文字を書くのが苦手なADHD息子、原因は「ツルツル」にもあった!?筆圧の調整も道具をかえて練習してみると…

ライター:かなしろにゃんこ。
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ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は不器用で小学生のときは文字を書くことやハサミを使うなど細かい作業が苦手でした。不器用の原因は腕のトレーニング不足!? 不器用克服に極細ペンを使って筆圧の調整を練習!腕や手首の動きを鍛えていったのでした。

筆圧のコントロールが苦手だった小学生時代、文具にも原因が!?

下敷きがあると鉛筆が滑りやすくて字が書きにくいと思う小3のリュウ太。ツルツルした机のときにも書きにくいと感じる。
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ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太と話していて、あるとき筆圧の話になりました。

小学校のとき板書がキライで、ノートがいつもぐちゃぐちゃだったというコラムを以前書きました。文字を書くことが苦手だった理由の中に筆圧の問題があったのですが、息子と話していて苦手感に意外な問題があったことがわかりました。
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字が汚いのはご愛嬌!?テキトー息子に理由を直接聞いてみた

微細運動に問題があって筆圧のコントロールが難しいこともあるのですが、細かい運動をやっかいにしていた理由の1つに“下敷き”があったようなのです。

ノートをキレイに使うために使用させていましたが、息子に言わせると、
「下敷きはいらないよね!下敷きを敷いて書くと鉛筆が滑って止め、はね、がうまくいかないんだよね。指先のコントロールが難しいのに余計書きにくくなるんだよ!」
とのことなのです。

良かれと思って用意した文具ですが、微細運動を苦手とする息子には合わなかったようです。

息子「それに、テーブルや机の素材もツルツルしているとプリントが書きにくいんだよ」と言います。

紙の下の素材の違いでも書きにくいものがあったのね~と教えられました。
そういえばいつからか息子は下敷きを使わなくなった!そういうことだったのか…。
目が細かい紙やすりなどの少しざらざらしたものを下敷きにしてあげるほうが書きやすい子もいるみたいで、道具を見直すのも大事だなと思ったのでした。
リュウ太が小さい頃に、微細運動の要素がある遊びをさせてこなかったから苦手なままなのかもしれないと思う母。
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ナゼ微細運動が苦手なんだろう?と考えたら息子には折り紙や、つまむ・引っぱるなど、細かい動作ができる玩具で遊ばせてこなかったと思いました。

腕の筋肉や手首のひねりなどの運動が指の操作に関わってくることを知ったのは、息子が中学生になるころでした。
中2のリュウ太が母に、イラストを描けるようになりたいからマンガ用のペンを貸して欲しいと頼む様子。
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中学生になった息子「漫画用のペンで絵が描きたい!」

そんな息子が字を書くことがキライじゃなくなったのは、中学のときに絵を描くようになってからといいます。

私の影響でマンガ用の細い線が書ける耐水性のペンを使うようになってからでした。

一本300円とお値段が少し高いペンなのですが、ペン先が0.1ミリ程度しかなく、筆圧が強いとその細いペン先が潰れて描けなくなってしまいます。
マンガ用のペンの使い方をリュウ太に説明する母。
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そこで息子がこのペンを使いたいといった際に使い方を教え、

・ペン先を紙に押しつけて書いてはいけない。

・肘を支点として力をかけ、肘より先は腕を浮かせるようにする。


この2つを条件に使わせることにしました。

微細運動が苦手で筆圧のコントロールもできない息子には最初はとても難しかったようで、頻繁にペン先をダメにしていました。

それでも怒らないで同じペンを再度与えて使い続けさせてみました。もしかしたら絵を描きたい一心で筆圧のコントロールを習得するのではないか?と希望があったからでした。
マンガ用のペンでイラストが描けるようになるまで練習を続けるリュウ太の様子。
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息子は細い線で美しい絵を描くためにそのペンでの練習を3年近く続け、17歳のころにようやく、フリーハンドで思い描いた通りに細いなめらかな線を描けるようになりました。

描くことが楽しくなると熱中しすぎて、ときには腱鞘炎になることもありましたが、あまり取柄のない息子が唯一続けた練習がコレでした。好きな気持ちがあれば続けられるし、なんでも続けるとうまくいくものだな~と感心しました(笑)

「オレの場合は練習あるのみ!」履歴書や願書も自分で練習していた

筆圧のコントロールを練習してよかったことを振り返る母とリュウ太。
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現在22歳になった息子に、筆圧のコントロールを習得してよかったことは何か?聞いて見ました。

「中学では高校受験のときに、どうしても願書を自分で作成するという逃げられないイベントがある。書き直しができないから、大変だったな。用紙をコピーして何度か練習したりしたな~。高校のときはバイトや就活の履歴書もコピーして何度も練習した。細かい字を書くときは筆圧の加減ができないとツライから、完璧じゃなかったけどコントロールの仕方がちょっとでも練習できていてよかったかも。

オレの場合、結局は書く回数=練習だったんじゃないか?と思った。何度も書くことで腕の筋肉が鍛えられて指の細かな操作ができるようになったのかな?と…履歴書も何度も練習して、ちょうどいい書き方を掴んでた。小学校のときから字がヘタだったけどすぐに上手くなるわけじゃないから、道具を変えるとか、工夫もするべきだったかもしれないね」

と言います。

小学校のときに板書を拒否していた息子が影で願書や履歴書の練習をしていたことに驚きました。

え?リュウ太お前そんな真面目な子だったっけ?と(笑) 必要に迫られたときはきちんと字と向き合っていたのだとわかりました。

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