かんしゃく・パニックは予防が9割!?修羅場の回避には「3大危険地帯」の心得を...

2020/10/19 更新
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子どもがひっくり返って大暴れ。どんなにあやしても泣き止まない。とにかくテコでも動かない。もう全てがワヤクチャで手がつけられない!…なんて、親もお手上げ、子どものかんしゃく・パニック。こんな時は自分も子どもも責めずに「天災と同じ」だと思うといいでしょう。つまり「防災」こそが大事!うちの数々の失敗経験と試行錯誤から、かんしゃく・パニックの具体的な予防法をお伝えします。

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子どものかんしゃく・パニックが続くと、親だって泣きたい気持ちに...

かんしゃくを起こす子ども
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こんにちは。「発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、親も「一体どうしたらいいの!?」と、お手上げになりがちな、子どものかんしゃく・パニックへの対応です。

子どもがひっくり返って大暴れしたり、どんなにあやしても泣き叫び続けたり、とにかく「ヤダ!」とテコでも動かなかったり、もう全てがワヤクチャのグダグダで手がつけられなかったり……。

こんな子育ての修羅場では、親だって泣きたい気持ちにもなりますよね(私も過去の惨劇を思い出すと、なんだか胃が痛くなって参りました)。

まずは、自分も子どもも責めずに、「子どものかんしゃく・パニックは、天災と同じ」だと、一旦受け止めるといいでしょう。

つまり、「起こってから」では、大自然の猛威の前に1人の人間ができることは限られるのです。基本は、ただひたすらに、嵐が過ぎ去るのをじっと待つのみ。できれば、子どもの暴風雨のような感情に親自身が巻き込まれないように「落ち着いて、冷静な行動を」できればベストだとは思いますが、そこに貴重なエネルギーを使い果たすよりも、もっと効率がいい方法があります。

それは「防災」

……そう、子どものかんしゃく・パニックは、予防こそが肝心なのです。

「子どものかんしゃく・パニック対応は、予防が9割!」だと、私は思っています。その具体的な予防法について、自ら泥に塗れ、大衆の面前で赤っ恥をかき、途方に暮れつつ我が子を担ぎ上げ、暴れ馬に蹴られながらヨレヨレになって家に辿り着いた過去の数々の経験を基にお伝えします。

(拙著「120の子育て法」ではかんしゃく・パニックの見分け方や対応法をより詳しく紹介していますので、よければご参照下さい)

かんしゃく・パニックが起こりやすい、3大危険地帯!

かんしゃく・パニックハザードMAP
「かんしゃく・パニックハザードMAP」
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まずは「ハザードマップ」のように、かんしゃく・パニックが起こりやすい状況を心得ておくと、きっと役に立つでしょう。

ズバリ、子どものかんしゃく・パニックにつながりやすい、3大危険地帯は…

・理屈じゃないこと
・予測のつかないこと
・ガマンのしすぎ

これらの、子どもが不安感や不満感を強く感じることが引き金となり、「気持ちを分かって!」「今すぐ助けて!」と、感情が爆発して火のように泣き叫んだり、キャパ・オーバーで固まってフリーズしたりするのだと思います(私の経験上!)。

理由さえ分かれば、親も落ち着いて子どもの気持ちに共感することもできますし、そこから助けやすくもなります。そして、かんしゃく・パニックに陥りがちなパターンを掴むと、予防策もずっと立てやすくなります。

子どものかんしゃく・パニックは「予防」が9割!

親と子双方にとって負担が大きい子どものかんしゃく・パニックは、なるべく事前に回避し、ひんぱんに起こらないようにするのが大事だと思います。

地震やゲリラ豪雨と同じように、親は子どもに降りかかる全てのリスクを予測できるわけではありませんが、できる範囲で「防災」し、1回でも2回でもかんしゃく・パニックに陥る回数を減らし、たとえ回避できずとも、できるだけダメージを減らせれば、そこから「復旧」しやすくもなります(つまり、早めに泣きやめるかも!)そして、頻度が減れば減るほど、親もより余裕をもって対応しやすく、家庭内での2次災害も回避できますから……。

では、それぞれの危険地帯別に、かんしゃく・パニックの具体的なコツと予防法を、うちの実例を交えてご紹介します。

【予防1】「理屈じゃないこと」は、回避と自衛の工夫

子どもにとって「理屈じゃないこと」は、生理現象と感覚の過敏さが、元を辿れば「震源地」であることが多いように思います。

「お腹すいた」「疲れた」「眠い」…あるいは、トイレや体調不良で「お腹痛い」などの不快な生理現象は「理屈じゃない」ので、親がどんなに言い聞かせようと、どうにもなりません。

