社会福祉士の具体的な仕事内容

次に、実際に社会福祉士として働く方の様子を見ていきましょう。

社会福祉士の就職先は、障害者施設や児童福祉施設、医療施設など幅広く、多方面から社会的な困りごとを抱えている方を支援しています。ここでは、地域住民の福祉に関する相談窓口である、地域包括支援センターで働く社会福祉士の一日のスケジュール例をご紹介します。

地域包括支援センターで働く社会福祉士の一日のスケジュール例(日勤の場合)

8:30…出勤。朝礼。1日のスケジュールを確認。相談者情報の引き継ぎなども行います。
9:00…地域の方からの電話相談。悩み事を聞き、支援センターでできるサービスの説明などをします。
10:00…相談者宅を訪問。本人や家族と、最近の様子を確認したり、今後の支援の方向性を相談します。悩み事に耳を傾け、助言、関係機関の紹介連携まで、幅広い支援を行います。
12:00…昼休み。
13:00…市役所訪問。関係機関の連携担当の方と会い、紹介した相談者の現状報告を受けます。
15:00…センターで相談者の方の来所対応。先日、電話で相談をくれた方と約束の日時です。初回はより丁寧に悩み事に耳を傾け、信頼関係を築いていきます。
16:00…定例会議に出席。さまざまな専門職の方の意見を取り入れながら、支援方針をブラッシュアップしていきます。
17:00…デスクワーク。公的書類の作成、夜勤者への引き継ぎ準備等を行います。
18:00…退勤。

働く施設や業務内容などによって違いはありますが、相談者の方やその家族とのやり取りや支援、関係機関連携、必要書類の作成などが主な業務です。

社会福祉士と介護福祉士・精神保健福祉士との違い

「社会福祉士」、「介護福祉士」、「精神保健福祉士」の3種類の福祉に関する国家資格(名称独占)は三福祉士と呼ばれています。いずれも困りごとがある相談者の支援を行う資格ですが、支援対象者や支援方法が異なります。違いを知っておきましょう。

社会福祉士

社会福祉士は、身体・精神に障害がある方、日常生活を送るのが難しい方に対し、相談・助言・指導・関係機関連携などを行います。

支援対象者は幅広く、日常生活を送るのが難しい状態であれば、障害や病気などの種類などは問いません。支援内容に関しても、相談・指導などの直接支援から、関係機関連携までの幅広いものですが、医療関係の行為が含まれていないことがポイントです。
参考:厚生労働省「社会福祉士の概要について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/index.html

介護福祉士

介護福祉士は、身体・精神に障害がある方、日常生活を送るのが難しい方に対し、介護(喀痰吸引などの医師の指示に基づくもの)を行います。

支援対象者は、社会福祉士と同様に、日常生活を送るのが難しい状態であれば、障害や病気などの種類などは問わず、幅広いですが、支援内容が医師の指示の元に行われる、喀痰吸引などの介護となり、社会福祉士と比べより介護への専門性が高いサポートです。
参考:厚生労働省「介護福祉士の概要について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi4.html

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神に関する医療機関や福祉施設を利用している方に対し、相談・助言・指導・日常生活への適応のために必要な訓練などを行います。

資格名にも表されていますが、支援対象は“精神”に関する医療機関や福祉施設を利用している方です。支援内容は相談・助言・指導から、日常生活への適応のために必要な訓練などで、介護行為は行いません。
参考:厚生労働省「精神保健福祉士について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/seisinhoken/index.html

「社会福祉主事」との違い

社会福祉士と似た名称の資格に「社会福祉主事」があります。社会福祉士と名称は似ていますが、資格の種類が異なります。

まず、社会福祉士は“名称独占の国家資格”であり、この試験に合格するレベルの知識・経験を有したものが「社会福祉士」という肩書きを名乗るに値する、国が定めた資格になります。

一方、社会福祉主事というのは、国の福祉施設などで現業員(訪問・面接・調査・生活指導などを行う)などとして働く際に必要な資格です。資格区分としては「任用資格(その職種につく場合に取得が必要な資格)」であり、国の福祉施設などでは設置義務がある職種です。

社会福祉士の資格そのものが、社会福祉主事の任用資格を満たしているため、社会福祉士の方は別途科目を履修する必要なく、国の福祉施設の現業員などの職種に就くことが可能です。逆に社会福祉主事の資格を持っているだけでは、“社会福祉士”と名乗ることはできません。

それぞれの違いを理解し、自分が必要としている資格が「社会福祉士」なのか「社会福祉主事」なのか、両方なのか明確にしておきましょう。
出典:厚生労働省「社会福祉主事について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi8.html
次ページ「まとめ」

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。