仲間づくりの支援や困難を乗り越えた家族の実話まで!親・支援者・先生に読んでもらいたい5冊

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子どもの発達凸凹を感じたとき、家庭で始められる「タッチライフ」って?コミュニケーションが苦手な子が仲間づくりの力を育む「バディ・システム」って?高まる保護者からの合理的配慮の要望に対して、学校は子どもたちのためにどう体制をつくる?──今月も気になるキーワードが盛りだくさん。さらに困難を乗り越えた家族の記録や新しいアプローチで考える"吃音"の本まで、さまざまなテーマの新刊をピックアップします!

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自分自身が救われた子育ての経験からつづられる『発達凸凹を感じたらタッチライフをはじめよう!』

広凡性発達障害の息子さんを育てる、発達障害カウンセラー・おーこさんの著書。息子さんが3歳の時から15年間実践してきたことなどに基づいた「タッチライフ」について紹介しています。

自身の子育ての経験が他の親子にも役立つのではないかと、「脳・皮膚・神経との関係」や「体のこと、発達凸凹との関係性」について10年ほど学び、その知識も生かされています。

タッチライフに出会う前、おーこさんは息子さんと意思疎通ができず、多動や癇癪に疲弊した経験がありました。触れ合うコミュニケーションを取り入れて、おーこさんと息子さんの生活がどのように変化していったのか。その過程を綴っているほか、体のどの部分をどのようにタッチしたらいいのか、すぐに実践できるスキンシップについてイラストでわかりやすくまとめられています。

発達に凸凹のある子どもにとって安心、信頼できる親子の関係性をつくることが、日常生活の安定にも影響するそう。親子ともに”落ち着いて過ごす”ことが土台となり、子どものやる気を育むことで、できることも増えていきそうです。(発行:2018年5月22日)
発達凸凹を感じたらタッチライフをはじめよう!
おーこ (著)、 カナマルミナコ (イラスト)
エスコアール

高まる需要に学校はどう応える?『30の事例で理解する校長・教頭の合理的配慮』

子どもたちの学校生活で生じる困りごとを軽くするための合理的配慮。保護者から学校の先生へどう求めるかについては少しずつ情報を見かけることも増えてきました。学校側でも合理的配慮の具体的な内容の提示やデータベースの構築・公開などが始まっているそうです。

この本では、管理職が悩む「子どもの困り感・保護者の思いをどう理解する?」「学校は何をどこまでやる? 教委は何をする?」「支援はうまく機能している? アフターケアはどうする?」といったポイントについて、大学教授や現場に勤務する校長・教頭らが、事例で解説しています。

「合理的配慮とは何か」という基礎から、友人を叩いてしまったり、ノートに書き写すのに時間がかかったりといった困りごとの事例を紹介。現状や課題の分析、学校の体制づくり、そして管理職としてできることなどがケースごとにまとめられています。さまざまな現場に応用できそうです。

子どもたちが安心して学校で過ごすために、管理職が考えることのヒントが詰まっています。(発行:2018年5月15日)
30の事例で理解する校長・教頭の合理的配慮
柘植雅義(筑波大学教授/筑波大学附属大塚特別支援学校長) (編)
教育開発研究所

バディって、どうすればいい?がよく分かる『自閉スペクトラム バディ・システムスタートブック:仲間づくりとコミュニケーションの支援』

自閉スペクトラム症(ASD)をはじめとする発達障害のある子どもの仲間関係、友達づくりにポイントを置いた新しい支援システムを紹介しています。ASDなど発達障害のある子どもたちへの発達支援活動で何年もの間、試行錯誤して生まれた臨床上のアイデアが盛りだくさんです!

バディ・システムは、友達とのやりとりが苦手といった課題がある同世代のASDの子どもが、2人1組でかかわりあい、「信頼」や「絆」を育んでいくことを目的としていています。実際にバディ・システムを始めるための準備やアセスメントから、イラストや表でわかりやすく紹介。実践の中で子ども同士の会話が増えたり、相互作用がみられた遊びをプログラムに取り入れています。さらにバディを解消する時の伝え方やタイミングまで解説されているので、支援側として初めて取り組む人も先を見通して始めることができますね。

実際、多くの子どもたちや保護者の悩みにあげられる「友達づきあい」や「仲間とのコミュニケーション」。保護者や学校教員、療育・発達支援専門家など子どもたちを支援する人におすすめです。(発行:2018年5月10日)
自閉スペクトラム バディ・システムスタートブック:仲間づくりとコミュニケーションの支援
藤野博 (著)、 森脇愛子 (著)、 袖山慶晴 (イラスト)
学苑社

当事者への丁寧なインタビューから"しゃべりのシステム"を考える『どもる体』

医学書院のシリーズ「ケアをひらく」の新作です。この本は、吃音の治療や改善について語られているものではありません。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授の伊藤亜紗先生が、吃音当事者に丁寧にインタビュー。医学や心理といったこれまでとはまったく違うアプローチで、体の中で起こってる「どもり」の謎に迫ります。

「あなたはなぜしゃべれるのか」と題した第1章では、「しんぶん」と「ぺんぎん」の「ん」をどのように発音しているか──。という問いかけがあります。「唇を閉じている」「舌先が歯裏につく」「舌の根元で喉をふさぐ」とう3つの発音方法があげられますが、同じ「ん」を2回繰り返す単語でも、どれが一番多いか、最初の「ん」と2回目の「ん」では変わるのか、統計をとって調査されています。

「連発型」と「難発型」で体の中で起きていることの違い、そして「言い換え」ることは当事者にどんな影響を与えるのか。読み進めるほどに「しゃべれるほうが変。」という言葉の意味がじわじわと飲み込めてくる展開は、吃音のあるなしにかかわらず夢中になってしまいそうです。(発行:2018年6月1日)
どもる体 (シリーズ ケアをひらく)
伊藤 亜紗 (著)
医学書院

困難を経験したさまざまな家族の姿をたどる『家族のコトバVol.1 子供と向き合う編』

女性向けファッション雑誌『VERY』で11年目を迎えた連載「家族のコトバ」は、さまざまな困難を乗り越えた家族を紹介する人気連載です。今回、子どもにまつわる25のエピソードがまとめられ、「子供と向き合う編」として、書籍化されました。

発達障害をはじめ、ダウン症やアンジェルマン症候群、ウエスト症候群、小児がん、といった障害のある子どもを育てる家族や、流産や不育症、子宮外妊娠など母親に起こった困難を経験した家族など、25組を紹介しています。それぞれの家族を支えた「コトバ」とは…。

紹介されている中には聞きなれない障害や病気もあるかもしれません。同じ診断名でも、症状などは一人ひとり違います。そして、家族のかたちも1組ずつ異なります。それぞれの家族に、困難に向き合い、乗り越えてきたストーリーがあります。総集編では、掲載当時の記事と写真に加え、新たに取材した「その後の私たち」で、近況や当時を振り返った思いが寄せられています。

同じような困難の渦中にいる人、かつて経験した人だけに限らず、読んだ多くの人に勇気や優しさを与えてくれる本ではないでしょうか。(発行:2018年5月26日)
家族のコトバVol.1 子供と向き合う編 (VERY BOOKS)
VERY編集部 (編)
光文社
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