受験期なのに勉強しないADHD息子に、途方にくれていた母。救世主に"お任せ"した結果は…?
ライター:かなしろにゃんこ。
イヤな言い方をされると反応して素直に指示に従えなかったり、人の話を理解するのに時間がかかってしまったりする、ADHD(注意欠如多動症)と広汎性発達障害(ASD/自閉スペクトラム症)がある息子。受験生だった頃、特性が強い息子の勉強をみてくれるところがなくて困っていたのですが、ピッタリの個人塾に出会いました。息子に合わせた指導で、一人ではなかなかできなかった勉強ができるように!
発達障害の子どもの受験勉強ついて、専門家の解説と共にご覧ください。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
勉強をしない発達障害の子ども。受験を乗り切るための工夫は?
発達障害とは、先天的な脳機能の発達のアンバランスさやその人が過ごしている環境、周囲の人間関係などのミスマッチから、社会生活に困ごとが生じる障害です。ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD・SLD(限局性学習症)などが発達障害に含まれます。
発達障害のある子どもは、得意と不得意の差が大きかったり、物事の感じ方や考え方がほかの多くの人とは違う傾向があります。そのため、受験勉強のやり方などにも、その子の特性にあった工夫があるとよいでしょう。以下で発達障害のある子どもの特性による受験勉強への工夫を紹介します。
発達障害のある子どもは、得意と不得意の差が大きかったり、物事の感じ方や考え方がほかの多くの人とは違う傾向があります。そのため、受験勉強のやり方などにも、その子の特性にあった工夫があるとよいでしょう。以下で発達障害のある子どもの特性による受験勉強への工夫を紹介します。
発達障害の子どもの受験勉強への工夫
●得意分野から行う
苦手教科から取り組むとモチベーションが上がらなかったり、効率が悪くなります。比較的とくな教科から集中して取り組めるよう習慣づけることが大事です。得意教科の点数が上がることによって、苦手教科への取り組みもしやすくなります。
●勉強の習慣をつける
集中しにくかったり気が散りやすかったりする場合、刺激が少なく学習に取り組みやすい場所を探しましょう。声を出しながら発音を確認したり暗記をしたりするときの学習場所と、落ち着いて問題を解く場所を変えてもよいでしょう。勉強時間を決めて達成したらグラフを塗りつぶすなど、達成感を持たせる工夫をしたり学習計画を一緒に立ててあげるとよいかもしれません。
●インターネットやパソコンなどを活用する
読み書きが苦手なお子さんやイメージをするのが苦手なお子さんの場合、例えば地理の勉強などでその地域を紹介した動画を見たり、勉強を解説してくれるユーチューバーの動画を見たりすることで、取り組みやすくなると思います。
●オープンキャンパス、オープンスクールなどに参加する
実際に学校へ行って雰囲気をつかんだり、先生と話すことでやりたいことや学びたいことが具体的になり、受験勉強への動機付けも上がることが期待されます。また、通学の交通手段や下宿の必要性など勉強以外の生活面も意識して学校選びをすることができると思います。
苦手教科から取り組むとモチベーションが上がらなかったり、効率が悪くなります。比較的とくな教科から集中して取り組めるよう習慣づけることが大事です。得意教科の点数が上がることによって、苦手教科への取り組みもしやすくなります。
●勉強の習慣をつける
集中しにくかったり気が散りやすかったりする場合、刺激が少なく学習に取り組みやすい場所を探しましょう。声を出しながら発音を確認したり暗記をしたりするときの学習場所と、落ち着いて問題を解く場所を変えてもよいでしょう。勉強時間を決めて達成したらグラフを塗りつぶすなど、達成感を持たせる工夫をしたり学習計画を一緒に立ててあげるとよいかもしれません。
●インターネットやパソコンなどを活用する
読み書きが苦手なお子さんやイメージをするのが苦手なお子さんの場合、例えば地理の勉強などでその地域を紹介した動画を見たり、勉強を解説してくれるユーチューバーの動画を見たりすることで、取り組みやすくなると思います。
●オープンキャンパス、オープンスクールなどに参加する
実際に学校へ行って雰囲気をつかんだり、先生と話すことでやりたいことや学びたいことが具体的になり、受験勉強への動機付けも上がることが期待されます。また、通学の交通手段や下宿の必要性など勉強以外の生活面も意識して学校選びをすることができると思います。
