ASD(自閉スペクトラム症)の特徴は?0歳から学齢期、成人期までの年齢別に紹介【専門家監修】
ライター:発達障害のキホン
ASD(自閉スペクトラム症)は発達障害の一つで「社会的なコミュニケーションの困難さ」「限定された行動や興味、反復行動、感覚の過敏または鈍麻」といった特徴が発達段階に応じて表れます。幼児期には遊びの中、学校に入学してからは集団生活や学習など、発達段階と周囲の環境によって表れてくる特徴も違ってきます。
今回は幼児期、児童期、思春期、成人期それぞれの段階で表れやすい特徴を具体的にまとめました。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
年齢別に見たASD(自閉スペクトラム症)の特徴とは?
ASD(自閉スペクトラム症)は、
・対人関係や社会的コミュニケーションの困難
・特定のものや行動における反復性や強いこだわり、感覚の過敏または鈍麻
などの特性が幼少期から見られ、周囲の環境とのミスマッチにより日常生活に困難が生じる発達障害の一つです。
ASD(自閉スペクトラム症)は幼少期に気づかれることが多いと言われていますが、特徴の表れには個人差があるため幼少期には困りごとが表面化せず、学校や職場において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。
また、平成17年に政府の行ったアンケートでは、ASD(自閉スペクトラム症)を含む発達障害のある人は「見た目では分からない」ということにつらさを感じている人が多いようです。確かに、対人関係の苦手さや物事へのこだわりは程度の差はあっても誰しも感じているもので、ASD(自閉スペクトラム症)の特性からきているかは分かりづらいと思います。
・対人関係や社会的コミュニケーションの困難
・特定のものや行動における反復性や強いこだわり、感覚の過敏または鈍麻
などの特性が幼少期から見られ、周囲の環境とのミスマッチにより日常生活に困難が生じる発達障害の一つです。
ASD(自閉スペクトラム症)は幼少期に気づかれることが多いと言われていますが、特徴の表れには個人差があるため幼少期には困りごとが表面化せず、学校や職場において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。
また、平成17年に政府の行ったアンケートでは、ASD(自閉スペクトラム症)を含む発達障害のある人は「見た目では分からない」ということにつらさを感じている人が多いようです。確かに、対人関係の苦手さや物事へのこだわりは程度の差はあっても誰しも感じているもので、ASD(自閉スペクトラム症)の特性からきているかは分かりづらいと思います。
そこでこの記事では、ASD(自閉スペクトラム症)の大まかな年代別の特徴の表れ方を紹介していきます。あくまで傾向であり、全員に当てはまるわけではありませんが、参考としてご覧ください。
幼児期(0歳~小学校就学前)の特徴
ASD(自閉スペクトラム症)は、幼児期からコミュニケーションや感覚の面で特徴が表れることがあり、1歳半健診(1歳6か月児健診)や3歳児健診などで医師から可能性を伝えられることもあります。ただ、実際に診断可能なのはおおむね3歳あたりからといわれています。
コミュニケーションの困難
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもはコミュニケーションにおいて、以下のような特徴が見られることが多いといわれています。
・視線を合わせようとしない
・人見知りをしない
・ほかの子どもへの興味が薄い
・名前を呼んでも振り返らない
・指さしをしない
・言葉の遅れがある
・オウム返しが多い など
ただ、子どもの発達は個人差が大きく、こういった特徴はASD(自閉スペクトラム症)の有無にかかわらず見られる場合もあります。気になる方は1歳半、3歳児健診の際などに医師に聞いてみるとよいでしょう。
・視線を合わせようとしない
・人見知りをしない
・ほかの子どもへの興味が薄い
・名前を呼んでも振り返らない
・指さしをしない
・言葉の遅れがある
・オウム返しが多い など
