発達障害の二次障害は予防できる?

発達障害の二次障害を予防するためには、まずはまわりにいる人が発達障害に対して理解をすることが大切です。

二次障害の原因となるストレスの多くは、家庭や学校、職場といった環境やそこでの人間関係から発生しています。そこから生じるストレスを軽減するためには、発達障害そのものの一般的な知識や、その人の特性、対応方法などを周囲が知っておく必要があります。また、本人が過ごしやすいよう環境調整を行うことも大切です。

このような周囲の理解が、小学生までの早い段階で得られることによって、二次障害の予防につながるのではないかとされています。小学校に進学すると、学校の教員がどう対応するかも大きな影響を与えます。家庭だけでなく、学校の担任教員にも理解を求めることが重要です。

しかし、どんなにまわりが丁寧に対応したとしても、すべてのストレスをなくすことはできません。本人の心の発達をサポートすることも大切です。

・まわりの人たちに受け入れられているという安心感や信頼感を持てること
・他者と接する中で学びの機会を得ること
・トラブルへの対処方法を学ぶこと
・自分自身の障害の特性について知ること


これらのサポートを早い段階から周囲が行っていくことで、ストレスに柔軟に対応できるようになり、二次障害の予防につながるとも考えられます。

発達障害の二次障害は治るのか?

発達障害は先天的な脳機能の障害であるため、発達障害そのものを治すことはできません。しかし、生育環境によって引き起こされた二次障害については、症状に合わせて医療機関などで治療を行う場合もあります。

抑うつや不安といった内在化障害の場合、認知行動療法や精神療法といった心理療法、家族に対する家族療法、薬を使った薬物療法などが、必要に応じて行われます。また、暴力などの外在化障害に対しても、攻撃性をコントロールするために薬物療法が行われることもあります。状況によっては、入院して治療する場合もあります。

しかし、医療機関だけで二次障害をすべて解決できるわけではありません。家庭や学校、職場、児童福祉機関などで連携して対応していくことが必要です。

発達障害の二次障害のある人や家族が利用できる相談先

発達障害の二次障害の症状や対応について、本人や家族が誰にも言えずに悩んでいることも少なくないかもしれません。そうしたときに利用できるサポートがいくつかありますので、ご紹介しましょう。

まずは相談先として、以下のような支援機関があります。

・精神保健福祉センター
・児童相談所
・子育て支援センター
・発達障害者支援センターなど


各機関では、本人や家族から発達障害や育児全般に関する相談を受けたり、必要時には医療機関を紹介したりもしています。

このほか、各自治体では、引きこもり・不登校に対して相談や家庭訪問を行っていたり、教育委員会でも不登校に対する教育相談を実施したりしています。また、障害者福祉施設では、強度行動障害に関する研修を終えた相談支援専門員が、相談を受けつけている場合もあります。

まだ医療機関にかかっておらず、発達障害と診断を受けていない場合、医療機関に行くのはハードルが高いかもしれません。まずはこのような場所で、困っていることについて相談してみると良いでしょう。

また、症状によっては障害者手帳の交付を受けたり、障害福祉サービスが受けられたりする場合もあります。

地域によっては、発達障害の当事者の会や保護者の会がありますので、そうした場所で交流したり、情報収集したりするのも良いかもしれません。
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