そこで、例えばうちの場合、試行錯誤の末、幼い子ども3人連れで穏便にスーパーのお菓子売り場を通過するためには、「開店直後〜午前10時台までか、お昼寝とおやつを済ませた後〜帰宅ラッシュ前の午後4時台までに、30分以内で手短に任務を遂行するのがベスト」という結論に至りました(それが難しい場合は宅配を活用するか、パパが子守りしている間に1人でゆっくり行く!)。

また、小さな子や体質的に感覚が敏感な子は、音・ニオイ・光・色・形・味・食感・触感など、要る情報・要らない情報を上手に分別できずに鮮明なまま受け取るので、大人が気にも留めないようなことが、どうしても、ど〜〜しても、気になってしまいます。

これ自体は「感受性の豊かさ」の現れでもあるので、決して悪いことではありません。でも、過剰な情報が引き金となって、「怖い」「気持ち悪い」などの強くネガティブな感情が呼び起こされると、その場で座り込むことも……。

でも、感覚的な不安感や嫌悪感も「理屈じゃない」ので、説得のしようがありません(大人だって「生理的に無理!」ってこともあるでしょう)。

ですので、もし急に子どもがテコでも動かなくなったら、「何か、感覚的にすごく苦手なモノがあるのかな?」と、周りをよく観察するとヒントが見えてきます。そして、次からは、予めそれを回避するか自衛の工夫をすれば、無事に済むこと、多少マシになることも多いのです。

例えば、うちの次男は小さな頃、聴覚過敏がありました。当時、彼は大好きな歴代ライダー大集合の特撮映画のために、人生初の映画館に果敢に挑戦しましたが、迫力満点の音響に顔面蒼白でフリーズし、敢えなく母と無念の途中退場どんなに大好きなことでも、無理なものは無理だったのです(この時の落ち込みようと言ったら……)。

その数年後。次男は、今度は戦闘シーン満載のロボット・バトルの映画で再チャレンジ。丸腰で挑んだ前回の反省を活かし、「おれ、イヤーマフ持ってく」と自ら戦闘準備。派手な爆発音が続くところだけ装備し、ドヤ顔で無事ミッション完了致しました。

「理屈じゃないこと」は、回避や自衛の工夫で、本人の負担感や失敗体験を減らすことができるでしょう。

【予防2】「予測のつかないこと」は、事前の心の準備とイメージづくり

子どもは人生経験自体が少なく、ましてや、先のことの見通しや、いつもと違うこと、臨機応変な対応が苦手な子は尚更、目の前で「予測のつかないこと」に遭遇すると頭の中が真っ白になり、言葉でそれを大人に上手に伝えられずに、ただ「泣き叫ぶ」しかできないこともあります。

そこにあるハズのものがなかったり、ないハズのものがあったり、できるハズのことができなかったり、人生で初めて未知の物体Xに遭遇したり……「こんなの、知らないよ!聞いてないよ!!」って、大混乱なのです。

子どもに降りかかる全ての災難を予測できずとも、台風の進路予想図のように、事前にある程度の「心の準備」が可能な場合も結構あります。その際、

「こういう可能性もあるけど、それでもいい?」
「もし、〇〇できなかった時には、どうしようか?」
「もし、〇〇の時には、こうすればOK」

等の声かけで、例外の可能性に触れつつ、安心させてあげるといいでしょう。

例えばうちでは、大人気のキャラグッズ入手のため、コンビニのハシゴに繰り出す前に、「もし、3軒とも〇〇メダルが売り切れてたら、代わりにアイスクリーム買って帰るけど、それでもいい?」「もし、〇〇ジャーの食玩ミニプラがお店になかったら、どうしようか?」などと、事前に確認や提案・相談をしつつ、本人が納得できてから出陣すると、「なかった」時のダメージをかなり減らせ、「最終奥義!ひっくり返り」の発動も未然に防ぐことができました

その際に、図や絵を併用して説明したり、メモなどを持たせたりすることで、納得し安心できるお子さんもいるでしょう。
運動会プログラム表
うちの子専用の運動会プログラム
Upload By 楽々かあさん
特に、うちでは初めての学校行事は、パニック多発地帯でした。そこで、数々の失敗経験を活かし、例えば、運動会では、上のような出発から帰宅までの全体の流れ、トイレチャンス、お昼の待ち合わせなどを書き込んだ「うちの子専用プログラム表」をつくって、当日体操服のポケットに入れました。すると、子ども達はお守りのように何度も見返し、最後まで比較的落ち着いて参加することができました。(学校配布のプログラムにメモを書き込むだけでもOK)。

