発達凸凹の小学生がぶち当たる悩みの解決方法は?『発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方』発達ナビユーザーのリアルなお悩みから誕生した書籍が発売

ライター:発達ナビBOOKガイド
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すばる舎
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「発達障害と診断された」「グレーゾーンと言われている」というお子さんの保護者のなかには、子育てに不安を抱える方も多いのではないでしょうか。鳥取大学大学院教授で臨床心理士の井上雅彦先生が監修した書籍『発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方』は、発達が気になる子の保護者や、そうした親子を支える支援者へのヒントが散りばめられています。こんなときにはどうサポートしたらいいのか?はもちろん、先輩保護者の「我が家ではこうした」という事例も豊富。単なるハウツー本ではない、一人ひとりの子育てに寄りそう1冊です。

不安だらけなのはみんな同じ。少しでも子育てを楽に

発達が気になるお子さんの保護者や支援者のためのポータルサイト「LITALICO発達ナビ」。本書は、このサイトに寄せられたリアルな悩みや声から生まれました。

「これから始まる小学校での生活、ちゃんとやっていけるのだろうか」
「学校から呼び出しばかり。高学年になってもこのままなのだろうか」
「個性は大切にしてほしいけれど、集団生活にもなじめるように折り合いをつけていってほしい」

発達障害やグレーゾーンの小学生とその保護者がぶち当たりがちな悩み、トラブルや困りごとの数々。どのようにその背景を紐解き、子どもを支援すればいいのか。この本では、同じような環境にいるご家族が抱える悩みや、その中で見出した解決策までが紹介されています。
発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方
井上 雅彦 (監修)
すばる舎
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子どもがこだわりを見せて困ることがあっても、幼稚園や保育園では、さほど大きな問題を感じることがなかったという方もいるのではないでしょうか。でも、小学校入学を目の前にしたとたん、大きな不安を抱えてしまう方はたくさんいます。

小学校は幼稚園や保育園とは違い、集団行動や時間通りの行動が求められます。また一人の担任が40人近い子どもたちを見るため、幼稚園や保育園のような対応が難しくなるという現実もあります。そして、集団行動から外れる子どもは、とりわけ目立って見え「我が子だけができない」という焦りや不安を感じてしまいがちです。

本書には、子どもの特性を紐解いたうえで、子どもやその親が抱えがちなさまざまな問題への対応法を掲載。多彩な対応の方法があるということを知ることや、トラブルのみでなくその背景にあるお子さん自身にある理由に気づけるようになることで、今後の子育てがきっと楽になるはずです。

成功と失敗を繰り返しながら、子どもの特性に気付く

片付けが苦手、についてのページのキャプチャ
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本書は1章から6章までで構成されています。

1章では、発達障害の解説や、また発達障害とは診断されないグレーゾーンの子どもたちについても説明されています。子どもを理解することや、さまざまなサポートがあることを知ることで、子どもとの向き合い方が、今までよりさらに分かるようになるでしょう。

2章から6章は、「家庭習慣」「日常生活」「学校生活」「対人関係」「学習・運動」のカテゴリに分かれています。カテゴリごとのさまざまな問題に対して2〜3つの対策、そして「うちではこうしました!」などのコラムで組み立てられています。

たとえば、「片付けが苦手」という問題に対しては「対策1:片付けの手順をリスト化する」「対策2:片付けの時間を決める」「対策3:音楽をかけてゲーム感覚で」という3つの対策を紹介。子どもの特性に合わせて、まずは一番合いそうなものを試してみてください。ひとつ目でうまくいかないというときは、また次の方法を…という具合に。

もちろん、この3つではうまくいかないということもあるでしょう。そんなときには「うちではこうしました!」というコラムも参照してみてください。実際に小学生を育てているご家庭で実践されている例が豊富に紹介されています。
実際のご家庭のアイデアを紹介するコラム
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大切なのは、成功と失敗を繰り返しながら、その子自身の特性を理解し、どんなことが得意でどんなことが苦手なのかに気づくことです。

