気分変調症/気分変調性障害とは?症状、診断基準、治療から併存しやすい病気、病気と性格との関係まで

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気分変調症/気分変調性障害とは、比較的軽度の気分の落ち込みが慢性的に続く病気のことを指します。成人期早期に発症することが多く、慢性的な経過をたどりやすい病気です。

この記事では、症状、診断基準、治療方法、支援情報から、性格との関係、併存しやすい病気まで紹介します。

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目次 気分変調症/気分変調性障害とは? 気分変調症/気分変調性障害の症状 気分変調症/気分変調性障害と併存しやすい病気 気分変調症/気分変調性障害は性格なの? 気分変調症/気分変調性障害の診断基準のポイント 気分変調症/気分変調性障害はどのように治療するの?完治はするの? 気分変調症/気分変調性障害のある人の生活や仕事をサポートしてくれる制度 まとめ

気分変調症/気分変調性障害とは?

気分変調症とは、比較的軽度の気分の落ち込みが慢性的に続く病気のことを指します。

成人期早期に発症することが多く、短くても数年間、ときには一生続くこともある慢性的な経過をたどりやすい病気です。

症状があっても、本人は病気ではなく性格的な問題であると考えていることもあり、適切な治療が早期に受けられないこともあります。

この病気の症状自体は比較的軽度ですが、就学や就労、家事などの社会的な役割や人間関係など、日常生活に及ぼす影響は、うつ病と同等あるいはそれ以上と言われています。

男性と比べると女性のほうが約2倍の確率で発症しやすく、うつ病(大うつ病性障害)不安障害パーソナリティ障害などの他の精神疾患と併存する可能性があります。

「気分変調症」という名称は世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)診断基準におけるものです。

一方、アメリカ精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第4版 テキスト改訂版)では気分変調性障害、『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では持続性抑うつ障害という名称となります。

これらは名称こそ異なりますが、症状などの内実はほとんど共通します。

この記事では、ICD-10とDSM-Ⅳ-TRをひきながら説明致します。

気分変調症/気分変調性障害の症状

気分変調症/気分変調性障害の症状はどのようなものでしょうか?アメリカ精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』を参考に、気分変調性障害の方が訴える症状を紹介します。

・抑うつ気分がほぼ一日中ある日が多い
・食欲の異常(食欲減退か過食)
・睡眠障害(不眠か過眠)
・気力の低下や疲労感
・自尊心の低下
・集中力低下や決断困難
・絶望感
参考文献:高橋三郎ら/訳『DSM‐IV‐TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』2003年 医学書院/刊

出典:http://amzn.asia/foU5vtU
これらの症状はうつ病とかなり類似しているため間違えられることもあります。

気分変調症/気分変調性障害と併存しやすい病気

気分変調症はうつ病やパニック障害、境界性パーソナリティ障害などの病気と合併することが多い病気です。以下において、それぞれの病気を簡単に紹介します。

うつ病

うつ病と気分変調症は、症状は非常に類似していますが、うつ病のほうが症状が重いことと、症状が持続する期間がより短い点において異なります。

気分変調症とうつ病が合併した状態は「二重うつ病」「重複うつ病」とも呼ばれ、再発率が高く、治療が難しいとされています。

気分変調症の診断を受けた患者がうつ病を併発し二重うつ病になる確率は、だいたい40%とかなり高いため、注意が必要です。

パニック障害

パニック障害は突然の動悸やめまい、発汗とともに恐怖を感じる精神障害です。また、発作を繰り返すにつれて、「また発作が起こるのではないか」という不安と、「発作が起こる状況に対する恐怖」とを感じるようになります。

詳しくは以下の記事をご参照ください。
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境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder:BPD)は、対人関係や自己に対するイメージなどの広い範囲において、激しく考え方や感情が変化していく特性がある障害です。

自己イメージの混乱や見捨てられ不安などの特性があります。

詳しくは以下の記事をご参照ください。
境界性パーソナリティ障害とは?不安・衝動的になる原因・診断基準・治療・周りの人の対処法を紹介のタイトル画像
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気分変調症/気分変調性障害は性格なの?

