気分変調症/気分変調性障害とは?うつとの違いは?症状、診断基準、治療から併存しやすい病気を解説します!【精神科医監修】
ライター:発達障害のキホン
気分変調症/気分変調性障害とは、比較的軽度の気分の落ち込みが慢性的に続く病気のことを指します。成人期早期に発症することが多く、慢性的な経過をたどりやすい病気です。
この記事では、症状、診断基準、治療方法、支援情報から、性格との関係、併存しやすい病気まで紹介します。

監修: 増田史
精神科医、医学博士
滋賀医科大学 精神医学講座 助教
NPO法人ストップいじめナビ 特任研究員
社会医療法人杏嶺会 上林記念病院 こども発達センターあおむし 非常勤医師
精神疾患の偏見解消に向けた活動や、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症の脳機能に関する研究を行なっている。
滋賀医科大学 精神医学講座 助教
NPO法人ストップいじめナビ 特任研究員
社会医療法人杏嶺会 上林記念病院 こども発達センターあおむし 非常勤医師
気分変調症/気分変調性障害とは?
気分変調症とは、比較的軽度の気分の落ち込みが慢性的に続く病気のことを指します。
成人期早期に発症することが多く、短くても数年間、ときには一生続くこともある慢性的な経過をたどりやすい病気です。
症状があっても、本人は病気ではなく性格的な問題であると考えていることもあり、適切な治療が早期に受けられないこともあります。
この病気の症状自体は比較的軽度ですが、就学や就労、家事などの社会的な役割や人間関係など、日常生活に及ぼす影響は、うつ病と同等あるいはそれ以上と言われています。
男性と比べると女性のほうが約2倍の確率で発症しやすく、うつ病(大うつ病性障害)や不安障害、パーソナリティ障害などの他の精神疾患と併存する可能性があります。
「気分変調症」という名称は世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)(※)診断基準におけるものです。
一方、アメリカ精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第4版 テキスト改訂版)では気分変調性障害、『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では『DSM-Ⅳ』における気分変調性障害と慢性の大うつ病性障害を統合した障害概念になり、持続性抑うつ障害(気分変調症)という名称になりました。
これらは名称こそ異なりますが、症状などの内実はほとんど共通します。
この記事では、ICD-10とDSM-5をひきながら説明致します。
※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。WHOでの公表・承認を受けて、各国では翻訳やICD-10/11 変換表の作成、疾病分類表、死因分類表の作成などの作業が進められ、審議、周知などを経て施行されていきます。ICD-11への改訂によって分類コードが変化すると、書類上で要求されるICDコードが変わったり、疾病概念やカテゴリー、名称や診断基準も変更になる可能性もあります。
成人期早期に発症することが多く、短くても数年間、ときには一生続くこともある慢性的な経過をたどりやすい病気です。
症状があっても、本人は病気ではなく性格的な問題であると考えていることもあり、適切な治療が早期に受けられないこともあります。
この病気の症状自体は比較的軽度ですが、就学や就労、家事などの社会的な役割や人間関係など、日常生活に及ぼす影響は、うつ病と同等あるいはそれ以上と言われています。
男性と比べると女性のほうが約2倍の確率で発症しやすく、うつ病(大うつ病性障害)や不安障害、パーソナリティ障害などの他の精神疾患と併存する可能性があります。
「気分変調症」という名称は世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)(※)診断基準におけるものです。
一方、アメリカ精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第4版 テキスト改訂版)では気分変調性障害、『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では『DSM-Ⅳ』における気分変調性障害と慢性の大うつ病性障害を統合した障害概念になり、持続性抑うつ障害(気分変調症)という名称になりました。
これらは名称こそ異なりますが、症状などの内実はほとんど共通します。
この記事では、ICD-10とDSM-5をひきながら説明致します。
※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。WHOでの公表・承認を受けて、各国では翻訳やICD-10/11 変換表の作成、疾病分類表、死因分類表の作成などの作業が進められ、審議、周知などを経て施行されていきます。ICD-11への改訂によって分類コードが変化すると、書類上で要求されるICDコードが変わったり、疾病概念やカテゴリー、名称や診断基準も変更になる可能性もあります。
気分変調症/気分変調性障害の症状
気分変調症/気分変調性障害の症状はどのようなものでしょうか?アメリカ精神医学会の『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』を参考に、持続性抑うつ障害(気分変調症)の方が訴える症状を紹介します。
A.うつ気分がほとんど1日中存在し,それのない日よりもある日の方が多く,その人自身の説明または他者の観察によって示され,少なくとも2年続いている.
B.抑うつの間,以下のうち2つ(またはそれ以上)が存在すること:
(1)食欲の減退または増加
(2)不眠または過眠
(3)気力の減退または疲労感
(4)自尊心の低下
(5)集中力の低下または決断困難
(6)絶望感
参考文献:高橋三郎ら/訳『DSM‐5 精神疾患の診断・統計マニュアル』2014年 医学書院/刊
このような症状が慢性的に2年以上続いているものを気分変調症と呼んでいます。うつ病とは症状が重複しているために、正確にうつ病と分けるのは難しい場合もあります。
気分変調症/気分変調性障害と併存しやすい病気
気分変調症はうつ病やパニック障害、境界性パーソナリティ障害などの病気と合併することが多い病気です。以下において、それぞれの病気を簡単に紹介します。
うつ病
うつ病と気分変調症は、症状は重複する点も多いですが、うつ病のほうが症状が重いことと、症状が持続する期間がより短い点において異なります。
気分変調症とうつ病が合併した状態は「二重うつ病」「重複うつ病」とも呼ばれ、再発率が高く、治療が難しいとされています。
気分変調症の診断を受けた患者がうつ病を併発し二重うつ病になる確率は、だいたい40%とかなり高いため、注意が必要です。
気分変調症とうつ病が合併した状態は「二重うつ病」「重複うつ病」とも呼ばれ、再発率が高く、治療が難しいとされています。
気分変調症の診断を受けた患者がうつ病を併発し二重うつ病になる確率は、だいたい40%とかなり高いため、注意が必要です。
パニック障害
パニック障害は突然の動悸やめまい、発汗とともに恐怖を感じる精神障害です。また、発作を繰り返すにつれて、「また発作が起こるのではないか」という不安と、「発作が起こる状況に対する恐怖」とを感じるようになります。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
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境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder:BPD)は、対人関係や自己に対するイメージなどの広い範囲において、激しく考え方や感情が変化していく特性がある障害です。
自己イメージの混乱や見捨てられ不安などの特性があります。
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