11の身体感覚と機能を育もう!144枚のカードから、発達を促すあそびを選べる『脳と体をそだてる感覚あそびカード144』が発売。お手本動画つきで取り組みやすい!

2019/07/18 更新
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子どもの身体感覚や機能は、発達段階に合った運動やあそびを通して育まれるもの…。でも「感覚を育てるために、適切なあそびをさせましょう」といわれても、どうしたらいいか分からないという方も多いでしょう。『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』(合同出版)は、作業療法士発案の取り組みやすい144のあそびを分かりやすく紹介。それぞれどんな力を育むかもパッとみて分かる工夫も!さらに、お子さんに「今日なにしてあそぶ?」と選んでもらえる、便利なカード形式です。

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「感覚を育てる」ねらいを明確にしたカード

カードを使って子どもと触れ合う様子
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今回紹介する『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』(合同出版)は、2017年に刊行された『発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび』(合同出版)をさらに明確化・具体化してつくられました。

子どもの成長に欠かすことのできない、あらゆる生活場面で必要な体の感覚や機能について分かりやすく解説している『発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび』では、うまくあそぶのがむずかしい子、途中でつまずいてしまうところなどに焦点をあて、苦手さの背景を解説し、道具やあそび方の工夫が紹介されています。

この書籍で紹介されている68のあそびを、「感覚を育てるねらい」をさらに明確化・具体化してつくられたのが、『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』です。カードを使うときは、書籍と併せて読むとより効果がありそうです。
今日何してあそぶ? 脳と体をそだてる感覚あそびカード144: 11の感覚・機能を発達させる
鴨下賢一 (監修), 高橋知義 (著), 小玉武志 (著), 池田千紗 (著), いとうみき (イラスト)
合同出版
発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび: あそぶことには意味がある!作業療法士がすすめる68のあそびの工夫
鴨下 賢一 (著), 池田 千紗 (著), 小玉 武志 (著),高橋 知義 (著)
合同出版

得意・不得意に合わせて選択できるアイコン

『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』の説明書
『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』より
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カードを見ると、身体のどの感覚や機能を伸ばすあそびか、どこであそぶか(場所)、何人であそぶか(人数)など、アイコンで一目で分かるようになっています。子どもの得意・不得意に合わせたあそびを選ぶことができます。

感覚・機能アイコン
視覚、聴覚、嗅覚、皮膚感覚、前庭覚(体のゆれや傾きなど、バランスをとる力)など、11種類の感覚と機能を分かりやすく表しています。

人数アイコン
子ども1人で行うあそび、子ども複数人で行う集団あそび、大人とペアで行うあそびなど、何人で行うあそびなのかを示してあります。

場所アイコン
家の中であそぶもの、外であそぶもの、水を使ってあそぶものなど、あそぶ場所や環境を示しています。

注意アイコン
まだ「これは危険」という認識が薄い子どもでも、「ケガをするかもしれない」「大人と一緒にやるもの」ということがアイコンで分かるようになっています。伸ばしたい力やそのときの人数・場所などに合わせてあそびカードを事前にピックアップしておき、子どもにやりたいあそびを選んでもらうこともできそうですね。

動画でさらに分かりやすく

アイコンだけでなく、どのようにすれば子どもがうまくあそべるか、あそびの手順や段階づけが説明されています。また、あそぶときに使う道具(なければ代用品も)、あそびで子どもたちに身につけてもらいたい力を記し、ねらいを意識し、段階づけて行うことで、効果的にあそべる工夫もされています。

さらに、各カードにQRコードがついていて、動画(あそびの流れ)も見られるようになっています。支援者が「どのようにあそぶのか」という見通しを立て、より適切な支援につなげられるよう考えられています。

カエル跳びに取り組む様子

「好き」を伸ばし、「苦手」に取り組める

好きなことを伸ばす
子どもの好きなあそびから、あてはまるアイコンを選ぶことができます。例えば、揺れる動きが好きな子であれば、「4.ゆらゆらブランコ」や「27.一緒にゆらゆら」など。 
たとえ好きなあそびでも、目安となる時間を決めて取り組むのがポイント。 決められた時間で終われる力は、実行機能を高めることにつながります。

苦手なことに取り組む
あえて苦手なあそびが関わるアイコンを選んでみましょう。例えば、見本がないと何も作れない子は、「95.つみきでおままごと」や「96.つみき組み合わせクイズ」などで、物の特徴をとらえる力や表現方法を伸ばせます。苦手なあそびは短い時間から取り組み、成功体験を重ねることで、好きなあそびに変わる場合があります。拒否的な反応があるときは無理に行わず、子どもの意見を尊重して行うことが大切です。

体をうまくコントロールするためのあそびとは?

