フリースクールをつくってみた!子どもたちの「やりたい!」が化学変化を起こす居場所に。続・母の奮闘記

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2018年4月から発達に個性のある子たちのフリースクール「IFラボ」を開いています。1回目は、息子が不登校になって素敵な居場所を見つけ、フリースクールをたちあげようという気持ちにいたるまでをお伝えしました。今回は、試行錯誤の準備と運営開始してからをご紹介します。実際はじめてみてフリースクールをはじめてみるとどんな感じ?子どもたちの反応って?などなど、フリースクール運営にまつわるあれやこれやをお伝えできたらと思います!

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赤沼美里
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フリースクールを立ち上げたい!その思いは大きな流れになって

2018年4月から発達に個性のある子たちのフリースクール「IFラボ」を開いています。前回のコラムでは、息子が不登校になって素敵な居場所を見つけ、フリースクールをたちあげようという気持ちにいたるまでをお伝えしました。
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フリースクールをつくってみた!不登校の息子の学ぶ場をつくりたかった、母の奮闘記

最初は不登校の息子に合う場所をつくりたいという一心でしたが、実際にフリースクールを立ち上げ、子ども達が通ってきてくれるようになると、いつの間にか自分では止められない大きな流れに…。

ここでは、試行錯誤した準備や、運営開始してからの様子をご紹介します。

どんなフリースクールにする?

フリースクールを立ち上げようと考えた私は、同じ思いの仲間をみつけ、設立に向けて準備を始めました。まず、フリースクール設立に興味のある大人だけで、どんなフリースクールにしたいかを話し合いました。

療育施設ではないけれど、発達に個性がある子を受け入れる場合にどんな課題が考えられるのか?
どんな形式のフリースクールにするのか?
などなど、何度も議論を重ねました。

その結果、「何でも好きなことをしてもいい居場所ではなくて、プロジェクト形式で学びを広げ深めていける場所にしよう」「私たち大人は先生ではなく伴走者になろう」という方針を決めました。

しかし!大前提の結論は…「子どもが来てみないと分からないんじゃない(笑)」!?

確かにそうなのです。大人が寄り集まって議論をしても、実際の子どもたちの反応はまったく分かりません。そこで、一緒に運営にかかわってくれているお母さんの子ども、Yくんに運営スタート前のフリースクールに、テストとして週1回、来てもらうことにしました。

子どもと一緒にフリースクールをつくろう

はじめて遊びに来てくれたYくん、恥ずかしそうにしていて、あまり話もしませんでした。しかし何回か一緒に過ごすうちに、「ここはなんだか落ち着く~」と打ち解けてくれるように♪

プログラミングではコンテストの受賞歴もあるYくん。でも、プログラミングに限らずどんな分野の話にも興味津々です。

フリースクールを手伝ってくれている大学生が、試験勉強のために統計の本を読んでいると統計の話が広がり、心理学の話になれば目を輝かせてIQについて質問をします。

「大人が設定しなくても、子どもたちが抱く興味から学びは広がる」

私たちはそう確信し、大人がプロジェクトを設定するのではなく、子どもの興味で生まれたプロジェクトに寄り添いながら進めていくことにしました。

お互いの「好きなもの」を尊重しあえる仲間ができた

フリースクール「IFラボ」での子どもたちの様子
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さて、子どもが主体的に学んでいく過程を確認できましたが、子どもたちが増えるとどんな風になるんだろう…子どもひとりではイメージがつかめません。そこで、Yくんと同じ学校に通っていて、Yくんの隣のクラスに在籍しているSくんを招待することにしました。SくんもYくんと同じように学校になじめないでいたそうです。

Y&SコンビはIFラボにくるなり、すぐに打ち解けて仲良しに!

Yくんが好きなのはプログラミング、Sくんはドローンです。2人の興味は異なるものの、互いの興味あるものを見せあって話しあって…楽しそう!

あとで聞くと、学校ではカリキュラムがキチキチと決まっていて、自分の好きなことを自由に話す時間がなかったそうです。また、たとえ時間があっても、分かってもらえる友だちが見つからないので話しも盛り上がらず、毎日がつまらなかったと言っていました。

「ずっと大人しか話し相手がいなかったから」
といったYくんはニコニコ笑顔でした。友だちが見つかってふたりとも本当に楽しそうで、私まで嬉しくなった瞬間でした。

大人は伴走者。プロジェクトは子ども主体で

フリースクール「IFラボ」で子どもたちが自主的に活動する様子
マインドマップを活用しながらアイディアを広げていきます
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IFラボの活動日は子どもたちの状況を考えて、週1から始めることにしました。

オープン時間は、10時から15時まで。朝の会、午前の活動、お昼休み、午後の活動を行います。ワークショップや図書館に行くなどの活動がある場合以外は、当日の朝にその日にやることを確認します。

朝みんなが集まったら、まずは朝の会です。当日やることを決めるほか、この1週間で楽しかったことや嬉しかったことをシェアします。最初は「ゲーム」だけだった回答が、今では「〇〇に行ってきた」とか「〇〇して楽しかった」とか、たくさんの楽しかったことを教えてくれるようになりました。

朝の会でやることを決めたら、早速活動開始です!