そして、本書の大きな特色の1つがイラストをふんだんに使っていること。イラストは、発達ナビの連載ライター、かなしろにゃんこ。さんが担当しています。イラストで図化されることで、対応方法も理解しやすいつくりになっています。
片付け場所の視覚支援の例
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1日のスケジュールに片付けの時間を組み込む例
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音楽を鳴らしリズムに合わせて片付けを促す例
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目に見えるトラブルはさまざまでも、その対応方法には一定の法則があることに、読み進むうちに気づくでしょう。たとえば、見える化することで苦手を克服する、ゲーム感覚で進める…など。見えているトラブルごとに対応策があるわけではなく、お子さんそれぞれの中にある理由や特性に、対応策のヒントがあるのです。目に見える「トラブル」ではなく、お子さん自身を見つめることで、お子さんに合う対応方法が見えてくるはずです。

自立して生きて行くために必要な「家庭生活の悩み」

2章で紹介するのは「家庭習慣」の悩みへの対応のヒントです。

日常生活に必要なこと、身の回りのことを、自分一人でできるようになることは、自立して生きていくためには欠かせません。身辺自立に困難さがあるケースを集めて、その対策を紹介しています。

「片付けが苦手」
「やることの優先順位づけや時間配分が苦手」
「食事に集中できない」
などの、家での生活についてはもちろん、

「時間割を見て準備ができず、忘れ物が多い」
「家で宿題をやろうとしない」
など、学校生活に関わる悩みも含まれます。

たとえば、忘れ物が多いのは、「ほかのことに気を取られて、持ち物のことを忘れてしまう」ことが主な原因となっている場合が多くあります。玄関まで持ち物を持ってきていても、靴を履いているうちに忘れてしまったり、どこかに置いたまま遊んでそのまま忘れてしまうこともあります。それは、単に記憶力が弱いのではなく、注意力に課題があるためだと考えられます。

そこで、環境を工夫したり、最初から一人で準備させたりするのではなく、声をかけながら一緒に準備をし、スモールステップで進むことが大切になります。本書では、リストを作る、教科ごとひとまとめにしたセットを作っておく、準備は前日に完了させておく、などの方法を紹介しています。
科目別にノートや教科書をしまうファイルを作る例
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家庭のなかではもちろん、おでかけ先でも起こる「日常生活の悩み」

車道に飛び出す子ども
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3章では、家庭ではもちろん、外出先でも起こる困りごとの対処法を紹介します。

「何度注意しても言うことを聞かない」
「興奮すると場所をかまわず大はしゃぎする」
「間違いを正されると、すぐにふてくされたり、怒ったりする」
「ゲームやネットばかりしている」
といった、ありがちなトラブルや悩みの対応方法が並びます。

電車のなかで大騒ぎする子どもに、感情的になって怒鳴りつけてしまう母親の姿は――どなたも目にしたことがあるのではないでしょうか。また、自分もやりがちで、あとで自己嫌悪してしまう…という方もいるでしょう。

そんなときにはどうしたらいいのか。「興奮すると場所をかまわず大はしゃぎする」では以下のように紹介しています。

こうした子どもに「話しちゃだめ!」「動いちゃだめ!」というだけでは、うまく伝わりません。なぜなら、注意力が散漫でいろいろなことに関心が行きやすかったり、衝動性が強くてじっとしていられなかったり、見たものをすぐに誰かに伝えたくなったりといった理由があるからです。

がまんさせようとするばかりではなく、代わりにできることを提案したり、「道は走らないで。でも公園に着いたら思い切り走って大丈夫だよ」などと、メリハリをつけることが大切です。これを踏まえて、本書ではさらに3つの対策を紹介していきます。

楽しい学校生活を送るために解決したい「学校生活の悩み」

内緒話をしている友達の輪に無理に入ろうとしている様子
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第4章では、学校生活での悩みとその対策を紹介します。

小学校の通常学級は、みんなと同じスピードで時計が進みます。3年生は3年生らしく、6年生になれば6年生らしくと、全員が並列的な成長を求められがちです。

しかし、発達障害があったり、グレーゾーンの子どもたちは、その並列的な成長を前提とした学習や学級運営のなかでうまくいかない場面も多くなるでしょう。お子さんの”できないこと”が目立つと保護者には焦りが出てくるかもしれません。学校でのことは保護者が立ち入れない部分も多く、学校では保護者の助けが及ばないこともあります。

だからこそ、学校生活では、お子さんが苦手なことをすべて解決できるわけではないと割り切っておくことも大切です。完璧を求めすぎてはいけません。先生と共通理解をしながら進めましょう。