「じっとしていなさい」「姿勢よくして」と言葉がけしても、子どもには伝わりません。あらゆる感覚や機能が発達して初めてできること。『感覚あそびカード』を使って、楽しくあそびながらさまざまな感覚や機能を身につけましょう。

すぐに姿勢が崩れてしまう、じっとしていられない

『発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび』(以下、書籍)には、"すぐ姿勢が崩れてしまうのは「体を支える筋力が十分発達していないため」、また、じっとしていられないのは「姿勢を保てず、絶えず感覚を入力しようと動いているから」"(p.12-15より)と記されています。姿勢を保てないと転びやすかったり、階段を上る・靴を履くなどの生活場面での困難にもつながります。

◇姿勢を保てるようになるあそびの例
動物ごっこ
『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』より
『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』より
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動物になりきって四つんばいで体を支えます。机の下にもぐって食べ物を見つけに行くなど、ストーリーに見立ててあそぶと歩き方を工夫できます。ねらいは、体をしっかり安定させ、バランスを意識すること。

◇そわそわ動いてしまう子向けのあそびの例
だるまさんがころんだ
『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』より
『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』より
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誰でも知っているあそびですが、「動くと止まるのメリハリ」が取り入れられています。鬼の動きに合わせることで、見通しを持つ力をつけるというねらいもあります。

手先をうまく動かせるようになるあそびはこれ!

上手に手を動かせない

書籍(p.128-129)では、はさみの使い方を例に挙げています。はさみは薬指と小指を曲げたままで親指と人差し指、中指を動かして操作し、反対の手で紙をしっかり持ちます。しかし、この左右の手の役割分担ができないと、うまく切ることができません。『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』では、まず指の運動イメージを持ち、自由に動かすためのあそびを紹介しています。

手あそび歌
手拍子や「むすんでひらいて」などの音楽に合わせて、グーパーチョキのような手あそびをします。リズムよく動かすことで、聴覚や協調運動も伸ばせます。
『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』より
『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』より
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ふたの開け閉めができない

普段何気なく行っているふたの開け閉めも、”まず手や指先にしっかり力を入れてつまみ、ふたをねじるときは指先や手首をひねるという一連の動作があります。もう片方の手はボトルやスティック部分をしっかり握って支えるという、両手の役割分担が必要です”(書籍 p.132-133より)。

指の感覚が育っていないと力を入れすぎたり、しっかり握れなかったりするので、ふたの開け閉めがうまくできません。『今日何してあそぶ-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』では、手の運動をイメージする力、握る・つまむ力を伸ばすあそびが紹介されています。

新聞ひねり
タオルを絞るように新聞をひねって細くします。持ち方を変えていろいろな方向にひねることで、しっかり握りこむ動作、手首をひねる力を伸ばすことができます。
『今日何してあそぶ-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』
『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』
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新聞ひねりをする様子

今日何してあそぶ? 脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる
鴨下賢一 (監修), 高橋知義 (著), 小玉武志 (著), 池田千紗 (著), いとうみき (イラスト)
合同出版

監修者鴨下先生に聞く、「なぜ本ではなくカードに?」

鴨下賢一先生:専門作業療法士(福祉用具・特別支援教育・摂食嚥下)、 株式会社児童発達支援協会リハビリ発達支援ルーム「かもん」代表取締役、日本発達系作業療法学会 副会長
鴨下賢一先生:専門作業療法士(福祉用具・特別支援教育・摂食嚥下)、 株式会社児童発達支援協会リハビリ発達支援ルーム「かもん」代表取締役、日本発達系作業療法学会 副会長
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『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』を作成・監修したのは、専門作業療法士であり、株式会社児童発達支援協会リハビリ発達支援ルーム「かもん」の代表取締役でもある鴨下賢一さん。

なぜ本ではなくカード化したのか、カードでどのような力が育めるのかなどをお聞きしました。

子どもが自発的に取り組むことを願ってつくったカード

編集部(以下、――):なぜ本ではなく、カードの形式で販売しようと思ったのでしょうか。

鴨下先生(以下、鴨下):本(『発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび』)では、運動や手先の不器用な子、感覚過敏・鈍麻などを持つ子などがうまくあそべない事例をあげています。その背景にどんな特性が隠れているのか、感覚や脳機能について基礎知識を解説した、困りごとの解決に向けたあそびのヒントを紹介する支援者向けのものでした。

