ご近所からクレーム!飛びはねる自閉症息子の騒音問題、どんな対策すればいい?
ライター:立石美津子
Upload By 立石美津子
自閉症のあるわが子は、とびます。18歳になる息子の体重は60キロもあり、ドーンと響いてしまいます。わが家はマンション住まい…先日、管理人さんを通してクレームがありました。
マンション住民から苦情が!自閉症息子の騒音問題
『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。
自閉症の息子は、幼い頃から嬉しくなりすぎると、部屋の端から端をスキップしてしまいます。
自閉症の息子は、幼い頃から嬉しくなりすぎると、部屋の端から端をスキップしてしまいます。
18歳になった今も、家の中をスキップすることがあります。スキップといっても、体重60キロ近くある18歳男子が部屋の中をスキップすると、「ドタッ!ドタッ!」と大きな音がして困ってしまいます。
騒音問題のために、引越した。しかし…
息子は小さい頃、今よりもずっと多動で、四六時中飛びはねていました。
以前住んでいた家では、階下の部屋に住む方から苦情が出て、息子がとんでしまうたびに棒でわが家の床を突いて抗議されたり、玄関のドアに「うるさい!」と貼り紙をされたりしました。騒音を出してしまうことへの申し訳ない気持ちや恐怖感がピークに達し、大急ぎで引越…。息子が小学校2年生のときです。
不動産屋さんに事情を説明して、階下が駐車場になっていて苦情が出ないと思える部屋を選びました。購入前から、管理会社には「自閉症という障害のある息子がいます。ご迷惑、ご面倒をかけると思いますが、どうぞよろしくお願いします」と説明していました。しかし先日、斜め上、それも二軒先のお宅から、管理会社を通して苦情が出てしまったのです。
不動産屋さんに事情を説明して、階下が駐車場になっていて苦情が出ないと思える部屋を選びました。購入前から、管理会社には「自閉症という障害のある息子がいます。ご迷惑、ご面倒をかけると思いますが、どうぞよろしくお願いします」と説明していました。しかし先日、斜め上、それも二軒先のお宅から、管理会社を通して苦情が出てしまったのです。
わが家の対策
防音対策グッズの活用
「今後、部屋の中でとんではいけない!」と、息子に強く言うことができない事情があります。強迫性障害が悪化してしまう可能性があるからです。(息子は自閉症のほか、精神疾患である強迫性障害で現在通院中。服薬もしています)。
そこで、藁をもつかむ思いで防音スリッパを買いました。試しに私がはいてみるとびにくいです。「はたして、これをはいてくれるだろうか…」と不安になりました。どんな伝え方をすればはいてくれるだろうか?と考えました。
息子には「あなたの走る音がうるさいと苦情が出ているから、これを使って」という言い方ではなく、「大人に近づいてきて体重も増えて、とぶと床が凹んできてしまうから、このスリッパを使って」と伝えました。すると、すんなりはいてくれました。
そこで、藁をもつかむ思いで防音スリッパを買いました。試しに私がはいてみるとびにくいです。「はたして、これをはいてくれるだろうか…」と不安になりました。どんな伝え方をすればはいてくれるだろうか?と考えました。
息子には「あなたの走る音がうるさいと苦情が出ているから、これを使って」という言い方ではなく、「大人に近づいてきて体重も増えて、とぶと床が凹んできてしまうから、このスリッパを使って」と伝えました。すると、すんなりはいてくれました。
ところが、素足と違ってスリッパは滑るのです!申し訳程度の滑り止めが付いているのですが、滑りました…。
60キロの息子が滑り、そして「ドーーーン!」と派手に転び、大きな音が出てしまいました。そこで、市販の滑り止め剤を購入し、スリッパの裏に塗りました。これは、歩き始めたばかりの赤ちゃんの靴下の裏に塗るものです。
おかげで、滑って転ぶことはなくはなりました。歩くたびに「キュッ!キュッ!」という音はしますが、この音は、階下・階上の部屋には響かないと思います。
また、防音マット、トランポリンの活用など、これからも工夫していきたいと思っています。
また、防音マット、トランポリンの活用など、これからも工夫していきたいと思っています。
管理人さんとのコミュニケーション
