【後編】30歳、プログラマー、大人の発達障害。私が掴んだ「人生をラクに生きる」サバイバル術

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私は相手の気持ちを考えることが苦手。空気を読めず、言ってはいけないことを口走り、白い目で見られたことは数え切れません。でも現在、べンチャー企業でシステム開発の部署の管理職をつとめています。

対人関係に苦手意識を持つ私は、周りの人と付き合うとき、ある考え方―人生をラクに生きるためのサバイバル術―をベースに行動しています。

ちょっと低空飛行だけど、今、幸せに生きている私の話を、前・後編に渡って紹介。後編では、不登校やうつ病、休職を経てようやく掴んだ、このサバイバル術についてお伝えします。

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凸庵(とつあん)
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「【前編】30歳、プログラマー、大人の発達障害。私が掴んだ「人生をラクに生きる」サバイバル術では、私の生い立ちについてお話しました。この【後編】では、不登校やうつ病、休職を経てようやく掴んだ、このサバイバル術についてお伝えします。
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「人生をラクに生きる」ためのサバイバル術とは

それでは早速、私が実践する「人生をラクに生きる」ためのサバイバル術を紹介します。

サバイバル術の基本となるのは、次の3つの考え方です。

1. 他人から激しく嫌われなければそれでいい
2. 周りと同じように振る舞えていれば問題にならない
3. どうしようもないものはあきらめて受け入れる


この考え方をもとに行動することで、無理せず、ラクに生きていくことができています。あくまで私の実践例ですが、生きにくさを感じている方の参考例にはなるのではないかと期待しています。それでは、次からそれぞれについて解説していきます。

他人から激しく嫌われなければそれでいい

ひとつ目の考え方は「他人から激しく嫌われなければそれでいい」という考え方です。

若いころの私は、人から嫌われることに恐怖を感じていました。何をするにも、相手から好かれるために「とりあえず相手にあわせる」ように行動していました。

たとえば飲み会に誘われたら、私にとって楽しくないとわかっていても参加していました。断ったら嫌われていじめにあうと思っていたからです。上司からゴルフに誘われたのでゴルフを始めたこともありました。でも、飲み会もゴルフも、私にとっては苦痛以外の何物でもありませんでした。

なぜなら…
・相手が何を考えているのかわからないけど気を使わなければいけない
・決して少なくないお金も払わなければならない
・特に仲が良くなるわけでもない

という三重苦しか感じられなかったからです。

周りと敵対しない程度に、自分がラクになる行動をする

こうした行為は、自分で自分に罰ゲームを課しているようなものでした。うつ病にかかっていたこともあり、生きているのがつらく、何のために生きているのかよくわからなくなっていました。

うつ病から回復し始めたころから「どうせほとんどの人と仲良くなれないなら、誰とも敵対しない程度に、自分がラクになる行動をしてみよう」と考えるようにしました。それからは、飲み会もゴルフも自分が楽しそうだなぁと思うものだけ参加するようにし、気のりしないものは全部断るようにしました。他のお誘いや普段の行動も、自分が楽しくなれそうかどうかを基準にして行くようにしました。

「将来のために貯金を始めたんです」とか「その日は用事が入ってて…すいません」という具合に誘いを断っても、ほとんどの人は「ふーん」という感じで特に気にしていないようでした。

そのうち、一緒にいて楽だなぁと感じる人と仲良くなることが増えました。私の振舞いや行動が変わったことで、周りの人に与える印象も変わっていったのかもしれません。

相手に好かれるために、必要以上に好かれそうな行動をする必要はないのです。昔の自分はいったい何をそんなに怖がっていたのだろう?と思います。

周りと同じように振る舞えていれば問題にならない

でも、自分がラクなように行動してたら周りの人から白い目で見られるんじゃないか?という不安を持つ人もいるかもしれません。

そこで紹介したいのが、2つ目の考え方「周りと同じように振る舞えていれば問題にならない」です。

私は昔から周りの人と同じように振る舞うことができず、とても悩んでいました。そのため、周りの人がどのように考えていてその結果どのように振る舞っているのかをずっと観察し、なるべく同じように考えて同じように振る舞うように努力していました。

数年かけていろいろと見聞きし、実践し、自分なりにたどり着いた答えは「誰もなぜそれをやるのかをそんなに深く考えていない」というものでした。

「なぜそうするのか」よりも「いつそうすべきなのか」

私が本当に考えなければいけなかったことは、「どう考えてなぜそのような振舞いをしているか」ではなく、単純に「どういう状況でどんな振舞いをすべきか」ということに気づいたのです。

・相手が自分に気を使ってくれたな と思ったらべつにありがたくなくても頭を下げてお礼を言う
・相手が愉快そうなことを言ったら、意味がよくわからなくてもとりあえず笑顔を作る
・集団で行動するときはとりあえずおとなしくしておき、どこかに移動しそうなら一緒に移動しておく


多くの場合、その状況における適切な(らしい)振る舞いをすれば、なぜそういう振る舞いをしたのかは問われません。テーブルマナーや冠婚葬祭のしきたりと同じようなものです。

なぜやらなければならないのか気になることもあるかもしれません。でも多くの場合理由なんてありませんし、知らなくても問題にはなりません。外国の独特な祭りや風習を見たときのように「ここではそういう風習があるのだなぁ」くらいの感覚でいれば良いのです。

うまくやっていくためには、「どんな状況の時にどんな振舞いをするのが適切なのか」というパターンをたくさん身につけておくと、周りとの違いを減らせ、問題が起こることを防げます。そういうものだと思ってしまえば、心が壊れることもありません。

どうしようもないものは、あきらめて受け入れる

何かで失敗してしまったときなどは自分が発達障害であることを呪ってしまうこともあるかもしれません。また、自分としてはなるべく周りとなじめるよう振る舞っているつもりなのにどうしても周りの人とうまくいかない ということもあると思います。

そういう時は、3つ目の考え方の「どうしようもないものはあきらめて受け入れる」のです。
自分が発達障害であることも、周りの人が自分を好きになってくれないことも、どちらも自分の力ではどうしようもないものです。朝起きたら突然発達障害の症状がたちどころになくなっているとか、ある日突然周りの人から好かれるようになるなんてことは起こりません。

自分の力ではどうしようもないことに多くのエネルギーを浪費する必要はありません。それより自分にとってもっとプラスになることにエネルギーを注ぎましょう。自分が楽しいと思うことをやっていると自分に合った他者と巡り合う可能性が高くなると考えましょう。

最後に

とはいえ自分の力で変えれるかもしれないところは努力してみましょう。その経験はまったく思わぬところで活きてくるかもしれません。たとえば私が今書いているこの記事もそうして生まれたものです。

サバイバル術を掴み実践するようになって、私はようやく発達障害の特徴を持っている自分を気に入ることができるようになりました。

自分の世界に入ってひとつのことに深く集中し続けることはとても楽しい体験ですし、結果として他の人よりもたくさんの仕事をこなすことができます。感情論ではなく合理的に考えられることも、プログラマーとしてさまざまなことを効率化する際にはとても有利に働いています。

発達障害の特徴があることは、必ずしもネガティブなことだけではないと、私は強く感じながら、今を生きています。
ASD(アスペルガー症候群)、ADHD、LD 職場の発達障害
宮尾 益知 監修
河出書房新社
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司馬 理英子
主婦の友社
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