以前は、抑うつ神経症、抑うつ性パーソナリティなどと呼ばれ、性格的なものであると考えられていました。

しかし現在は、性格ではなく病気であり薬物療法の対象であるという考え方が主流です。

この病気の症状自体は比較的軽症のため、患者さんにとって日常の一部となってしまい、病気であることに自分ではなかなか気づけないこともあります。

そのため、うつ病以上に隠れた疾患であるとも言われています。

気分変調症/気分変調性障害の診断基準のポイント

ICD-10における診断基準

公的な申請に必要な診断書にも使われる、ICD-10における気分変調症の診断基準のポイントを紹介いたします。

・慢性的な気分の落ち込みが2年以上続いていること
・数日から数週間程度の回復期間があることもある
・気分の落ち込みは比較的軽症であること
・以下の項目のうち、3項目以上の症状が存在すること
(1)エネルギーあるいは活動性の低下
(2)不眠
(3)自信喪失あるいは不全感
(4)集中困難
(5)涙もろさ
(6)セックス及び他の快楽をもたらす活動に対する興味あるいは喜びの喪失
(7)望みのない感じ,あるいは絶望感
(8)日常生活上の日課に対処できないという自覚
(9)将来に関する悲観,あるいは過去についての思い煩い
(10)社会からの引きこもり
(11)会話量の減少
(引用:中根 允文ら/訳 『ICD-10精神および行動の障害-DCR研究用診断基準 新訂版』 2008年 医学書院/刊 p.98−99)

出典:http://amzn.asia/26plGHk

気分変調症/気分変調性障害はどのように治療するの?完治はするの?

気分変調症には画一的な治療法はありません。その人自身の人生の歴史や性格、今置かれている環境などを考慮して、ケースバイケースに対応して行く必要があります。

気分変調症の治療では、一般的には抗うつ薬などの薬物療法と並行して、カウンセリングなどの精神療法が行われれるようです。

「完治」ではなく「寛解」をめざす

気分変調症を含め、精神疾患はかなり再発しやすい傾向にあります。

そのため、基本的には完全に病気が治ったという意味の完治という言葉を使いません。代わりに、症状が一時的に良くなったり、消えたりした状態を「寛解」と表現し、これを治療の目標とします。

わざわざ「寛解」という言葉を使うのは、たとえ服薬などにより調子がよくなったとしても、無理をしすぎず、焦らず今の状態を維持するために気遣う必要があるためなのです。

とくに、慢性的な経過をたどりやすい気分変調症は、長い目で経過を見守るという心持ちでいることが大切です。

気分変調症/気分変調性障害のある人の生活や仕事をサポートしてくれる制度

就労で困ったときに使えるサービス

気分変調症は慢性的な疾患で、日常生活や働くうえでも影響が出てくる場合があります。

就労で困ったときに使えるサービスとしては、公共職業安定所(ハローワーク)や就労移行支援、就労継続支援などがあります。

これらの就労支援サービスについては以下の記事をご覧ください。
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自立支援医療(精神通院医療)

自立支援医療(精神通院医療)とは精神疾患がある方で、かつ、通院による継続的な治療が必要な場合、その通院医療にかかわる医療費負担が原則1割になる制度です。

詳しくは、以下のリンクをご参照ください。
気分変調症の方が受けられる自立支援医療以外の経済的な支援などについては以下の記事をご参照ください。
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精神疾患かな?と思ったら…病院選びから治療、経済面・生活面などの支援、相談先、対応の仕方まで

相談窓口

仕事や生活などで困った時は、精神保健福祉センターに相談してみることをオススメします。

精神保健福祉センターとは各都道府県及び政令指定都市に設置されている精神保健や精神障害者の福祉に関する機関です。こころの悩み全般に専門家がこたえてくれますので、気兼ねなく連絡してみましょう。

以下のリンクで全国の精神保健福祉センターを検索できます。

まとめ

気分変調症はたしかに症状としては軽度であるとはいえ、気分の落ち込みなどのつらい症状が長引く病気です。また、その症状が日常生活に及ぼす悪影響は決して軽度ではなく、見過ごして良いものではありません。

少しでも気になる症状がある方は、少し勇気を出して、お近くの精神保健福祉センターや精神科・心療内科に相談してみてはいかがでしょうか?

自分だけでは見えてこなかった解決策が見つかるかもしれません。
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