音を出してしまうことを伝えた上で購入した物件なので、不動産会社も管理会社もそれを承知で理解してくれています。息子は先日パニックを起こし、マンションの共用部の廊下に穴を開けてしまいました。この時も、管理人さんが他の住人の方との間に入ってくれ、息子の障害について説明をしてくれました。
いろいろと面倒をかけているので、マンションの管理人室には、盆暮のお中元お歳暮を10年間もれなくしています。「管理費を払っているのだから必要ない!」なんて言う人もいるかもしれませんが、気は心。そういう問題ではないと私は考えています。
いろいろと面倒をかけているので、マンションの管理人室には、盆暮のお中元お歳暮を10年間もれなくしています。「管理費を払っているのだから必要ない!」なんて言う人もいるかもしれませんが、気は心。そういう問題ではないと私は考えています。
あいさつの徹底
息子にはマンション内で人に会ったら「こんにちは」と言うように徹底しています。宅急便の人、幼児、赤ちゃんにも「こんにちは」と言います。無表情で機械的な言い方ではありますが、挨拶は徹底しています。
結果「変わっているけど、ちゃんとあいさつをする子」の評判につながっているようです。日々の小さな積み重ねですが、大切だなぁとしみじみ思っています。
結果「変わっているけど、ちゃんとあいさつをする子」の評判につながっているようです。日々の小さな積み重ねですが、大切だなぁとしみじみ思っています。
騒音問題の、その後
管理人さんが間に入って障害のことも含めて、相手の方に説明してもらいました。一応ご理解いただけたようです。
顔の見えない相手に対してはイライラも募ると思うので、管理人さんに「直接、相手の方にお会いして、お詫びした方がいいのではないでしょうか?」と相談しました。すると「今後、エレベーターの中で会うこともあるかもしれないので、却ってお互い気まずくなるので、会わない方が良いと思います。相手の方もそうおしゃっています」とのこと…。
階下でもなく、真上でもなく、斜め上でもなく、斜め上2軒先というのが気になります。「真上や斜め上のお宅に音は響いていなかっただろうか?」と不安になったり、「もしかしたら、わが家ではないお宅の音なのかも!」の淡い期待を抱いたり…。
自閉症のある子は年齢が上がってもとぶことがあるのではないでしょうか。小さなころに比べて多動具合はおさまってきても、体重増加に比例して動きはパワーアップしがち。わが家の場合、防音スリッパはとびはねにくいこともあり、とぶ回数が以前より大きく減りました。「キュッ!キュッ!」と音がするので少々うるさくはありますが、階下・階上の部屋にはこの音は響かないと思います。防音スリッパに加えての対策も、さらに施していく予定です。
顔の見えない相手に対してはイライラも募ると思うので、管理人さんに「直接、相手の方にお会いして、お詫びした方がいいのではないでしょうか?」と相談しました。すると「今後、エレベーターの中で会うこともあるかもしれないので、却ってお互い気まずくなるので、会わない方が良いと思います。相手の方もそうおしゃっています」とのこと…。
階下でもなく、真上でもなく、斜め上でもなく、斜め上2軒先というのが気になります。「真上や斜め上のお宅に音は響いていなかっただろうか?」と不安になったり、「もしかしたら、わが家ではないお宅の音なのかも!」の淡い期待を抱いたり…。
自閉症のある子は年齢が上がってもとぶことがあるのではないでしょうか。小さなころに比べて多動具合はおさまってきても、体重増加に比例して動きはパワーアップしがち。わが家の場合、防音スリッパはとびはねにくいこともあり、とぶ回数が以前より大きく減りました。「キュッ!キュッ!」と音がするので少々うるさくはありますが、階下・階上の部屋にはこの音は響かないと思います。防音スリッパに加えての対策も、さらに施していく予定です。
著者親子のルポルタージュ
2018年9月10日、医師・松永正訓氏が立石親子を取材、書き上げた新刊が発売に。発達障害がある子と母の、幼児期から今までに渡る育児について綴られています。
発達障害に生まれて-自閉症児と母の17年
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このコラムを書いた人の著書
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