“自覚”も“正しい文章の組み立て”も、少しずつ…

「お母さんにくれた色鉛筆」という自分の言葉を「お母さんがくれた色鉛筆」と言い直すコウ。
Upload By 丸山さとこ
高学年になった辺りから、「あれ?今の何か違うな。もう一回言い直していい?」と、コウの方からも少しずつ文の組み立てについて考えるようになってきました。

「僕の言い方、ヘンだなって思ったら教えてね」と言うコウは、そのことを特に悩んではいないようです。「何かヘンだなって文でも伝わることは伝わるけど、分かりやすい言い方ができたらいいなと思うから」と言います。

人と会話することで“意思の疎通をはかること”がコウのこれからを豊かにしていってくれるといいなと思いながら、「時々現れる不思議な話し方」に耳を傾けています。

執筆/丸山さとこ

専門家コメント 初川久美子先生(臨床心理士・公認心理師)

自分と相手がいて、「あげる」「もらう」「行く」「来る」などの表現の際に、自分ではないものを主体にして語ろうとすると、言葉の変化形としてのルールはある意味厳密なのでしょうが、主体と客体がごちゃっとして、結果的に誤用表現になる。そうしたエピソードでした。

ASD(自閉スペクトラム症)のある方だと、ルールに厳密で、しかしながら視点の移動(主体と客体の移動)に困難を持ちやすいため、こうしたことがあるのかもしれません。「こういうときは、こう表現するんだよ」という、社会的に共有された言い回しとして柔軟に取り込むことよりも、「見える」になってほしいから「見えて」と言うという表現が出るのでしょうね。しばらく混乱は続きそうですが、「僕の言い方、ヘンだなって思ったら教えてね」が言えるコウくんは素晴らしいなと思います。それが言えればコミュニケーションするうえで、大きな痛手にはならないだろうと感じます。

むしろ、「ヘンだなって思ったら教えてね」をどう身につけるかを知りたい方も多いのではと感じました。想像するに、さとこさんが、コウくんの表現上の誤りを叱ることなく、どうしてそうなるのかを考察しながら一緒に考えてくれたそのスタンスによる賜物なのではと思いました。(監修:臨床心理士・公認心理師 初川久美子先生)
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セリフ集をもって学校へ!オウム返しだったASD息子との「言いたいことを伝える」ための会話練習とは?

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