お互いの「好きなもの」を尊重しあえる仲間ができた

フリースクール「IFラボ」での子どもたちの様子
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さて、子どもが主体的に学んでいく過程を確認できましたが、子どもたちが増えるとどんな風になるんだろう…子どもひとりではイメージがつかめません。そこで、Yくんと同じ学校に通っていて、Yくんの隣のクラスに在籍しているSくんを招待することにしました。SくんもYくんと同じように学校になじめないでいたそうです。

Y&SコンビはIFラボにくるなり、すぐに打ち解けて仲良しに!

Yくんが好きなのはプログラミング、Sくんはドローンです。2人の興味は異なるものの、互いの興味あるものを見せあって話しあって…楽しそう!

あとで聞くと、学校ではカリキュラムがキチキチと決まっていて、自分の好きなことを自由に話す時間がなかったそうです。また、たとえ時間があっても、分かってもらえる友だちが見つからないので話しも盛り上がらず、毎日がつまらなかったと言っていました。

「ずっと大人しか話し相手がいなかったから」
といったYくんはニコニコ笑顔でした。友だちが見つかってふたりとも本当に楽しそうで、私まで嬉しくなった瞬間でした。

大人は伴走者。プロジェクトは子ども主体で

フリースクール「IFラボ」で子どもたちが自主的に活動する様子
マインドマップを活用しながらアイディアを広げていきます
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IFラボの活動日は子どもたちの状況を考えて、週1から始めることにしました。

オープン時間は、10時から15時まで。朝の会、午前の活動、お昼休み、午後の活動を行います。ワークショップや図書館に行くなどの活動がある場合以外は、当日の朝にその日にやることを確認します。

朝みんなが集まったら、まずは朝の会です。当日やることを決めるほか、この1週間で楽しかったことや嬉しかったことをシェアします。最初は「ゲーム」だけだった回答が、今では「〇〇に行ってきた」とか「〇〇して楽しかった」とか、たくさんの楽しかったことを教えてくれるようになりました。

朝の会でやることを決めたら、早速活動開始です!

現在は、複数の子どもたち協働で「エレベータープロジェクト」がすすめられています。

このプロジェクトでは、プログラミングを活用して制御可能なミニチュアエレベーターをつくってみようと、まずは段ボールで試作品をつくることからはじめました。このエレべープロジェクトのほかにも、さまざまなプロジェクトが立ち上がって動き出しています。

ドローンで短編映画がつくりたい、自作PCをつくってみたい、ドローンで大会に出たい、プログラミングコンテストに出たい、会社をつくりたい、段ボールでシミュレーションゲームをつくりたい、飛行機の揚力を調べたい…などなど。

週1の活動日では足りないくらい、子どもたちのやりたい気持ちはあふれています。

私たちが口を挟む必要のないくらい、子どもたちの学びたい気持ちが大きいので、子どもが増えてもプロジェクト設定に問題はなさそう!むしろ、子どもたちが出会うことでどんな化学反応が起きるのか楽しみなくらいです。

ただ、プロジェクトをすすめていくのには、やはり大人の伴走が必要です。

1日の見通しが立たないと、何をしたら良いか分からなくなって不安になってしまう子や、時間の使い方が苦手な子、次の作業に切り替えるのが難しい特性のある子が参加しています。

そのため週1の短い活動時間をどのように配分するのか、ToDoリストなど視覚的なツールを活用しながら、子どもたちが達成感を得られるように寄り添う努力をしています。

ぼくたちがIFラボを宣伝するよ!自分たちでつくりあげるキャンプ

フリースクール「IFラボ」のキャンプを紹介する記事
広告ページも申し込みフォームもすべて子どもたちがつくりました
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そんななか、Y&Sくんがおもむろに「キャンプ計画を立ててもいいですか」と聞いてきました。

「こんなに楽しいIFラボをもっとみんなに知って欲しい。夏休みにIFラボのキャンプで過ごして、9月からIFラボに来て欲しい。もしIFラボに来なくても、キャンプの楽しい思い出を胸に学校で頑張って欲しい」という子どもたちの願いから生まれた計画です。

スケジュールから、ホームページでの告知まで、みんな子どもたちが企画・実施しています。

1泊はIFラボで泊まりたいから、2泊目をアウトドアでキャンプにするという計画を立てていた子どもたち。2泊ともアウトドアが良いんじゃないかしら…とやんわり提案するも、「これがいい!」とのことで譲りません(笑)

「自分たちで好きにやりたい」ということなので、失敗もふくめてたくさん経験してもらえたら良いなと思っています。

キャンプがどうなったか、それは次回の記事でのお楽しみに!!
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