進路選択から障害告知までの試行錯誤、見出した解決策も。井上雅彦教授の解説も必読のSAKURAさん新著、想いを聞いた【SAKURAさん×発達ナビ編集長対談】
ライター:発達ナビBOOKガイド
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LITALICO発達ナビで連載中のエッセイが人気のSAKURAさん。自閉スペクトラム症のある、あーさんの子育てについてつづった『うちの子、個性の塊です』を出版しました。同じく子育て中の牟田暁子編集長が、SAKURAさんにメールインタビュー。本ができるまでのストーリーも公開します!
LITALICO発達ナビは、「一人じゃないんだ」と感じられる場所
今回は、自閉スペクトラム症のあるあーさんの子育てについてつづった『うちの子、個性の塊です』を出版したばかりの、発達ナビコラムライターのSAKURAさんと、発達ナビ編集長のメール対談をお届けします!
うちの子、個性の塊です
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待望の書籍化!ほかの子と違う?葛藤と喜びの9年間――自閉症あーさんとSAKURAさん、家族の日々を綴った『うちの子、個性の塊です』
牟田編集長(以下、――)SAKURAさんは、いつごろから、どのようなきっかけで、イラストやマンガを描き始めたのでしょうか。
SAKURAさん:娘が3歳のとき、「あーさんの成長記録として、ブログを書こうかな」と夫に話したら、『どうせ書くなら、絵も描いたら?』と言われたんです。そこからイラストを描き始めました。
SAKURAさん:娘が3歳のとき、「あーさんの成長記録として、ブログを書こうかな」と夫に話したら、『どうせ書くなら、絵も描いたら?』と言われたんです。そこからイラストを描き始めました。
その後、発達ナビ編集部の方から「コラムを書いてみませんか?」と声をかけていただいたのですが、実はライターとしての仕事なんてしたことがなかったので、「私の話なんか書いて、役に立つのかな」と、正直なところ不安のほうが大きかったのです。初めてのコラムが2016年5月の公開ですから、もうまる4年が過ぎたんですね。
――そうだったのですね。コラムを書くときに、難しいと感じたり悩んだりすることはありますか?
SAKURAさん:けっこうありますよ。自分の考えを文章にする……というのが、ほんとうはあまり得意ではないので、文章を書くときはいつも悩んでいます。特に、同じ文章でも、読む人によってとらえ方が違ったりするものなので、読んだ人が不快になる文章にならないように、ということには注意しています。
――そうだったのですね。コラムを書くときに、難しいと感じたり悩んだりすることはありますか?
SAKURAさん:けっこうありますよ。自分の考えを文章にする……というのが、ほんとうはあまり得意ではないので、文章を書くときはいつも悩んでいます。特に、同じ文章でも、読む人によってとらえ方が違ったりするものなので、読んだ人が不快になる文章にならないように、ということには注意しています。
――その想い、とても伝わってきます。では、コラムを描くときに、大事にしていることって、どんなことでしょう?
SAKURAさん:全体を通して、暗い感じにならないようにしています。とはいっても、本当は暗い話なのに、無理して明るく変えている…ということはないんですけどね(笑)。読んだ方が、「なーんだ、こんな人もいるんだ!」って、読み終わりが明るくなることを、大切にしています。
たぶん、発達障害の子がいる親御さんって、私もそうですけど、なかなか本当の悩みとか、気持ちって周りの人に言いにくいと思います。だから、私のコラムだけじゃないですけど、発達ナビが、いろんな気持ちを吐き出せる場所になって、「一人じゃないんだなー」と感じられる場所になったらいいなと思います。
SAKURAさん:全体を通して、暗い感じにならないようにしています。とはいっても、本当は暗い話なのに、無理して明るく変えている…ということはないんですけどね(笑)。読んだ方が、「なーんだ、こんな人もいるんだ!」って、読み終わりが明るくなることを、大切にしています。
たぶん、発達障害の子がいる親御さんって、私もそうですけど、なかなか本当の悩みとか、気持ちって周りの人に言いにくいと思います。だから、私のコラムだけじゃないですけど、発達ナビが、いろんな気持ちを吐き出せる場所になって、「一人じゃないんだなー」と感じられる場所になったらいいなと思います。
本の中でいちばん思い入れがあるエピソードは、あーさんへの障害の告知
――ところで、「個性の塊」という、この本の出版が決定したとき、どんなことを最初に思いましたか?