以下からは、リュウ太さんの受験期のエピソードをお届けします。専門家のコメントと併せてご覧ください。
授業中は床にゴロン!気が向いたときしか勉強しなかった息子
ADHD(注意欠如多動症)と広汎性発達障害(ASD/自閉スペクトラム症)がある息子のリュウ太は小学校では勉強らしい勉強をやらずにきました。
なにせ授業中は廊下が友だちでゴロンですから、やってもいいかな~♪と気分がのったときだけ授業を受けるという気ままな子です。
そんな状態ですから、中学に進んでなんでも自主的!に行うことを求められるようになると、勉強についていくことができなくなっていきました。テスト勉強ももちろんほとんどやらず、テストで平均点を取ることも難しくなりました。
テスト前、「勉強しなさいよ」と声をかけると、部屋の中から「今やってるよ!」と返事が返ってきていました...が、本当はやっていなかったと思います(笑)
なにせ授業中は廊下が友だちでゴロンですから、やってもいいかな~♪と気分がのったときだけ授業を受けるという気ままな子です。
そんな状態ですから、中学に進んでなんでも自主的!に行うことを求められるようになると、勉強についていくことができなくなっていきました。テスト勉強ももちろんほとんどやらず、テストで平均点を取ることも難しくなりました。
テスト前、「勉強しなさいよ」と声をかけると、部屋の中から「今やってるよ!」と返事が返ってきていました...が、本当はやっていなかったと思います(笑)
周囲は受験対策を始める時期...うちの子のやる気スイッチが見つからない(涙)
中1のときだけ理科担当の担任の先生がテスト前に朝の特別授業をしてくれたので理科だけは平均点を獲得しましたが、他の教科はボロボロですよ…あはははは…(涙)
テスト前に息子は「寝る間も惜しんで勉強しないといけないなんてオレにはムリ!勉強はやらない!」と”勉強を一生懸命やらない宣言”をしやがりまして、以後本気で勉強に向き合うことを避けていました。
とは言っても、中2の冬頃になると周りは少しずつ高校受験の準備をはじめます。一緒に遊んでいた子も塾に通いはじめるし、家庭教師をつける子もいたり...
うちも受験前に何もしないのはさすがにマズイだろうと家庭教師や英会話教室なども挑戦しましたが、やる気スイッチが発動しなくてどれも長続きしませんでした。
勉強が面白くないのは先生の教え方が悪い、教材がわかりにくいなどと難癖をつけ...やる気がないときは全身の力が抜けて床に寝転がり、数時間充電しないと何もできず...
好きなことでは記憶力が良くても、その他のことでは短期記憶も苦手で...
テスト前に息子は「寝る間も惜しんで勉強しないといけないなんてオレにはムリ!勉強はやらない!」と”勉強を一生懸命やらない宣言”をしやがりまして、以後本気で勉強に向き合うことを避けていました。
とは言っても、中2の冬頃になると周りは少しずつ高校受験の準備をはじめます。一緒に遊んでいた子も塾に通いはじめるし、家庭教師をつける子もいたり...
うちも受験前に何もしないのはさすがにマズイだろうと家庭教師や英会話教室なども挑戦しましたが、やる気スイッチが発動しなくてどれも長続きしませんでした。
勉強が面白くないのは先生の教え方が悪い、教材がわかりにくいなどと難癖をつけ...やる気がないときは全身の力が抜けて床に寝転がり、数時間充電しないと何もできず...
好きなことでは記憶力が良くても、その他のことでは短期記憶も苦手で...
塾に通わせようにも、こんな息子の特性を理解してもらわないと授業にもならないので、大手の素晴らしい個別指導塾でもダメなんじゃないかしら?どうやって受験対策をしたらいいのやら...と悩んでいました。
そこで地域の先輩ママに相談したところ、個人宅で小さな塾をしている方が近くにいることを知りました。息子の同級生のママが先生をしている塾でした。
そこで地域の先輩ママに相談したところ、個人宅で小さな塾をしている方が近くにいることを知りました。息子の同級生のママが先生をしている塾でした。
落ち着きのない子でも見てくれるというので、見学に行って息子が発達障害であることや特性を話して相談したら、「それでも大丈夫ですよ!本当は男の子は小学校5年生から受験の準備をはじめたほうが受験問題をきちんと理解できるようになるんですけど、受験までにやれるところまで頑張りましょう!」と言ってくださり、通ってみることになりました。