×がついた問題は見たくもない!完璧主義の足枷を外すために母が示した3つのステップ

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学校の宿題をしたり、自宅でドリルなどを使って学習するとき、お子さんが苛立ったり怒ったりしながら取り組んでいることはありませんか?両極思考の激しいアスペルガーの娘は、常に苛立ちながら問題を解いては、怒り狂っているのです。

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間違えた自分が許せない完璧主義の娘

アスペルガー症候群の9歳の娘は、小学校に通うことが困難になり、現在は「ホームスクール」として自宅で自分にあった学習方法を模索しながら生活しています。

そんな娘は近頃、得意分野の検定を受験することを決めました。努力家な娘は合格すべく毎日決まった時間にその課題に取り組むのですが、問題を解いて丸つけをしたら、間違っているところを見返しもせず終わりにしてしまいます。

「きちんと間違った問題を確かめないと勉強したことにならないよ?」と声を掛けるものの、バツがついた問題に取り組もうとはしません。

これには私が見ていてもわかる、娘なりの理由があります。

わからない問題が出てきては激怒、丸つけで1つでも間違いがあれば激怒と、怒りの感情に振り回される娘は、1枚のプリントを1回やるだけで満身創痍。振り返りの体力も気力も残っていない状態になってしまうのです。

いつしかプリントを見るだけで嫌な顔をするようになり、取りかかるまでにも「間違える自分がバカで情けない」「生きていく価値がない」という呪いの言葉を延々と語るようになってしまいました。

完璧主義、0−100思考、白黒思考とよばれるアスペルガー症候群の特性が顕著に現れているのだと思います。とはいえ、それはそれで理解できるのですが、このままではせっかくの学ぶチャンスを自らの呪いによって遠ざけてしまうことになりますし、怨念のこもった言葉を聞かされ続ける私にも限界がやってきます。

一体どうすれば、この状態から抜け出せるのでしょうか?

学習のステップを視覚化し、今どの段階にいるのかを明確に

そこで、「そもそも勉強ってなんだろう?」というところから娘との話し合いをスタートさせてみました。

「勉強ってなんだと思う?」
「まだ知らないことを知って自分のものにしていくこと?」

「そうだよね。じゃあ、このやるだけやって置いてあるプリントはどんな状態だと思う?」
「どんなって、私は勉強したつもりだけど?」

「うん、そうなんだよね。プリントを終わらせたら、なんだか“勉強した~!”っていう気になるんだけど、実はまだこれは勉強したことにはならないの」
「なんで!?がんばってやったのに!」

「がんばったよね。でも、丸つけをして間違ったところをそのままにしてあるでしょ?これだと『今できることやった』だけになっちゃうんだよ。わかる?」
「わかってるよ!どうせ私は何にもわかってないし、全然できてませんよ!」

「ううん、そうじゃないよ。できてないことを責めてるんじゃないの」


そう諭しながら、紙に勉強のステップを書いていきます。後で私がパソコンで清書したもののがこちら。
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「あのね、あなたがやっているのはまだステップ1の段階なの。単純に『今できること』と『今できないこと』を振り分けてるに過ぎないんだよ。ここでがっかりしたり、自分に腹を立てたりしなくていいんだよ」

でも娘は腑に落ちない様子です。

「でも、×があるってことは、できてないってことでしょ!?」

ここが、完璧主義の娘の引っかかりポイント。×がひとつでもある状況が許せない。だからこそ、自分の間違いに向きあうことができなかったのでしょう。私はこう続けました。

「ここでいう×は『まだ知らない』か『知っていても自分のものになっていない』部分っていうだけで、あなたを否定するものではないの。『あ、ここはまだ自分のものになっていないんだな』って思えばいいの。自分のものになっていない箇所は、あなたにあったやり方で理解を深めていけばいいんだよ。それが勉強するっていうことだと思うの」

「まだ自分のものになっていないところか・・・。うん、わかる。わかるけどでもどうしても自分を責めちゃう・・・」

「うんうん、責めちゃう気持はよくわかるよ。でもいつまでも責めるだけでプリントを放置していたら、勉強する機会をどんどん逃してしまってもったいないと思わない?たとえば、気持ちを切り替える言葉を考えて自分に言い聞かせてみるのはどうかな?」
「う~ん、じゃあ『できないままはイヤ!どうすればできるようになるか考えろ!』って自分に言い聞かせてみる」

こうして勉強のステップを親子で確認し、翌日からそれを活かしながら学習に取り組むことになったのです。

呪いの言葉は少しずつ減少傾向に

もちろん、すぐに気持ちを切り替えられるほど持って生まれた特性というものは簡単なものではありません。

解けない問題がでるたびに怒り、間違うたびに怒ることは今の娘にとっては避けられない道程です。

それでも、勉強のステップをまとめたプリントを見せながら、「今どの段階にいるんだったかな?」「どんな風に自分に声をかければ切り替えられそう?」「できていない問題はまだ自分のものになっていないだけだよ」と声をかけ続けることで、取りかかる前に呪いの言葉を延々と吐き続けることはなくなってきました。

そうして一か月ほど経った頃、プリントを始める前に自ら「できなくても『今は自分のものになってない』っていうだけ」「今から知ればいい」と言いながら取り組めるようになったのです。

それは娘の学習への足枷となっていた『学ぶことは大好き → 大好きだからこそ間違えたくない → 今すぐ100%こなせる自分でなければならない』という意識が少しずつ崩れ始めた瞬間でもありました。

もちろん、まだこの考え方が定着したわけではありませんので、私が声を掛けなければまた元の状態に戻ってしまう可能性も多いにあるのでしょう。

それでもこれは勉強だけに限ったことではなく、家事をするにせよ、仕事をするにせよ、娘の人生のあらゆる場面で役に立つことだと思うので、この思考が彼女のものになる日まで気長に声を掛け続けていこうと思います。
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