SAKURAさん:しばらくは信じられませんでした。出版社の担当者と連絡をとり合うようになってからも、「やっぱり、この話はなかったことに…」とか言われるんじゃないかと、ドキドキしていました。ほんとうに本になるなんて、実現しないんじゃないかと思っていました(笑)。
SAKURAさん:しばらくは信じられませんでした。出版社の担当者と連絡をとり合うようになってからも、「やっぱり、この話はなかったことに…」とか言われるんじゃないかと、ドキドキしていました。ほんとうに本になるなんて、実現しないんじゃないかと思っていました(笑)。
――今回、絵はほぼ100%描き直したそうですね!
SAKURAさん:そうですね。でも、絵を描くのは嫌いじゃないので、楽しかったです。
――連載コラムをベースに、あらためて本としてまとめ上げていく過程では、どんな思いがありましたか?
SAKURAさん:自分が過去に書いた文章を見ると、今の気持ちとはちょっと違う部分もあって…。直そうかと迷いましたが、でも「その最中にいるときに、思ったことを一番伝えるべきかな」と思ったので、そのままにしています。今の自分から、昔の私の文章にツッコミ入れながら進めました(笑)。
SAKURAさん:そうですね。でも、絵を描くのは嫌いじゃないので、楽しかったです。
――連載コラムをベースに、あらためて本としてまとめ上げていく過程では、どんな思いがありましたか?
SAKURAさん:自分が過去に書いた文章を見ると、今の気持ちとはちょっと違う部分もあって…。直そうかと迷いましたが、でも「その最中にいるときに、思ったことを一番伝えるべきかな」と思ったので、そのままにしています。今の自分から、昔の私の文章にツッコミ入れながら進めました(笑)。
――そんななかで、一番思い入れのあるエピソードは、どのお話でしょうか?
SAKURAさん:思い入れがあるのは、やはり「娘への障害告知」です。発達障害について聞かれたときは、「娘にこう答えよう」と日頃から考えてはいたものの、そのときは思った以上に突然やってきて…。決めていたことを思い出し、自分に気合いを入れて話しました。このときほど、自分の頭がフル回転したことはなかったです! そして、自分の言葉一つひとつがこの子の土台になっていくと思ったら、その責任の重さに押しつぶされそうでした。娘の人柄と、夫の言葉には、かなり救われました。
娘は今も定期的に「発達障害って、この家で私だけ?」という質問をするんです。娘は、「発達障害」を知ったばかり。私だって受け入れるまで何年もかかったので、娘も私や夫に質問を繰り返しながら、ゆっくり受け入れてくれればいいなと思っています。
――この本は、鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生が監修されていて、章末に「監修者コラム」が収録されていますが、専門家からのアドバイスを読んでどんなことを感じられましたか?
SAKURAさん:井上先生とは、打ち合わせのときにも、直接お話させてもらいました。私は、発達障害についてはほとんど独学で子育てをしてきたので、井上先生から見ると「こうしたほうが良かったかも」ということもあったかもしれません。でも、結果、「障害を受け入れて、その子に合った対応を、親が試行錯誤していくことが大事」という点は、変わらないのだと感じました。
特に、本人への障害告知についての監修文は、具体的な対応例や障害告知の目的、きょうだいへの告知の大切さやその際のポイントなどが5ページに渡って書かれているのですが「私も先に読みたかった!」と思いました。
SAKURAさん:思い入れがあるのは、やはり「娘への障害告知」です。発達障害について聞かれたときは、「娘にこう答えよう」と日頃から考えてはいたものの、そのときは思った以上に突然やってきて…。決めていたことを思い出し、自分に気合いを入れて話しました。このときほど、自分の頭がフル回転したことはなかったです! そして、自分の言葉一つひとつがこの子の土台になっていくと思ったら、その責任の重さに押しつぶされそうでした。娘の人柄と、夫の言葉には、かなり救われました。
娘は今も定期的に「発達障害って、この家で私だけ?」という質問をするんです。娘は、「発達障害」を知ったばかり。私だって受け入れるまで何年もかかったので、娘も私や夫に質問を繰り返しながら、ゆっくり受け入れてくれればいいなと思っています。
――この本は、鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生が監修されていて、章末に「監修者コラム」が収録されていますが、専門家からのアドバイスを読んでどんなことを感じられましたか?