ある程度の苦手や失敗があったとしても、子どもが学校生活を楽しめることが一番です。この章では、学校でよくある困りごととその対策が集められています。

「授業中に集中せず立ち歩く」「ものをなくしたり、忘れ物が多い」「集団生活のルールを守らずマイペースな行動が目立つ」などへの対策は、担任の先生の協力が必要なこともありますが、実は家でやれることもたくさんあります。

たとえば、忘れ物に気づいたら「①先生に言う、②友達に借りる、③家に電話をする」など、やるべきことを書いたメモを目につくところに貼っておくことや、分からないことを人に聞く練習は、家でできる学校生活に関わる困りごとの対策です。

ぜひ、楽しい学校生活を送るためのヒントとしてお役立てください。

多くの発達障害やグレーゾーンの子どもたちが抱える「対人関係の悩み」

友達を泣かせても謝らないという子ども
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臨床の現場で、発達障害の子どもたちが挙げる困りごとで一番多いのが「対人関係の悩み」なのだそう。そんな「対人関係の悩み」をテーマに対処法を紹介するのが5章です。

この章では、「『ごめんなさい』が言えない」「自分の意見を言えない。(困っていても)自分で伝えられない」「相手の気持ちが読めず余計なことを言ってしまう」「人と協力して何かをすることが難しい」…など、発達障害やグレーゾーンの子どもたちの多くが抱える、対人関係の中で生まれる困りごとと対策を紹介。

どれも、誰かと関わりながら社会のなかで生きていく子どもたちにとって、改善できれば嬉しいことばかりです。言葉では説明しにくい相手の気持ちについては、特に掲載されているイラストが役立ちます。

社会には暗黙のルールがあります。たとえば「悪いことをしたら謝る」「太っている人に体重を聞かない」など。けれど、発達障害やグレーゾーンの子どもにとって、相手の気持ちを推測するのはとても難しいことです。

子どもは年齢を重ねるにつれ、親が注意しても「うるさい!」などと反発するようになり、親の思う通りには動いてくれなくなるもの。だからこそ、幼少期から少しずつ社会的スキルを身に付けておくことが大切になります。

自己肯定感を高めるためにも解決したい「学習・運動」の悩み

かきとりのテストでたくさん赤字が入り凹む子ども
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本書の最後、6章で取り上げられているのが「学習・運動の『困った』について」です。

この章では、「文章を読むのが苦手」「学習用具をうまく使えない」「図画工作が苦手」「体育全般が苦手」などの悩みが挙げられています。それぞれの対策は日常的に家庭で実践できることばかり。子どもが苦手意識を持つ前の段階から、さまざまな方法を試しておくと良いかもしれません。

発達障害やグレーゾーンの子のなかには、知的障害がなくても、読み書き計算のどれか、またこれら複数に渡って困難さが見られる子がいます。このような子どもは、「なぜできないのか」と叱られる回数が多くなる場合もあるでしょう。

失敗や叱られる経験が重なると、子ども本人が学習や運動そのものを嫌いになってしまうことも。さらに失敗は自己肯定感を下げてしまう可能性もあります。

子どもが学習や運動を嫌いにならず、自信を失わないためにも、うまく困難さを補ってあげることが大切です。

小学校6年間の子育てに寄りそってくれる1冊

本の表紙
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5つのカテゴリーに分けて、さまざまな困りごとの対処法を紹介している『発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方』。もちろん、すべての困りごとを解決する、魔法のような方法が載っているわけではありません。子育ては、分かりやすいハウツーだけで解決するものではないからです。でも、この本を通して、1つの困りごとに対して、さまざまな対処方法があることに気付けるはずです。そしてその対処方法は、お子さんに合ったものを選ばなくてはいけません。

すべてのトラブルや困りごとの背景には、そのお子さん自身の特性やお子さんなりの理由があるはずです。支援をする際に何より大切にしたいのは、「その子自身をみる」こと。本書で紹介される、さまざまな対処方法を読み進めるうちに、最も大切にすべきそのポイントが、見えてくるようになるはずです。

小学生の子どもの育て方について漠然とした不安を抱えている方もぜひ本書を手にとってみてください。発達障害の有無にかかわらず「その子自身」をみて、背景にある思いによりそう対応は、さまざまな困りごとを根本的に解決する際に大切です。

短いようで長い、長いようで短い小学校6年間のなかで、困りごとや子育ての不安に直面するたびに支えとなってくれる1冊です。
発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方
井上 雅彦 (監修)
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