娘にとって一番いい場所を探したいからこそ、ますます決定できない

その日は結局、決定を保留にして帰宅。私は主人に、担任の先生から言われたことを報告しました。

主人は、「最終的に決めるのは、俺たち親なんだろ?先生の意見はわかるけど、親の意見が優先だろ?俺たちは、通常学級のままという希望を出すこともできるんだぞ」と言いました。

主人は、娘のコミュニケーション能力を上げるためには、少人数の支援学級より、大人数の通常クラスの方が多くの刺激を受けられるのではないか…。そう考えていたのです。
子どもの進級、周りの意見で大混乱…。娘と私にとっての「最善の道」を決めた、ほんとの気持ちの画像
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娘の将来を決める、大事な決定。
周りを気にして、決めてはいけない。

それを理解しつつも、このまま先生の意見を無視して、通常学級にすることは、先生に申し訳ないし、気まずい…と思ってしまいました。

結局私は、周りに気を使うというより、自分の意見を押し通して、批判されるのが怖かったのです。

そんな私とは違い、揺るがない意志で、娘のために、娘のことを真剣に考え、進級についての意見を言う主人を見て、私は自分の弱さに、嫌気がさしていました。

娘にとって、何がいいか…それがわからない状態で私の頭は、どんどん混乱していきました。

結局、すぐに答えは出ることはなく、とりあえず、進級についての決定の最終期限である9月まで、私たちは考えることにしました。

「宿題、やらなくていいですよ」の言葉に、感じた複雑な気持ち

それから一か月ほど経った、7月。

修了式に、大荷物を抱える娘を迎えに行ったときのこと。担任の先生と、夏休みの宿題について話をしているときのことです。

先生が、
「宿題は無理して全部やらせなくていいですよ。暗記の宿題は、毎年クラスで数人しか覚えてこないんです。だから…娘さんはもうやらなくてもいいですよ。」
と言いました。

私は…娘がみんなと同じ宿題を、同じ課題を、できるようにするため、今までいろんなやり方で娘と頑張ってきました。宿題も、やらなかったことは一度だってありません。

そんな思いでやってきていたこともあって、やる前に「やらなくていい」と言われて、とても悔しくなりました。

しかし、それと同時に、先生が良かれと思って言っているであろうことも理解できたのです。私は、両方の感情が入り混ざって、自分の気持ちがわからなくなってしまいました。
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無意識に負い目を感じていた私。感情も抑え込んでいたのかも

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私は…こういう発言に、傷ついてもいいのかな…?

もしかして
「そういう子を通常学級に入れてるんだもの、当たり前だよね」
と思わなければならないのかな…?

小学校に入学して、娘がいろんな問題にぶつかるたびに、親として感じる思いはありましたが、「これに傷つくくらいなら、そもそも通常学級は向いていないんじゃないか…」そう自分に自問自答しながら、無意識に、自分の感情に自分でブレーキをかけるようになっていたのです。

娘が小学校に入学してから、私は学校でよく謝っていました。

娘ができないこと(作文や授業中の指示への反応など)を報告されるたび、「いつもすみません」「迷惑かけてすみません」と謝る。それは、手のかかる子を通常学級に入れているという申し訳なさがあったからでした。

だけど、娘ができないのは娘のせいではない…
娘が悪くないことで、私は謝りたくない…

そう思いながらも、「発達障害がある子を通常学級に入れるというのはこういうことだ…」
と自分に言い聞かせていました。

自分の抱いた感情を自分で抑えているせいで、感情の行き場がなく、必死にこの思いの行き場を探していました。
次ページ「もう耐えられない…正直に気持ちを打ち明けてみた」

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