また、高学年の修学旅行などの前には、一緒に現地の宿泊施設のHPを見たり、参考写真や動画を見せたりで、事前に「イメージをつける」と、かなり不安感を減らすことができたようです。

そして、特にこだわりの強かった長男には、「予測のつかないこと」とその対処法を思いつく限り書き出した「ハプニング・リスト」を一緒につくったことも。彼は、「それでも、人生には想像できないほど、予測不能なことは沢山ある」と、気づいてくれました。

「予測のつかないこと」は、事前に説明したり、イメージをつくって心の準備をすると、安心して取り組みやすくなるでしょう。

【予防3】「ガマンのしすぎ」は、日頃の関わりと環境の改善

そして、うちでは「理屈じゃないこと」「予測のつかないこと」以外のほとんどは、「ガマンのしすぎ」が、かんしゃく・パニックの原因でした。

親にすれば、手がつけられないほど泣き叫び、ひっくり返って暴れる我が子を目の当たりにすると、「ワガママ放題」のように思えることもあるでしょう(私もそうでした)。でも、そんな時実は「逆」で、それまでその子は誰かのために、めちゃくちゃガマンしてくれてたのかもしれません。

河川の氾濫と同じで、少しずつ「小さなガマン」をずーっと溜め込んできて、なにかのキッカケで「決壊」しただけなのです。だから、根負けしてその時欲しがっているお菓子やおもちゃを買ってあげても、それは「本命」ではないので根本的には解決せず、次も同じパターンになりがちです。

例えば長男の場合、弟・妹が次々と生まれ、十分に甘えさせてあげられないことが続いた時期に、よく近所の100円ショップで背中で床掃除されたものです。こんな時は、欲しいものを買ってあげるより、家で5分でもいいから、私の膝の上に乗せてあげたほうが、ずっと落ち着きやすくなりました。

そして、それに気づいてからは、「子どもの不満・不安の水位が上がってきたな」と感じたら、親子の何気ないスキンシップを増やしたり、ほめほめ強化週間にしたり、子どもの話をなるべく否定せずに最後まで聴いたり……など、日頃の関わりを意識して増量すると「決壊」せずに済むことも多かったです。

また、今の環境の中で、知らず知らずのうちに、その子に大きな負担がかかっていることもあります。例えば、前述の次男のように聴覚過敏の傾向がある子は、学校で「教室が騒がしい」などの状態が続いた場合、最初はガマンできていても次第につらくなることも

すると、いつもなら軽々と乗り越えられるハズの、ちょっとしたハードルがどうしても超えられないこともあるでしょう。ですから、もしお子さんに、登校直前に突然「行きたくない」と泣かれたり、いつもならできることを急に「ムリ」だと頑なに拒否されたりしたら、「ひょっとして、なにかすごーくガマンしていることがあるのかな?」と、一旦受け止めるといいでしょう。

そんな時は、まずは子どもの話をじっくり聴き、「よくがんばったね」「それは大変だったね」など、気持ちに共感してあげるといいと思います。その上で、本人・家庭でできること、学校に配慮をお願いするなどで環境側でできること、その子に合った環境を選ぶこと……など、現実的な選択肢から柔軟に対応できるといいでしょう。

「ガマンのしすぎ」は、日頃の関わりと環境の改善で、負担や不満やストレスを溜め込まずに済むかもしれません。

それでも「ギャーッ!」て、泣かれた時には……

子どものかんしゃく・パニックは、一見、大人には「ワガママ」「ダダをこねている」ように見えても、本人は「理屈じゃない!」「知らない!聞いてない!」「もうコレ以上ムリ!」と思っているのではないでしょうか。

ましてや、今は新型コロナウイルスの影響下で、大人も子どもも、予測がつかなかったり、予定変更を余儀なくされることばかりですし、今後の状況次第では、再び子ども達に何かとガマンを強いざるを得ない可能性だってあるかもしれません。

それでも、自然災害と同じく、親はできる範囲での「防災」を意識すればOK。

その上で、子どもに「ギャーッ!」て泣かれた時には、私は「こういう時もある。しゃあない、しゃあない」と受け流したり、「かんしゃく・パニックで死にゃあしない!」と開き直ったり、「これで、長男の経験値が5ポイント上がった」と、成長の栄養として受け止めるようにもしました。実際、うちでは子ども達の成長に伴い、感覚の過敏さが緩和され、人生の経験値が貯まることで、かんしゃく・パニックの頻度も自然と減っていきました。

子どもにどんなに泣かれたって、一生泣き続けることはありません。
それぞれのご家庭の平和を、心から願っています。

このコラムを書いた人の著書

発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換
大場美鈴 (著)
あさ出版
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