SAKURAさん:井上先生とは、打ち合わせのときにも、直接お話させてもらいました。私は、発達障害についてはほとんど独学で子育てをしてきたので、井上先生から見ると「こうしたほうが良かったかも」ということもあったかもしれません。でも、結果、「障害を受け入れて、その子に合った対応を、親が試行錯誤していくことが大事」という点は、変わらないのだと感じました。
特に、本人への障害告知についての監修文は、具体的な対応例や障害告知の目的、きょうだいへの告知の大切さやその際のポイントなどが5ページに渡って書かれているのですが「私も先に読みたかった!」と思いました。
「何歳の時に告知すればよいでしょうか?」という相談を保護者から受けることがあります。結論から言うと、「何歳まで」にという期限があるわけではありません。(中略)
子どもへの告知の前に、親自身の障害に対する理解と自分の言葉に納得できることが必要になると思います。とは言っても、急に子どもから聞かれると、戸惑ってしまうので、ここでは事前の準備として、いくつかの対応例を挙げてみます。あくまで参考なので、自分の言葉で言い直しをしておくとよいでしょう。(P261~ 井上雅彦教授監修者コラム)
子育ての壁も、夢も、自分の経験が皆さんの役に立てたらうれしい!
――SAKURAさんが発達ナビを通して、今後も伝えたいことはどんなことですか?
SAKURAさん:みなさんに、我が家の子育てを良くも悪くも参考にしていただけるように、娘の成長過程で出てくる問題や、ぶち当たる壁を、おもしろおかしく書いていければ、それでいいと思っています。
ところで、私からもちょっと、牟田編集長に聞きたいのですが、子育てして、お仕事もされて…、大変ではないですか?私自身、すぐパニックになるので、うまく子育てと仕事を両立する方法があったら、知りたいです!
――高校生の息子と、特別支援学校小学部の娘との毎日で、日々ばたばたです(笑) 正直なところ、自分だけの時間はほぼなくて、意識しないとつくれないですね…。ただ、私自身も健康面でも影響が出てくる年頃になったので(笑)、今は意識して自分のためだけの時間を1日1時間は持てるようにしています。
SAKURAさん:みなさんに、我が家の子育てを良くも悪くも参考にしていただけるように、娘の成長過程で出てくる問題や、ぶち当たる壁を、おもしろおかしく書いていければ、それでいいと思っています。
ところで、私からもちょっと、牟田編集長に聞きたいのですが、子育てして、お仕事もされて…、大変ではないですか?私自身、すぐパニックになるので、うまく子育てと仕事を両立する方法があったら、知りたいです!
――高校生の息子と、特別支援学校小学部の娘との毎日で、日々ばたばたです(笑) 正直なところ、自分だけの時間はほぼなくて、意識しないとつくれないですね…。ただ、私自身も健康面でも影響が出てくる年頃になったので(笑)、今は意識して自分のためだけの時間を1日1時間は持てるようにしています。
家事や育児についても、気になるレシピを試したり、ハーブティーを揃えたり、娘と一緒にホットケーキをつくったり、掃除の仕上げに花を買ってきて飾ったり…、やらなくてはいけない義務としてではなく、どうしたら一番楽しくできるか?を考えて、楽しめるポイントをつくるように心がけています。
SAKURAさん:心がけていないと、なかなかできないですよね。それでも、子育てや療育で壁にぶち当たったとき、どうしてますか?ストレス解消法ってありますか?
――壁という壁はあまり感じたことがないです。日々少しずつできることが増えているなぁと、ゆっくりな成長を楽しんでいます。ストレス解消法としては、平日毎朝1時間のオンラインヨガ、週末のスタジオヨガができる時間は確保するようにしています。今は、他県に行くことが難しいですが、ドライブやカヤックも好きなので、よく行っていました。娘は車椅子ですが、ドライブやカヤックであれば一緒に楽しめるので。
SAKURAさん:私も以前は、よく夫と二人で旅行に行っていました!冬は、スノボ旅行に行くのが楽しみでした。娘が生まれるまでは、私もパートをしていて仕事に追われて毎日バタバタで、いつもぐったりでしたけどね。
SAKURAさん:心がけていないと、なかなかできないですよね。それでも、子育てや療育で壁にぶち当たったとき、どうしてますか?ストレス解消法ってありますか?
――壁という壁はあまり感じたことがないです。日々少しずつできることが増えているなぁと、ゆっくりな成長を楽しんでいます。ストレス解消法としては、平日毎朝1時間のオンラインヨガ、週末のスタジオヨガができる時間は確保するようにしています。今は、他県に行くことが難しいですが、ドライブやカヤックも好きなので、よく行っていました。娘は車椅子ですが、ドライブやカヤックであれば一緒に楽しめるので。
SAKURAさん:私も以前は、よく夫と二人で旅行に行っていました!冬は、スノボ旅行に行くのが楽しみでした。娘が生まれるまでは、私もパートをしていて仕事に追われて毎日バタバタで、いつもぐったりでしたけどね。
――SAKURAさんといえば、パワフルで前向きという印象ですよ。
SAKURAさん:…私、パワフルですか?そうでもないと思いますよ。結構ヘタレだし…(笑)。でも、子どもたちが楽しそうだと嬉しいので、頑張れる気がします。ただ、最近、すごく感じていることなんですけど、子育てしていて、子どもの成長が嬉しい分、寂しいなと感じるときって、ありませんか?