現在は、複数の子どもたち協働で「エレベータープロジェクト」がすすめられています。

このプロジェクトでは、プログラミングを活用して制御可能なミニチュアエレベーターをつくってみようと、まずは段ボールで試作品をつくることからはじめました。このエレべープロジェクトのほかにも、さまざまなプロジェクトが立ち上がって動き出しています。

ドローンで短編映画がつくりたい、自作PCをつくってみたい、ドローンで大会に出たい、プログラミングコンテストに出たい、会社をつくりたい、段ボールでシミュレーションゲームをつくりたい、飛行機の揚力を調べたい…などなど。

週1の活動日では足りないくらい、子どもたちのやりたい気持ちはあふれています。

私たちが口を挟む必要のないくらい、子どもたちの学びたい気持ちが大きいので、子どもが増えてもプロジェクト設定に問題はなさそう!むしろ、子どもたちが出会うことでどんな化学反応が起きるのか楽しみなくらいです。

ただ、プロジェクトをすすめていくのには、やはり大人の伴走が必要です。

1日の見通しが立たないと、何をしたら良いか分からなくなって不安になってしまう子や、時間の使い方が苦手な子、次の作業に切り替えるのが難しい特性のある子が参加しています。

そのため週1の短い活動時間をどのように配分するのか、ToDoリストなど視覚的なツールを活用しながら、子どもたちが達成感を得られるように寄り添う努力をしています。

ぼくたちがIFラボを宣伝するよ!自分たちでつくりあげるキャンプ

フリースクール「IFラボ」のキャンプを紹介する記事
広告ページも申し込みフォームもすべて子どもたちがつくりました
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そんななか、Y&Sくんがおもむろに「キャンプ計画を立ててもいいですか」と聞いてきました。

「こんなに楽しいIFラボをもっとみんなに知って欲しい。夏休みにIFラボのキャンプで過ごして、9月からIFラボに来て欲しい。もしIFラボに来なくても、キャンプの楽しい思い出を胸に学校で頑張って欲しい」という子どもたちの願いから生まれた計画です。

スケジュールから、ホームページでの告知まで、みんな子どもたちが企画・実施しています。

1泊はIFラボで泊まりたいから、2泊目をアウトドアでキャンプにするという計画を立てていた子どもたち。2泊ともアウトドアが良いんじゃないかしら…とやんわり提案するも、「これがいい!」とのことで譲りません(笑)

「自分たちで好きにやりたい」ということなので、失敗もふくめてたくさん経験してもらえたら良いなと思っています。

キャンプがどうなったか、それは次回の記事でのお楽しみに!!

「学ぶ場をつくりたい」という私の思いは、みんなの願いに

「IFラボ」の子どもたちとボランティアの大学生
ボランティアの学生さんと一緒にニッコリ笑顔!
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子どもたちも少しずつ増え、9月からは週に2回の活動日にしていく予定でいます。毎回、試行錯誤で「次はこうしていったら良いね」と子どもも含めた話し合いを大事にしています。

IFラボを始めるまでは不安や心配の方がが多くて、「つくりたい」と考えてはいるものの、きっと実現できないだろうなぁとどこかで思っていました。でも、自分の気持ちを表明すると、賛同する仲間が集まってくれました。いつの間にか、私の希望や願いが他の人の希望や願いと重なり合って、小さな流れができていたのです。

小さな流れができると、その流れを知った新しい仲間が賛同してくれて、さらに大きな流れになりました。そのうち、自分ではもう止められない流れになっていました。

最初は息子・チー坊の学び場をと悩んできたことが、いつのまにかIFラボにきてくれている他の子どもたちの人生にも大きくかかわり、子どもたちの家族にもかかわるようになったことを痛感します。子どもたちの笑顔に接するたびに、この場を大切に育んでいかなくてはと強く思うようになりました。

「ここに来るとなんだか落ち着く」
「楽しくて、帰りたくない」
「毎日オープンしないの?オープンしたら毎日来たいよ」
「お母さん、僕生まれてはじめて毎日が楽しいんだけど、これってずっと続くのかな」
「週1度、IFラボにくるのを楽しみに、毎日学校に行ってた」

IFラボに来てくれている子どもたちの言葉は、私の宝物です。

IFラボ(Infinite Future Lab)という名前は、子どもたちの無限の未来を願ってYくんと一緒に考えたものです。

「学校が合わなくても、その子にあった居場所はきっとある」という信念は、変わっていません。だってIFラボにきてくれている子どもたちは、すごく楽しそうに自分から学んでいるから。

学校以外の学ぶ場所や居場所がもっともっと増えて、子どもたちの笑顔が増えることを願っています。
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