスポーターと呼ばれる再取り込み口から神経細胞に戻されます。
しかし、ADHDのある人は、本来ならドーパミン受容体で取り込まれるはずのドーパミンが、再取り込み口から神経細胞に戻されてしまっているのではないかと考えられています。
その結果として神経伝達がうまく機能せず、不注意や多動性といったADHDの特性としてあらわれてしまっているとみられています。
コンサータは、このドーパミンが再取り込みされる働きを抑制して、ドーパミンが受容体にうまく結びつけるように助けることで、ADHDの症状を改善させるのです。
ADHDに深くかかわると考えられている神経伝達物質は、「ドーパミン」と「ノルアドレナリン」で、コンサータはそのうちのひとつ「ドーパミン」に作用する薬です。
ドーパミンは脳の報酬系とよばれる回路で作用する神経伝達物質で、行動を起こす際の動機付け、学習や作業などの目的のともなう行動を起こすことや、ワーキングメモリを働かせることなどで重要な役割を担っていると考えられています。
「ドーパミン」が放出されると、ドーパミンを受け取る場所「ドーパミン受容体」に取り込まれます。このとき受容体に取り込まれなかったドーパミンは、再利用されるためにドーパミントランスポーターと呼ばれる再取り込み口から神経細胞に戻されます。
しかし、ADHDのある人は、本来ならドーパミン受容体で取り込まれるはずのドーパミンが、再取り込み口から神経細胞に戻されてしまっているのではないかと考えられています。
その結果として神経伝達がうまく機能せず、不注意や多動性といったADHDの特性としてあらわれてしまっているとみられています。
コンサータは、このドーパミンが再取り込みされる働きを抑制して、ドーパミンが受容体にうまく結びつけるように助けることで、ADHDの症状を改善させるのです。
コンサータの用法・用量
コンサータは錠剤の薬で、18mg、27mg、36mgの3種類があります。子どもも大人も18mgから服用をはじめ、その人の適量となるように必要に応じて増量していくようです。
なお、18歳未満の子どもでは54mg、18歳以上では72mgが服用の上限です。医師が診断のもとで、その人にとって適正な量を処方するので、自分で増量して服用することはできません。
コンサータは1日1回朝に服用します。服用時間が遅くなると夜眠れなくなってしまうことがあるため、午後には服用しないように気をつけましょう。
なお、18歳未満の子どもでは54mg、18歳以上では72mgが服用の上限です。医師が診断のもとで、その人にとって適正な量を処方するので、自分で増量して服用することはできません。
コンサータは1日1回朝に服用します。服用時間が遅くなると夜眠れなくなってしまうことがあるため、午後には服用しないように気をつけましょう。
コンサータはすぐに効果があらわれます
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