――ありますね。娘は第二次性徴がまさに始まったところで、身体が子どもから大人に変化していく姿が嬉しい反面ちょっと寂しいです…。高校生の息子は、小学校のときは喧嘩やら忘れ物やら、さらには中学受験サポートもあって、それはそれは大変でした(笑)、その後は反抗期を迎えてとても手がかかったのですが、ようやく手が離れてきました。時々一緒に食事に行くのですが、行き帰りは母と歩くのが恥ずかしいからか、離れて歩くのがさみしいですね(笑)。
私たち親も、育っていかなくちゃですね! SAKURAさんの、目標や夢って、どんなことですか?
SAKURAさん:目標…夢…、恥ずかしくて、うまく言えないですけど…、目標は「目の前にあることをこなしつつ、流れに身を任す」…かな? コラムのお仕事は、機会がある限り、続けていきたいと思っています。
今の夢は、娘の身長が伸びたら、娘と洋服を共有すること…です(笑)。娘が幸せだと感じながら、生きていってくれたらいいと思います。私たちがいなくても、自分で仕事をして、生活できるように…と、今はそう思っています。
SAKURAさん:…私、パワフルですか?そうでもないと思いますよ。結構ヘタレだし…(笑)。でも、子どもたちが楽しそうだと嬉しいので、頑張れる気がします。ただ、最近、すごく感じていることなんですけど、子育てしていて、子どもの成長が嬉しい分、寂しいなと感じるときって、ありませんか?
――ありますね。娘は第二次性徴がまさに始まったところで、身体が子どもから大人に変化していく姿が嬉しい反面ちょっと寂しいです…。高校生の息子は、小学校のときは喧嘩やら忘れ物やら、さらには中学受験サポートもあって、それはそれは大変でした(笑)、その後は反抗期を迎えてとても手がかかったのですが、ようやく手が離れてきました。時々一緒に食事に行くのですが、行き帰りは母と歩くのが恥ずかしいからか、離れて歩くのがさみしいですね(笑)。
私たち親も、育っていかなくちゃですね! SAKURAさんの、目標や夢って、どんなことですか?
SAKURAさん:目標…夢…、恥ずかしくて、うまく言えないですけど…、目標は「目の前にあることをこなしつつ、流れに身を任す」…かな? コラムのお仕事は、機会がある限り、続けていきたいと思っています。
今の夢は、娘の身長が伸びたら、娘と洋服を共有すること…です(笑)。娘が幸せだと感じながら、生きていってくれたらいいと思います。私たちがいなくても、自分で仕事をして、生活できるように…と、今はそう思っています。
――では最後に、発達ナビユーザーの皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
SAKURAさん:いつもコラムを読んでくれてありがとうございます。いろいろなコメントをいただいて、ありがたいです。みなさんが私のコラムを読んでくださるおかげで、こうしてコラムが書けて、書籍も出すことができました。本当に感謝しています。
私は、ただの主婦で、ただの母親ですが、自分が経験したことが、少しでもみなさんの参考になるなら、必要としてもらえる限り、書き続けたいと思っています。引き続き、こんな私をよろしくお願いいたします。
SAKURAさん:いつもコラムを読んでくれてありがとうございます。いろいろなコメントをいただいて、ありがたいです。みなさんが私のコラムを読んでくださるおかげで、こうしてコラムが書けて、書籍も出すことができました。本当に感謝しています。
私は、ただの主婦で、ただの母親ですが、自分が経験したことが、少しでもみなさんの参考になるなら、必要としてもらえる限り、書き続けたいと思っています。引き続き、こんな私をよろしくお願いいたします。
『うちの子、個性の塊です』発売中!
発達ナビの人気ライター・SAKURAさんの初の著書『うちの子、個性の塊です』(すばる舎)は、発達ナビでもおなじみの、あたたかなコミックエッセイとともに、幼稚園時代の偏食やパニックに対する工夫、言語トレーニング、就学先の選び方、手作り療育グッズ、障害告知など、SAKURAさんが悩み葛藤し工夫してきたことが丁寧につづられています。さらに井上雅彦鳥取大学大学院教授の監修コラムも付いている、発達が気になるお子さんの子育てのヒントが詰まった1冊です。
うちの子、個性の塊です
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