ただ、子どもの発達は個人差が大きく、こういった特徴はASD(自閉スペクトラム症)の有無にかかわらず見られる場合もあります。気になる方は1歳半、3歳児健診の際などに医師に聞いてみるとよいでしょう。
特定の刺激や活動に対するこだわり
ASD(自閉スペクトラム症)の特徴として、特定の刺激や活動に強いこだわりが見られることがあります。
例えば、お気に入りのミニカーをひたすら同じ順番で並べることにこだわるという子どもがいます。ほかにも、くるくる回るものをずっと見ていたり、ドアを意味もなく開け閉めするのを楽しむということもあります。
また、このような物事にずっと熱中して、切り替えることが難しく、無理にやめさせようとすると癇癪を起こすという子どももいます。
例えば、お気に入りのミニカーをひたすら同じ順番で並べることにこだわるという子どもがいます。ほかにも、くるくる回るものをずっと見ていたり、ドアを意味もなく開け閉めするのを楽しむということもあります。
また、このような物事にずっと熱中して、切り替えることが難しく、無理にやめさせようとすると癇癪を起こすという子どももいます。
特定の感覚への過敏さ
ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもの中には、特定の感覚へ過剰に反応するという特徴もあります。
例えば視覚では、太陽や蛍光灯のチカチカした光を見ていられないという子どももいます。また聴覚では、大きな音や突然の音、乳児の泣き声などに過敏さが見られる人がいます。ほかにも、服のタグの感触が苦手、特定の食べ物の匂いや食感が苦手、複数の刺激を同時に受けるとひどく疲れてしまうという特徴をもつ方もいます。
また、過敏ではなく、反対に感覚が鈍い感覚鈍麻(どんま)が見られる場合もあります。感覚鈍麻がある方の中には、暑さ寒さや痛みなどに鈍感な子どももいます。このような感覚の問題は外から見て分かりづらいので、一人ひとりの特徴を知って対応することが必要です。
例えば視覚では、太陽や蛍光灯のチカチカした光を見ていられないという子どももいます。また聴覚では、大きな音や突然の音、乳児の泣き声などに過敏さが見られる人がいます。ほかにも、服のタグの感触が苦手、特定の食べ物の匂いや食感が苦手、複数の刺激を同時に受けるとひどく疲れてしまうという特徴をもつ方もいます。
また、過敏ではなく、反対に感覚が鈍い感覚鈍麻(どんま)が見られる場合もあります。感覚鈍麻がある方の中には、暑さ寒さや痛みなどに鈍感な子どももいます。このような感覚の問題は外から見て分かりづらいので、一人ひとりの特徴を知って対応することが必要です。
児童期(小学校就学~卒業)の特徴
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは、小学校に入学する児童期には集団生活や学校のルール、学習などに関して困りごとを感じる場面がみられやすくなります。
集団生活の困難
感覚の過敏性から人がたくさんいる場所が苦手で、集団に入ることそのものが困難であったり、好きな遊びに没頭する傾向から孤立傾向になってしまうことがあります。他者の気持ちに共感することが難しい場合、年齢相応の友人関係を育むことに困難が生じる場合があります。また、周りの状況にかかわらずマイペースに過ごしてしまう傾向があります。
臨機応変な対応が苦手
予定の変更に対応することが困難で、きちんと決められたルールを好み、場面に応じて臨機応変に対応することが苦手な傾向にあります。例えば運動会など学校のイベントで急に予定が変わると、パニックになってしまうという子どももいます。
特定の物事への強いこだわり
興味を持つことや気になることに対して、同じ質問を何度もすることが多く見られます。また、日常生活の多くの場面で独特の強いこだわりを持っていることが多いので、手順が変わると混乱してしまいやすい特徴もあります。
学習の遅れや偏り
抽象的な言葉や口頭での指示の理解が難しいことや、感覚過敏で周囲の音や動きに気を取られて授業に集中できないということがあります。また、登場人物の感情を答える問題が苦手など特定の学習に困難を感じる子どももいて、学校の勉強に遅れが生じることがあります。