支援者と子どもが一緒になって使える教材を目指し、イラストを見て子どもが自らあそびを選び、自発的に取り組めることを願って作ったのが今回のカードです。カード化することで、子どもとコミュニケーションも取れるし、慌ただしい現場でもより使いやすくなっていると思います。

――楽しくあそぶことができない子どもがいるという課題は、保護者、療育や園・学校の先生などから挙がっていたのでしょうか?

鴨下:子どもが楽しくあそべないというより、関わる養育者や支援者から、「どのようなあそびを選べばいいか分からない」「どんなあそびが子どもの発達に役立つのか知りたい」といった声が挙がっていました。

――このカードでは、どんな力を育むことを目的としているのでしょうか。

鴨下子どもにはあそびを選ぶ力をつける、そしてそのあそびを通じて発達を促すことを目標としています。支援者にはそのあそびのねらいや、今回テーマとしている感覚や機能について知るということを目的としています。

楽しく取り組めるための工夫やこだわりがたくさん詰まったカード

――どんな使い方を想定してつくられていますか?仕様の狙い、紙質やサイズなどにもこだわりがありますか?

鴨下:カードは子どもの手で扱いやすいサイズと紙質にしてあります。イラストも親しみやすいタッチで、あそびを分かりやすく表現しています。

あそび方をより分かりやすくするために、動画を再生できるQRコードも載せてあります。事前にタブレットなどで子どもに見せることで見通しがもてたり、あそび方の理解を高めることができる工夫がしてあります。

両面にある感覚と機能のアイコンは、子どもの得意・不得意に合わせて選択できます。場所(屋内屋外・プール)や人数もアイコンで記し、どんな状況でも選べるようにいろいろな種類のあそびを考えました。

"活動のねらい"は、通園施設や療育の現場で個別指導計画の目標を作成するときにも役立ちます。

――ほかにもこだわった点や気をつけた点はありますか?

鴨下:漫然とあそぶのではなく、子ども自身が意欲的にあそびを選び、楽しめるようにすること。指導者側が、「そのあそびに取り組む目的を明確にする」という教育的な意味合いを持たせることに配慮しました。

実際に子どもたちと一緒にカードを使うと、ふだんは同じあそびを選びがちな子も、あそびのイメージを絵で確認して、新しいあそびにチャレンジしていました。自分で選んだあそびを楽しめた経験が次へのあそびにつながり、子どもの成長を伸ばすことにつながっていきます。

社会に出ていくために必要な基礎力をつけてほしい

最後に、発達ナビユーザーへ向けて、監修者の鴨下先生からメッセージをいただきました。

鴨下:最近は外で安全にあそばせられない状況もあってか、タブレットやスマホでゲームをしがちだったり、親が家事をしている間、ずっと動画を見せてしまうといった家庭も多いと思います。このカードは、「そうはいってもあそびのレパートリーが少ない…」と悩む方に、ぜひおすすめしたいと思います。子どもたちは体を使ったさまざまなあそびを通じて、成長に必要な感覚や機能を高める必要があります。

『今日何してあそぶ?-脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』でたくさん体を使ってあそび、生活や学習動作の基本となる感覚や機能を高めることで、集団生活やコミュニケーションなどの、社会に出ていくために必要な基礎の力を育ててもらえたらと思っています。

『今日何してあそぶ? 脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる』

今日何してあそぶ? 脳と体をそだてる感覚あそびカード144-11の感覚・機能を発達させる
鴨下賢一 (監修), 高橋知義 (著), 小玉武志 (著), 池田千紗 (著), いとうみき (イラスト)
合同出版
【監修者・著者紹介】
・鴨下賢一 
専門作業療法士(福祉用具・特別支援教育・摂食嚥下)、 株式会社児童発達支援協会リハビリ発達支援ルーム「かもん」代表取締役、日本発達系作業療法学会 副会長
・髙橋知義 
作業療法士、株式会社LikeLab/Switch
・小玉武志 
認定作業療法士、北海道済生会西小樽病院・みどりの里機能訓練室 係長
・池田千紗 
作業療法士、北海道教育大学准教授


取材・文/田崎美穂子
写真提供/合同出版
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