「ちょうどいい」温度が分からない…?ASD息子の体調不良を防げ!母が伝えた「基準とルール」

ライター:丸山さとこ
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寒い季節になりました。衣類や暖房を使って体調管理に努めたいところですが、「感覚的に判断して丁度よい調整をすること」が苦手なコウ。暑すぎる部屋で汗をかいているかと思えば、逆に薄着で暖房もつけないまま震えていることも。そんな彼のために「明確な基準」を用意してみました。

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監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

寒さへの対応はできている?

1月になり、いよいよ寒さも厳しくなってきました。冬の間、我が家ではエアコンやガス暖房を使っています。コウも小学生になってからは「自由に使っていいよ」としているのですが、しばしば適温になっていない時がありました。
「何か顔があつい・・・」
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コウが温度設定を上げたくなった時、同じ部屋に家族がいる時は「温度上げていい?」と確認してくれるので問題ないのですが、1人で過ごしている時は「なんか顔が熱い」と言いながら暖房の効きすぎた部屋で汗をかいていたりしました。

かと思えば、逆に「なんか寒い」と言いながら暖房のない部屋で薄着のまま震えていることもあるコウ。寒さに対して衣類や暖房器具で調整するのが苦手なようです。
「何か調子悪い・・・?」
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「なんか暑い・寒い」と気付く時はまだよい方で、「なんか調子悪い・疲れると思っていたら、冷えたりのぼせたりしていた」ということも多いコウです。彼にとって、気温に合わせた行動をとることは少し難しいようです。

見て分かる指標を参考に

「今23℃かー・・・低くしようかな?」
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"寒くなったら・暑くなったら"という感覚をたよりに行動すると丁度よい調節ができないコウには、“目で見て分かる明確な指標”を参考にしてもらっています。

温湿度も表示するタイプの時計が各部屋に置いてあるので、それを時々確認した上で「室温が23℃になったら温度設定を下げる」というルールにしています。
「ありゃ、カゼひいたかもね。」
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室温が23℃あって厚着もしているのに寒さを訴える時は体調不良だったりするので、室温の上限を決めることは不調の発見にも役立っています。

服で調節する?それとも空調?

コウは薄いTシャツ1枚の状態で暖房をつけようとすることも多かったため、「まずは服で調整して、それでもダメなら空調を入れる」というルールになっています。

彼は腕がモコモコすると落ち着かないようなので、薄手の羽織りものか中綿入りのベストをいつもリビングの椅子にかけて置いています。

椅子の背中に衣類がかかっている姿は少しだらしないかな…?と思うところはありますが、読書や折り紙に熱中していても席を立たずにさっと羽織れるのが良いみたいです。目線は机の上に固定したままモソモソとそでを通しているのをよく見ます。
「おーい。ウデ通す方逆だよ。」
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切り忘れ対策には“つける時点で”タイマーを

また、“うっかりミス”が多い私とコウは、エアコンの消し忘れを防ぐため「スイッチをいれる時点で切タイマーをつける」ようにしています。
「ご飯は7時だから・・・2時間後がいいかな?」
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この方法ですと、「何時までこの部屋を使う予定か」を考える必要があるため、見通しを立てる練習にもなります。自分で見通しを立てるのが難しければ、「夕飯までこの部屋で遊ぶなら2時間」というように目安を教えたり、ヒントを与えつつ一緒に考えたりすることも可能です。

細かく考えるのが面倒であれば、就寝時間に切れるようにセットすることで「誰もいない部屋で一晩中空調がつきっぱなし」という事態は防げるので、それでよしということにしています。
毛布は最高!
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寒さは一番厳しい時期ですが、「冬至も過ぎて年も越して、日差しのある時間はこれから長くなる一方なんだよね。」と思うと、何となく“冬はその内終わるんだな~”という気持ちになって「寒い内に冬を楽しもう!」とすら思えてくる単純な私です。

雪遊び、鍋、あたたかい部屋でのアイスに、ふわふわの毛布!冬ならではの“いいもの”をコウと一緒に楽しみつつ、空調と衣類を使って体調管理に努めて冬を乗り切りたいと思います。

執筆/丸山さとこ

専門家コメント 室伏佑香先生(小児科医)

コウくんの「暑い・寒い」という感覚だけに頼るのではなく、温度計という目で確認できる基準を使って調整している工夫が、とても分かりやすく、参考になりますね。ASD(自閉スペクトラム症)のあるお子さんでは、暑さや寒さ、空腹、疲れなどの身体内部の感覚に気づきにくかったり、反対に強く感じたりすることがあります。また、気づいていても、遊びや好きなことに集中していると、服を着る、暖房を調節する、という次の行動につながりにくいこともあります。目で見て分かる、具体的な基準を決めておくことは、本人が自分で判断するための大きな助けになりますね。
そして、羽織りものをすぐ手の届く場所に置く工夫も、できないことを指摘するのではなく、コウくんが自然に行動しやすい環境をつくるという、とても素敵な関わりだと思いました。見える基準やルールに従ってご自身が判断して実行していくことは、少しずつご本人が自分の体調や生活を管理していくための練習にもなっていると思います。特性の有無にかかわらず、こういった工夫をお子さんとの生活の中に取り入れていきたいですね。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
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