ASDの兄・タケル、夏祭りデビューのはずが…参加には思わぬハードルがあって!?
ライター:寺島ヒロ
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夏真っ盛り!我が家のでこぼこ兄妹も夏休みに突入し久しぶりにのんびりした時間を過ごしています。
さて、夏と言えば虫取り、ひまわり、かき氷…いろいろありますが、忘れられないのが地域のお祭りでの出来事。今回は兄タケルが小学校4年生、妹いっちゃんが幼稚園のころの思い出です。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
兄タケル小4の夏、となりの地区と合同で夏祭りを開催することに!
私たちが当時住んでいた地域は大変少子化が進んでおり、兄タケルが小学校1年生の時には20人ほどいた「子ども会」のメンバーも、4年生になるころには4人に減っていました。しかも3年後、妹いっちゃんが1年生になるころにはたった1人になる見込みとのこと。
これは大変!ということで、となりの区の発案でいずれ合併することを前提に、一緒に夏祭りを開催することになりました。
これは大変!ということで、となりの区の発案でいずれ合併することを前提に、一緒に夏祭りを開催することになりました。
しかし、合同での夏祭りの開催が決まったころには、わたしたちの地区の子どもたちはすでに夏休みの予定が埋まっていて、参加できるのはタケル1人ということになり、私は「困ったことになった...」と思いました。
同じ地区の子ども会の人たちには、人数が少ないこともあり、また幼いころから家が近くで顔見知りということもあり、タケルの障害のことを話していました。そのため、ちょっと変わった子だけど、理由もわかっているし、昔から知っているしということで受け入れてくれていたのです。
ですが、となりの区の新しい人たちと関わるとなるとそうはいきません。事前に障害のことを話すとしても、子ども会だけでなく地域のお祭りですから誰が参加するかもわからない、中には障害者に対してあまり理解がない人もいるかもしれないということを考えるとためらわれました。
同じ地区の子ども会の人たちには、人数が少ないこともあり、また幼いころから家が近くで顔見知りということもあり、タケルの障害のことを話していました。そのため、ちょっと変わった子だけど、理由もわかっているし、昔から知っているしということで受け入れてくれていたのです。
ですが、となりの区の新しい人たちと関わるとなるとそうはいきません。事前に障害のことを話すとしても、子ども会だけでなく地域のお祭りですから誰が参加するかもわからない、中には障害者に対してあまり理解がない人もいるかもしれないということを考えるとためらわれました。
結局、障害のことは何も言わず…お祭り当日までは、参加する人が少なそうな日を選んで盆踊りの練習だけ行くことにしました。
幸い、盆踊りの指導をしてくれたのは穏やかな年配の方ばかりで、また読みがあたって練習に参加していた人数も少なかったので、タケルも過度に興奮することなく無事に練習を終えることができました。あとは当日楽しく参加するだけ、と親も一安心していました。
と・こ・ろ・が…!
幸い、盆踊りの指導をしてくれたのは穏やかな年配の方ばかりで、また読みがあたって練習に参加していた人数も少なかったので、タケルも過度に興奮することなく無事に練習を終えることができました。あとは当日楽しく参加するだけ、と親も一安心していました。
と・こ・ろ・が…!
いよいよお祭り当日。練習の成果を発揮!するはずが...
待ちに待ったお祭り当日、練習の時にはカセットテープ音源だったので気にならなかった太鼓の音が、実際はとても大きかったことに驚き、タケルはお祭りの会場に着いたとたん倒れてしまいました!一緒に来ていた妹いっちゃんも「うるさい!もう帰る!」と涙目に…。
もうこうなってはどうしようもありません。夫と2人で子どもたちを抱えてすたこらさっさと自宅に戻ったのでした。
もうこうなってはどうしようもありません。夫と2人で子どもたちを抱えてすたこらさっさと自宅に戻ったのでした。
タケルやいっちゃんに聴覚過敏なところがあるのはわかっていましたが、当時は私も夫も、そして本人たちもどれぐらいの大きさ、どんな音が苦手なのかわかっていませんでした。聴覚過敏の子どものためのノイズキャンセラーや耳栓などの知識も持っていませんでしたし、当時のことを思い出すと今でも残念な気持ちがよみがえります。
しかし、次の年も、また次の年も、タケルは盆踊りを楽しみにしており、練習にだけは喜んで参加していました。(当日は行かないのですが…)地域の人たちとの絆の方はかろうじて育てることができ、自分のできる範囲で地域活動を楽しむことができていたようです。
執筆/寺島ヒロ
しかし、次の年も、また次の年も、タケルは盆踊りを楽しみにしており、練習にだけは喜んで参加していました。(当日は行かないのですが…)地域の人たちとの絆の方はかろうじて育てることができ、自分のできる範囲で地域活動を楽しむことができていたようです。
執筆/寺島ヒロ
専門家コメント 初川久美子先生(臨床心理士・公認心理師)
夏祭りのエピソードをありがとうございます。盆踊りの和太鼓、お腹に響く立派な音がしますよね。練習時と本番とでは音をはじめとして違いがさまざまあることも初回だと予測しきれなかったと思います。タケルくんは音に驚きながらも翌年からも盆踊り練習には参加しているのも、自身の良きペースで関われていることがとてもいいなと思いました。隣の区の子ども会さんというちょっと距離のある間柄だと、障害について伝えるかどうかも悩ましいところですが、今回隣の区の夏祭りに初めて参加してみた際に、濃密なコミットというよりも、練習に参加して年配の方々中心に関わっていく程度が程よいペース感だと分かったようですね。そういう点で、“はじめにお子さんについての説明ありき”ではない形での関わり方が程よく機能したように思いました。(監修:臨床心理士・公認心理師 初川久美子先生)
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