とにかく説明してみよう

冷静に思い直したわたしは、とにかく説明してみることにしました。
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筆箱の帯は、お店で目立つために付いていること。このまま使ってもいいけれど、すぐにやぶれてしまうこと。そしてこれからは買う前に、「この部分は外して使うよ」って教えるねと約束しました。すると──

思いがけない息子の反応

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説明を聞いたヒルマは、「はずしていいよ」とすんなり納得。「はずしてもカッコいいから」 と笑顔です。

その反応にわたしはビックリ!だって筆箱を買い替える覚悟でしたから。

その夜、さっそく夫に報告しました。
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ゆずれない困りごとが減っていく。出来なかったことが、出来るようになる。

小さな一歩がこんなにもたくさんあるから、これってラッキーだなあって、今ではおだやかにそう思えます。

進級準備もあと少し

さて、進級準備も残すは赤白帽に名前を書くだけというときのことです。帽子から値札を取ろうとすると、すかさずヒルマが言いました。
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え!値札も!?

いやいやいや、赤白帽に値札つけたままかぶっている子、見たことないから!
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「¥700」 と印字されただけのシールのどこが、息子を魅了するのでしょう。

筆箱のときと同じ説明をくりかえしながら、わたしはやっぱり息子のことが、さっぱりわからないと思うのです。

このコラムを書いた人の著書

生後から小学校入学までの葛藤の日々と、実体験を通して学んだ、親子が笑顔でいられる習慣や暮らしの工夫を伝えるエッセイ。発達障害、グレーのお子さまを持つママはもちろん、すべてのママにすぐに役立つヒントが満載。
うちの子は育てにくい子~発達障害の息子と私が学んだ大切なこと~
アマミモヨリ
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